「ズダヤクシュ」
長野県富士見町 入笠山にて (2005.6.22)
マナスル山荘の駐車場に止めて、入笠湿原に遊歩道を降ると道の脇に可愛い白い花が咲いていた。
北海道及び本州・四国・九州の亜高山帯のやや湿った林内に自生し、6〜8月頃花茎の先に小さな
白い花を付ける。
細長い根茎を匍匐(ほふく)し広がり茎を出し、高さ10〜25(45)cm)の総状花序の先に
多数付け、長さ2.5mm程の小さな白い釣鐘形が数個〜25個斜め下向きに付く。
花弁は腺毛が密生する花弁状の先が細く伸びた蕚片5個で、本来の花弁は蕚片内側に少し長く糸状
で5個、中央の雌蕊1個は円錐形で葯の付く雄蕊10個と共に、花弁(蕚片)より長くて飛び出す。
茎の下部に付く葉は2〜5cmの柄の先に、2〜10cmの円心形で浅く3〜5裂、茎上部の葉は
小さく柄も短く2〜3個互生、茎や葉の両面や全体に腺毛が密生し白っぽく見える。
花の名前は一部地域(長野県木曽、福井県坂井郡等)で喘息をズダと言い、本種を煎じて飲むと喘息
の咳が止まる事から薬種(漢方薬の材料)とされて、「喘息薬種=ズダヤクシュ」と付いた。
山歩き記録
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