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蓼科山
(たてしなやま)
2,530m
H18年8月2日
8時30分〜1時40分
長野県佐久市望月町
晴れ時々曇り
”山頂は広大な大岩群
 この広場の景観は 
  深く記憶に残る”
 蓼科町の女神湖近くで泊まり朝食前に女神湖畔に行くと、 合宿の若者大勢が体操やランニングをしている。

 ここから女神湖の先に蓼科山が綺麗に見え、今日は天気が良さそうだ。
左端が大河原峠
女神湖の先に蓼科山

 朝食後宿を出て女神湖から少し戻り白樺高原スキー場の夢の平林道に入る、 以前有料道路で道は良い。
雌待宵草 柳蘭
メマツヨイグサ ヤナギラン

 「御泉水自然園」を右に見て先に進むと、鳥居が見え蓼科山7合目登山口に来たが車は3台程度で少ない。

ヒュッテや売店がある平坦な広場
登山口の大河原峠、見えている前掛山に登って行く
 先の大河原峠を目指し左から道を合わせると少し悪くなるが、 それでも舗装の立派な道が続いていた。

 降り気味から少し登ると平坦で広い大河原峠に着く、 ここにはバス1台の他に車は6台止まっている。

 駐車スペースは未だ大分余裕の有るこの場所は、 大きな平地で大河原ヒュッテ等建物が3棟建っていた。

 単独の男性がきょろきょろ見回しながら、 三角屋根のヒュッテに進んで行く。

 8時30分歩き始め先程の男性が行った方に向かうと、 三角屋根の手前の建物に登山届けが置いて有った。

 用紙は八ヶ岳への縦走が入った本格的な内容で、 日帰り登山を対象の物で無いが一応届けを提出する。

 この辺りハクサンフウロが咲きマツムシソウも少ないが見られ、 奥の笹原に明瞭な登山口が有った。
松虫草 前掛山方面に入る
マツムシソウ 笹の間の道を山に入って行く

 笹の間を山に向かい進むと直ぐに林の中に入った、 道は幅広いが岩がゴロゴロしていて歩き難い。
ゴロゴロしていて歩き難い
林の中の石が多い道

 雨が降ったらここが水路となると思う溝状の道で、湿気気味だ。

 少しずつ急な登りとなるが変わらず岩の道で、 所々林の中に別の道が付いているが又元の谷道に戻る。
雨の場合いかなり滑りそうだ
急な登りになると溝状のごろ石を登る

 風が無く暑いので立ったまま水を飲み又登って行くが今日は調子が良い様だ、 然し妻は遅れ気味。

 花はゴゼンタチバナとイチヤクソウの蕾みが見られる程度で、 他は咲いて無い、男性が下山してきたので「眺望はどうでした」と聞くと「曇って見え無かった」と言われ駄目の様だ。
御前橘 縞枯の中を通過する
ゴゼンタチバナ 縞枯現象の林を行く

 尾根が近くなり明るくなってきたが、ここ迄林の中で全く眺望は得られて無い、尾根に上がると降り気味の平坦な道となり、眺望は無いが道も良くなりどんどん距離を稼いで行く。

 そろそろ前掛山分岐かと注意していたがそれらしい道は見られず、縞枯の林を過ぎると前方に蓼科山山頂が見えてきた、下にはアキノキリンソウが咲いている。
こんもりとした山頂標高差は余り無い 秋の麒麟草
縞枯の林の先に見えた蓼科山 アキノキリンソウ

 緩やかに降ると先から賑やかな声が聞こえ将軍平が近い様子、 ここにベンチが有り座って休んだ。
今日は殆ど乾いている
平坦な道には泥避けの丸太

 前方には蓼科山山頂が見え、 山頂部の岩の急斜面を人が登っているのが微かに確認出来る。
ベンチは4〜5人座れる
将軍平手前のベンチから蓼科山

 誰にも抜かれ無く10時20分将軍平を通過、 大勢の人が居て蓼科山荘は外で飲み物を売っていた。

 ハクサンフウロを見ながら林の中に入って行くと、 少しで大岩が積み重なった道の直登が始まる。
一薬草 白山風露
イチヤクソウ 花弁がスマートなハクサンフウロ

 妻はストックを止め手袋をして登ると言う、 岩を掴んで体を持ち上げる所も多いが危険な場所は無い。
賑わっている将軍平ら、スペースは小さい 大きな岩が途切れず続く
将軍平と蓼科山 大岩が続く登り

 直登が続く為息が上がり止まる回数が増えてきたが皆さん我々と同じペースで登っている、 高度が上がると視界が開けてきて、将軍平の蓼科山荘と背後に歩いて来た前掛山が大きく見えた。
樹木で隠れているがほぼ真っ直ぐに登ってくる
大岩を登ると遥か下に将軍平

 左側の北横岳は見えているが雲が掛り良くない、 八ヶ岳は全く見えて無く残念。

 左に曲がると緩やかになり山頂ヒュッテが見えてきた、 シャクナゲが咲いているが花は痛んでいる。
ここは傾斜も緩やかだ 山頂標識と三角点だけでさっぱりとした山頂
山頂ヒュッテから山頂への登り 山頂の一等三角点「蓼科山(たてしなやま)」

 先行の男性グループはヒュッテに入りビールを飲むと言っている、 通過し岩だけの山を登って行く。

 11時10分広大な岩の台地の中の山頂に着いた、 山頂標柱と一等三角点「蓼科山」が有る。
どうしてこのようなけ景観になるのか
岩の広大な山頂台地

 一番低い火口跡と見られる所に小さな社が建っていて、 その先には展望台が有る様だ。

広い山頂部の略中央にある神社
蓼科神社
 三角点付近は案外人が少ない、 大岩がゴロゴロして平らな所が無いので散らばっている。

 昼食をとするがコンロを水平に置く場所が無いし風も強い、 岩陰で何とか使用したがこの辺りには良い場所が無かった。

 大学生だと思われる30人以上は居そうな団体が登って来た、 とたんに騒がしくなったので直ぐ逃げ出し中央部の祠に行ってみる。

 石で出来た鳥居と小さな社は蓼科神社でなかなか雰囲気が有り、 この辺り平らだ。

 展望台に行くと白樺湖から車山が見えるがやはり霞んでいて、 その他顕著な山は見えていない。

 その内大学生と思われる団体がこちらに向かってきた、又も逃げ出す事にした。

 団体になると兎に角騒がしい、山に来て騒がしいのだけは我慢が出来無い。
眺望抜群の山頂だが霞んでいる
山頂展望台から白樺湖・車山方面

 12時15分下山開始ヒュッテを通過、降りに掛ると中学生4人が座っていて一人の体調が悪い様だ、登って来る人が多いがすれ違いが出来るので問題は無い、岩の真っ直ぐの急降下に入る。
この辺りの山は何処も縞枯れが見られる
縞枯現象の前掛山を見ながら降る

 特に何も無く12時50分将軍平に戻り、指標に従い右の天祥寺原へ降って行く。
石が細かいので余計に滑りやすい
将軍平から天祥寺原へ降る道は小石が多い

 林の中溝状の小石が多い道の降りで滑り易い、降りの苦手な妻はかなりてこずっていた、同じ様な降りがずっと続き花も無く降るに連れて暑くなってきた、時々前方には北横岳が見える。
時々林が切れて正面に北横岳が見える 未だ下る途中なのに幅広い河原が出現する
北横岳を眺めながら降る 広い河原に出た

 歩き難く嫌になった頃御夫婦が追い付いて来た、 止って先に行って貰うと少しで幅広い河原に出た。

 その先河原が徐々に狭くなって来ると、 谷にロープが張られ右の林に道が付いて道案内のロープ。
下へ下ると河原が狭くなるのも珍しい 指標は無い
河原は徐々に狭くなる、前方「大岳(おおたけ)2382m」 谷にロープが張って有り右の林へ

 暫くで再度河原に出ると又ロープが有り左の林に道が付いて、 なだらかになった林の中を降って行く。
今まで低い木だがここから普通の林となる 笹の中に入るとコニーデ型の美しい山容が見えてくる
林の中を降る 林を抜け出すと背後に蓼科山が見える

 笹原となり振り向くと蓼科山が綺麗に見えている、突き当たり14時30分竜源橋・大河原峠の分岐指標に着いた、妻はこの降りが辛かった様で、石に腰掛けてゆっくり休憩するがここは暑い。
ここで休憩したが狭いし眺望も良くない ここまでくると幅広くなり気持ちが良い
降りきると分岐に来た 広々とした谷間を緩やかに登って行く

 なだらかな笹の間の道を左の大河原方面に行くと、 蓼科山の全景が綺麗に見えて来た。
蓼科山が木に邪魔されず見えるのはここだけ
蓼科山が綺麗に見えた

 少しで天祥寺原に来たら小広場で、 ここから亀甲池・双子池方面に行けるが今日の状況では無理。
人が居る事が出来る広場は小さい 弟切草
天祥寺原、ここは亀甲池・双子池への分岐 オトギリソウ

 ガイドブックにこの辺り花が多いとなっていたが、 オトギリソウを見掛ける程度で他に咲いて無い。
双子山はなだらかな山だ 下りきった分岐からここまで結構長い
双子山 緩やかに登り切ると大河原峠

 双子山を見ながら緩やかな登りを行く、 妻が辛そうで時々休憩しながら15時40分大河原峠に戻った。

  「蓼科山秘密の花園」
小金鈴花 深山小米草 岩金梅
コキンレイカ ミヤマコゴメグサ イワキンバイ
深山沙参 深山茴香
ミヤマシャジン ミヤマウイキョウ
高嶺伊吹防風 高嶺飯子菜
タカネイブキボウフウ タカネママコナ
薄雪草 深山穂躑躅
ウスユキソウ ミヤマホツツジ

 大河原峠からの登山道は途中で平坦になり、体力の回復を図る事が出来るので登り易いと思う。

 帰路将軍平から天祥寺原への周回コースとしたが、 谷間に下りる迄が単調で面白くない、天祥寺原に花が咲いているか亀甲池・双子池に行くなら別だが、 それ以外はピストンが良さそうだ。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
 確認出来た山:
       ・車山 ・北横岳 ・大岳、
 出会った花:
       ・ニッコウキスゲ ・ハクサンフウロ ・マツムシソウ ・メマツヨイグサ ・ヤナギラン
       ・イチヤクソウ ・アキノキリンソウ ・オトギリソウ ・コキンレイカ ・ミヤマシャジン
       ・ミヤマホツツジ ・ミヤマウイキョウ ・タカネイブキボウフウ ・タカネママコナ
       ・ゴゼンタチバナ ・ミヤマコゴメグサ ・イワキンバイ ・ウスユキソウ


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