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早池峰山
(はやちねさん)
1,917m
H19年6月14日
10時20分〜16時15分
岩手県 花巻市
曇り時々晴れ
”登山道変化有り
  花も一杯で
  楽しい山歩き”
 八幡平に泊まり翌朝天気はまずまずで雨は降ら無さそうだが、 宿で朝食を取ったので時間は早く無い。

駐車場の直ぐ上
河原坊の登山口
 蔵王と思うがここから遠い、 妻が登れるか不安だが行きたかった早池峰山にする。

 8時10分宿を出て松尾八幡平ICで東北自動車道に入り、 紫波ICで降り4号を北へ行くと早池峰山の指標で右折。

 25号を走り396号の信号に来て、 早池峰山は右折し396号を南下の案内が有る。

 このまま25号を進めば距離は短く直進、 暫くで道は狭くてダンプカーが多くなった。

 くねくね道で走り難いしダンプカーが来るのでゆっくり走り、 採石場を過ぎたのかダンプは来なくなるが、一段と道がくねくねとして走り辛くなる。

 集落が出て来ると少しで早池峰ダム湖畔に来て、右から43号が合流した。
(帰り43号を走ったが道も良く遠回りでも早い)

直ぐ手前にバス停が有る
登山口から山頂部が見えている
 道の駅を見て左に入ると、ダム湖を橋で渡り25号を一路西に進む。

 土日の交通規制の為の大きな駐車場や、 早池峰神社を見て行くと道は細くなる。

 前に1台の車がゆっくり走り、 超低速で進むと大きな建物が見え河原坊登山口に来た。

 ゆっくりは自然保護センターの車で、 危険運転をさせ無い為に低速走行している?

 ここに車は4台しか止って無く、 花の最盛期には早く平日はこんなものかもしれない。

 10時20分歩き始め道路に上がると、 大きな「早池峰山登山口」ポールが立ち入口が分かる。

 右に小田越への舗装道が続いていて、帰りはこの道を帰って来る予定。

 前方に山頂を見ながら降り気味に入って行くと、直ぐ沢に来た。
真直ぐ谷へ下りる コメガモリ沢
幅広い道を降って行く 沢を渡り谷沿いに登る

 水量の少ない沢を石伝いに渡り谷を登ると赤いノビネチドリが咲き、 少し先には白花も見られる。

 シロバナエンレイソウ?やズダヤクシュも咲き花が多い、 紫色のハクサンチドリも有った。
延根千鳥 延根千鳥
ノビネチドリ(紫花) ノビネチドリ(白花)
喘息薬種 白花延齢草
ズダヤクシュ シロバナエンレイソウ?

 写真を撮っていると単独の大きなザックを担いだ男性が抜いて行ったが、 如何にも重そう。

 沢を右に左に渡って行くと、 タチカメバソウの小さな白花が多く咲いているが風に揺れ撮れ無い。
丁度新緑の時期だ 水の量は少ないが雨後はどうか?
新緑の沢筋を行く 渓流は大した事は無い

 十字の白い花が出て来た、ハタザオの花だが毛が目立たずヤマハタザオだと思う、 大きなザックを背負った男性に近くなったが、花を撮っていると又見え無くなった。
白山千鳥 立亀葉草
ハクサンチドリ タチカメバソウ

 石がゴロゴロの道だが割と歩き易く、 沢は水量は少なく渓流と言う程では無いが新緑が美しい。
山旗竿 岩は余り滑らない
ヤマハタザオ 岩ゴロゴロの登り

 前方に目指す山頂部が見えてきて、振り返ると緑が美しい景色が広がっている。
振り返ると新緑が美しい

 頭垢離(こうべごおり)と言う水場に来た、 コップが有り飲んでみると冷たくで旨い水だった。
ここから先は周囲が常に見渡せる 筆竜胆
沢は伏流となり森林限界が近い ひっそり咲いていたフデリンドウ

 沢はここから伏流となり黄色い菫が咲いている、 花弁が細く葉が丸いキバナノコマノツメの様子。
黄花の駒の爪 深山金梅
キバナノコマノツメ ミヤマキンバイ

 岩陰にフデリンドウが一輪だけひっそりと咲きけなげな様子、谷状の斜面が終わると ミヤマキンバイが出て来た、その先少し登るとチングルマが咲いている。
稚児車 深山塩竈
チングルマ ミヤマシオガマ

 赤い花が見えているのはミヤマシオガマで、 付近にはミヤマアズマギクも所々咲いていた。
深山東菊 南部犬薺
ミヤマアズマギク ナンブイヌナズナ

 風が有るので花の写真を撮るのに時間が架かり前に進ま無い、妻が早くと煩く先に行くよう言う、 急な岩場の斜面でお互い何処に居るのか分かり、離れても不安は無い。
反対側の薬師岳が美しい

 一面チングルマの群落が有り見事だ、その中に黄色いミヤマキンバイが纏ってあちらこちらに見られ お花畑を楽しみ乍登る、急な岩場の登りで振り返ると薬師岳を中心に眺望が広がり疲れを癒してくれた。
広範囲に群落が有る
チングルマの群落

 特にお花畑は見応えが有って人気の山となるのも良く分かり、心配していた妻も順調に先を登って、 時々止まって手を振っているのでこちらも答える。

 白いコザクラの花が咲いていて、これが珍しいヒメコザクラの花だ。
千島甘菜 姫小桜
チシマアマナ ヒメコザクラ

 花の形や葉は舟伏山のイワザクラと同じだが、 中央の黄がアクセントとなりこちらの方が可愛い感じ。

 アマナの花が見られるが風に揺れ撮り難い、 黄色い小さな花が集まっているのがナンブイヌナズナ。
これ以外にも大岩が有る 危険な所はコース案内のロープが有る
そそり立つ「打石(ぶついし)」 岩が落ちてきそうな急斜面

 大岩に近付くと斜面は一段と急になり、 手で岩を掴んで登る個所も多くなった。

 「天狗が視界の悪い日に飛んでぶつかった」 伝説の岩とされる、「打石(ぶついし)」の横を通過し妻に追い付くとストックをザックに収納している、 急登は手も使う事で疲れも少なくなる。

 落ちてきそうな急斜面の大岩の間を登ると緩やかになって、 13時20分「早池峰山」山頂に着いた。
割と広い山頂部に社が有る ほぼ中央部に有る三角点
岩に囲まれた「早池峰山」山頂 山頂の一等三角点「早池峯」

 一等三角点「早池峯(はやちね)」の有る山頂は大岩が林立の特異な雰囲気が有り、 小田越から3人の女性が来たが他に居無い。

 風が強く寒いのでヤッケを着て、 先の少し下には避難小屋が有るが岩陰で風を避けて昼食とする。
遠くは霞んでいる
山頂から「薬師岳」

 若いペアも登って来たが岩陰に行った、3人の女性は近くで色んな食べ物が出てきて食欲が旺盛で凄い、 我々は強風でコンロは使え無いので、コンビニで買った簡単な物だ。
ぐるり見渡せるが今日は霞んでいて駄目だ
山頂から北方面

 眺望抜群の山頂だが薬師岳が美しく見える以外は霞んで良く無い、 それに寒いので早々と下山とする。

 何時の間にか男性が立ち自然保護員の方で、小田越から丸腰で単独男性が登って来た、 自然保護員の人が「何も持っていないの」と心配して声を掛けていた。
避難小屋の前を下る 平な斜面に多く雪が残っている
山頂避難小屋 小田越方面は直ぐ雪が残っている

 避難小屋の前を通り小田越に降るが、風が強く帽子を押さえながら歩いて行くと 直ぐ雪の中の道となるが、緩やかな斜面で全く問題は無い。

深山東菊 黒実の鶯神楽
ミヤマハンショウヅル クロミノウグイスカグラ

 湿地となり木道が敷設され、自然保護員の方が来られたので「ここは植生が違いますね」 と言うと「色々花が咲く」と言われる。

 薬師岳を見ながら降るとすっぱりと切れ落ちた岩盤に来た、 鉄製の梯子がパラレルに付いている、妻は両手を使い後向きに梯子を降りる為ストックを受け取り、 ダブルストックで前向きに梯子を降った。
岩の先が切れ落ちていて梯子がある 梯子は鉄製でしっかりしている
こちらも岩がゴロゴロしている 垂直に近い梯子を降りる

 岩だから滑りストックを当てにせず降るが、 足を下ろす所は丸棒で足が安定し無くて危ない、その下に今度はシングルの梯子が有り、 長さは同じ位だと思うが両方共50度位の傾斜か?高度感たっぷり。

 無事に降りたがもう年なので前向きで無く、 安全に後向きで両手を使い降りるべきだと深く反省。
早池峰薄雪草 細葉岩弁慶
開きかけの ハヤチネウスユキソウ 咲き初めの ホソバイワベンケイ

 岩の間を降っていると撮り易い所にヒメコザクラが咲き、良く見ると近くにウスユキソウが有る、 未だ完全に開いて無く特長の星形で無いが、毛が多くこれがハヤチネウスユキソウの様子。

 近くにはホソバイワベンケイも有ったがこれも未だ早く開いた花が少ない。
色んな花が咲いている 岩梅
広々とした竜ヶ馬場 竜ヶ馬場には イワウメ

 竜ヶ馬場と言う広いハイマツ帯に来ると、 広範囲にイワウメが咲きアズマギクの白花も見られた。
岩の山なのが良く解る
竜ヶ馬場から山頂方面を振返る

 大きな石を飛びながら降る所を過ぎると樹林帯に入って行く、 振り返ると岩山だった事が良く分かる。

 溝状の山道を降って行くとムラサキヤシオが咲いていて、 その先深い林に入り暗くなって来た。
ここは勾配は緩やか 水路となっているようだ
岩を飛びながら降る 樹林帯に入ると溝状の道

 ツバメオモトが咲くが暗くて撮れず、 殆ど平坦になると釣鐘状の白い花があちらこちらに有る。
紫八染 筬葉草
ムラサキヤシオ オサバグサ

 花の名前が全く分から無い、 湿地のような所を木道で通り過ぎるとぽんと小田越の登山口に出た。

 直ぐ向かいに自然保護センターが有り男性が外にいるので話し掛けると、 東北弁で聞き取り難い。
こちらも登山口らしくなっている 結構長く未だかと思う頃に河原坊へ着いた
小田越の登山口に出た 舗装道を河原坊へ返って行く

 向かいの薬師岳登山道に入ると、オサバグサの群落が有るので見に入ったら良いと言われる、 花の様子を聞くと今見た白花で「そこに咲いていました」と言うと、 薬師岳は多数の群落で有名との事。

 最近早池峰山側も咲く様になったようで、 薬師岳側には入らず舗装の立派な道を河原坊に戻って行く。
蕗 この辺りからが一番良く見える
フキ雌株の白毛 帰りの車道から早池峰山

 道の両側はフキの葉で埋め尽くされ、少ないが雌株の花状の白毛が美しい、 ノビネチドリやハクサンチドリを見ながら河原坊に近くになると早池峰山が見送ってくれていた。

 16時15分車に戻る、 その後深い霧に悩まされながら栗駒山山麓の温泉に泊まり汗を流す。

 河原坊より登り小田越しに降りた、殆ど両コースに同じ花が咲いていたがイワウメは小田越だけで やはり周回が良いと思うが、河原坊と小田越間が舗装された車道歩きが30分強有るのが惜しい。

 地形図を見ると北側に破線が有り歩道が有るのか? 見逃したかもしれない!山の印象は「名山」だ。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
   出会った花:

    ・イワウメ・オサバグサ・キバナノコマノツメ・クロミノウグイスカグラ・シロバナエンレイソウ

    ・ズダヤクシュ・タチカメバソウ・チシマアマナ・チングルマ・ツバメオモト・ナンブイヌナズナ

    ・ノビネチドリ・ハクサンチドリ・ハヤチネウスユキソウ・ヒメコザクラ・フデリンドウ

    ・ホソバベンケイ・ミネザクラ・ミヤマアズマギク(白花~淡紅花)・ミヤマキンバイ

    ・ミヤマシオガマ・ミヤマハンショウヅル・ムラサキヤシオ・ヤマハタザオ


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