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入笠山
(にゅうかさやま)
1,955m
H17年6月22日
11時40分〜15時00分
長野県富士見町
曇り一時霧雨
  ”入笠湿原は
  満開の鈴蘭で
  甘い香りが一杯”
 中央道伊那インターで下りて、高遠の町を抜け杖突峠に向かう。

入笠湿原に向かって降って行く
唐松林の遊歩道
 峠手前守屋山への林道入り口を過ぎ、 少しで右にゴルフ場と入笠山の大きな案内が有り入った。

 舗装された道を入って行くと霧が深くなるが、 右にゴルフ場が見えプレーしている。

 この霧では打ったボールを追えるのか?

 道は狭く車1台が通られるだけで、 先方から車が来たら擦れ違いに難渋しそうだ。

 湖が見えてきてキャンプ場に来た、 水を持って無くて汲もうと思うもキャンプ場は開いて無い。

 入って以降は標識は無い、 有名な山で多くの人が訪れていると思うがこの方面からは少ない様だ。

 分岐は主要道だと思う方に進む、 道が合っているか不安になった頃案内が出てきて安心。

「随分走ったのに未だか」と思い始めた時、 明瞭な分岐を左に鋭角に曲がりズミ並木に入り峠に着いた。

 直ぐ先左に変わっている建物の、マナスル山荘が見えている。

 山荘の向かいに広い駐車スペースが有り、車も2台止まっていた。

ユキノシタ科喘息薬種
ズダヤクシュ
 ここに駐車して良いのかなと思いながら降ると、 三叉路に大きなスペースが有る。

 看板は見当たら無いが、駐車場の様でここに止める事にした。

 地図を確認するとここの直ぐ上のマナスル山荘の向かいが、 入笠山への登山道となっている。

 下に行くと入笠湿原、 もう一方が大阿原湿原経由沢入登山口・富士見台方面の分岐の場所。

 11時40分入笠湿原に向かって歩き始めた。

 林道の脇に遊歩道が作られているので、 唐松林の中に付けられた歩道を降って行く。

 少しで山彦山荘が見えて来ると、右下に湿原が広がっている。

 小学生の団体が居て賑やかな湿原は、右に切り開かれた山の斜面が広がり、 左は白樺が点在する中に鮮やかな橙色のレンゲツツジが咲いていた。
入笠湿原はレンゲツツジの橙色と白樺の白が美しい
レンゲツツジと白樺

 湿原に降りて行くと直ぐ左にクリンソウが固まって咲いて、 木道が先に続いている。

 ここに水場が作って有るので、水を補給し右の切り開かれた斜面に向かう。
サクラソウ科九輪草 サクラソウ科九輪草
クリンソウ クリンソウを上から撮影

 甘い香りが漂ってきてスズランが一面びっしり咲き、付近一帯を香りで包んでいるが、 すずらん自体は小さく群落でも花は見えず美しい景観とは言えず、香りを楽しむものだと思う。
ユリ科鈴蘭 ユリ科甘海老
スズラン アマドコロ

 上がって行く途中アマドコロやベニバナイチヤクソウの花を見たが、 殆ど斜面一面スズランで埋めている。

 最上部林の中に道が続き入って行くが方向はゴンドラ乗り場に続いていそうで引き返し、 斜面の右端を降って行き暗部を過ぎレンゲツツジが咲いている斜面に向かう。
奥のアカノラ山の斜面に鈴蘭が一杯咲いている
入笠湿原のレンゲツツジとアカノラ山

 白樺の白とヤマドリゼンマイの淡い緑に、 レンゲツツジの鮮やかな橙が見事に調和して美しい。

 一帯は山上の別天地の感じがする雰囲気が有る。
ヤマドリゼンマイの緑が映えている
ヤマドリゼンマイとレンゲツツジと白樺

 大きな一眼レフで写真を撮っている人が散見し、全く動かず日が射して来るのを待っている様子、じっと待つのが苦手でとても写真を趣味には出来無い。
アヤメ科菖蒲 ツツジ科蓮華躑躅
アヤメ レンゲツツジ

 入り口近くの広場にいた小学生の団体も帰った様で静かになり、 12時30分ここで昼食とした。

 近くには黄色い ウマノアシガタが一面に咲いている。
キンポウゲ科馬の脚形
入笠湿原のウマノアシガタ群落

 霧雨が降ってきたが我慢出来無い程の事は無いので、美しい湿原を見ながら食べて13時10分山頂に向かう、 山彦山荘の前にはサラサドウダンツツジの花が満開となっていた。
山彦山荘の要り口付近に咲いている更紗灯台躑躅
サラサドウダンツツジ

 林道を歩いて駐車した分岐を過ぎ、マナスル山荘の前で左の登山道に入る。
変わった形のマナスル山荘 登山口はマナスル山荘の前にある
マナスル山荘 入笠山登山口

 少し進むと結構急な登りとなって来て、 白い「ズミ」の花が満開で迎えてくれ次から次に咲いていた。

 分岐に来ると「岩場」と有り、妻は左が岩場で右が避ける道と解釈。

バラ科酸実
酸実(ずみ)の花
 分かり難い書き方で、逆に右が岩場で左が岩場を避ける道だ。

 手書きで分かる様にふりが打って有る。

 右の岩場の方に行くと、レンゲツツジが出てきてズミと合せ華やかな道。

 岩場は危険な所は無く難無く通過する。

 両側レンゲツツジが見られる様になると、 14時10分広くなだらかな山頂に着いた。

   霧に囲まれた山頂中央部に、 二等三角点入笠山(にゅうがさやま)と山頂標識が有る。

   若い男性二人と単独の男性が居るだけで人気の山にしては少無い、若い男性は疲れたを連発していたので「何処から登ったのか?」と聞くと、マナスル山荘からと言う。

 「それで息が切れては駄目じゃ無いのと」妻に冷やかされていた。

 8月に会社の仲間と富士山に登ると言う、 富士山も少し経験の有る人達が登らないと渋滞し大変!
岩場コース山頂手前は両側にレンゲツツジが一杯咲いている
「入笠山」山頂手前のレンゲツツジ

 単独の男性が分岐に「岩場と書いて有ったが無かった」と言う、 我々が来た方に降れば岩場経由で帰れると言うと怪訝な顔をしていた。
眺望が評判の山頂だが何も見えず ズミの木が多い入笠山山頂付近
「入笠山」山頂 ズミの大木

 眺望が評判の山頂だが霧で全く見え無い為、 14時30分早々に下山を開始する。

 山頂部はレンゲツツジの他はノアヤメが咲いている程度だった。
岩場コースで無い方に群生しているレンゲツツジ
入笠山のレンゲツツジ群落

 帰りは岩場が無い方の道を降り、 大阿原湿原方面の道を少し進むと分岐に来て右が湿原の為左へ下る。

間違えやすい書き方がしてある問題の指標
岩場コースとの分岐指標
 歩き難い崩れかけた道を通過し、 レンゲツツジの群落に来てしばし見とれた。

 少し降ると問題の指標の有る分岐に戻る。

 その後真っ直ぐマナスル山荘に行かず、右のスキー場跡のお花畑の道を降った。

 ここもスズランが一杯咲いていて、甘い香りが漂っている。

 スキー場の縁に作られた遊歩道を降り、15時10分車に戻った。

 今日は蓼科中央高原に泊まる為、富士見台方面に走って行く。

 地図に「首切り清水」と有るが何処か分から無いまま通過し、 直ぐ先の「大阿原湿原」の案内看板により、 右に入ると直ぐに広い駐車場が有り止める。

 
マナスル山荘前のお花畑のスズラン
スズラン
 駐車場は1台も車が止まって無い。

 案内図が有り右の湿原の中を木道が続いていて、左回りで入って行った。

 湿原の中には特に花は見られ無いのでどんどん先に進むと、 白い穂がひらひらしたスゲが湿原一杯に広がっている。

 「サギスゲ」の群落だが初めて見る光景だ。

 その先に「ウマノアシガタ」の群落が見られ、 この花は里で良く見るが集まると見応えが有る。

 反対の湿原中央の1本の木に空気中の水蒸気を吸って育つとされる、「天女の舞」が付いていたが余り良い光景で無いと思う。

 湿原の終わり近くに来たので引き返そうと思ったが、 好奇心が勝ち一周しようと先に進んで行く。

 道がはっきりしない分かり難い所は、左の戻る方向に行くと沢に来た。
カヤツリグサ科鷺菅
大阿原湿原のサギスゲ群落

 「イチリンソウ」が咲いている沢を渡り、林の中に入って行く。
地衣類サルオガセ科猿尾枷があちこちの木に寄生している
木に付いている天女の舞「サルオガセ」
 直ぐ分岐に来て戻る為左に進んだ。

 道ははっきりしているが深い森の中の感じで、見通しは全く無い。

 傾いて歩き難い木道を通り戻って行くが、 左に在る筈の湿原は木立の中で見えない単調な道。

 結局このまま林の中の道がくねくねと続き駐車場に出た。

 湿原を見るのなら入り口を右に入り、先端近く迄行って戻った方が良い。

 帰路に着いて車で舗装された良い道をかなり降って行くと、 沢入りの登山口の大きな広場がやっと左に見えた。

 ここから登ると大分歩き出有るように思う、 然し真っ直ぐ登山道が付いて居れば距離は少なくなるが!

ユキノシタ科小紫陽花
コアジサイ
 直ぐ下の小規模な別荘地に来ると、 鮮やかな青の「コアジサイ」が時々見られた。

 余りに鮮やかな色をし綺麗な花なので、道路に車を止めて素早く写真を撮る。

 少し降ると国道20号に出て直進し中央本線を渡り、 今夜の宿の蓼科中央高原に向かった。

 この山は花の山として評判となっているが、 時期が悪いのか花の種類は少ないように思う。

 スズランが満開だったが、 香りを楽しむのなら良いが群落は見て綺麗なものでは無い。

 入笠湿原の雰囲気は静かな時に行けば、 ロマンチックにさせてくれる良い雰囲気が有る。

 只人気のスポットで、静寂を求めるのは難しいかもしれないが?

 眺望の良い入笠山山頂から、 天気が悪く山々が全く見られなかったのが惜しかった。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
 出会った花: ・レンゲツツジ ・スズラン ・クリンソウ ・アマドコロ ・ノアヤメ  ・チゴユリ ・ズミ

          ・ウマノアシガタ ・サギスゲ ・スダヤクシュ ・コアジサイ ・イチリンソウ


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