「深山小米草」 「戸隠小米草」   ゴマノハグサ科コゴメグサ属
「ミヤマコゴメグサ」    長野県立科町 蓼科山にて (2006.8.2)
高い木が無い砂礫帯に小さなママコナが散在し、一層ザレタ岩石混じりの所にこの花は咲いていた。

中部地方以北の高山草地や礫地に自生、7〜9月茎の中程から上に白で黄色の斑が入る花を付け、
花は茎上部の葉脇に唇形で長さ約1cmが1個ずつ付き、上唇の長さ8~9mmで2裂し、下唇は
長さが上唇の約2倍で大きく広く3中裂し裂片は2浅裂し、中裂片に黄色の斑点が有る。

茎の高さ5〜15cm白の曲毛が付き帯暗紫色で、葉は対生し葉柄は殆ど無く両面無毛で、長さ5~
10mmの倒卵形又はへら状の基部楔形で、葉先に鈍い少数の鋸歯。

似るタチコゴメグサは葉が広卵形で基部葉柄は無く縁に鋭い鋸歯が有り、花の上唇と下唇の長さが
同じ位で、本写真は明らかに上唇は短く下唇は長くてミヤマコゴメグサに相当する。

花の名前は江戸時代小さな白色の花を小米に例え「小米草(コゴメグサ)」と呼び、高山=深山に
生育で「深山小米草(ミヤマコゴメグサ)」と付いた。

        山歩き記録 ⇒蓼科山
「トガクシコゴメグサ」    長野県戸隠村 戸隠山山頂近くにて (2005.10.23)
危険な蟻ノ戸渡りを過ぎ平らな八方睨みで高妻山を眺め一息、その先のザレた尾根道に咲いていた。

中部地方以北の亜高山帯に自生のミヤマコゴメグサの変種、8〜9月茎上部の葉脇に白色の花を付け、
花冠は長さ8〜9mmで下唇の内面中央に黄色の斑紋が有り、萼裂片の鋸歯の先は芒状(のぎじょう
=棘状の突起)。

茎は直立し8〜25cmで疎らに分枝し、葉は倒卵形かヘラ形の長さ0.5〜1cm葉先の縁に2〜
4対の鋭鋸歯が付く。

ミヤマコゴメグサの変種とされ、本種は葉先が細く伸び刺状で萼裂片の先が尖るが、ミヤマコゴメグサ
は尖らない、写真も葉先が伸びて刺状になっていて特長が出ている。

花の名前は最初に長野県戸隠山で見付けた小米草で、「戸隠小米草(とがくしこごめぐさ)」と付く。

     山歩き記録 ⇒戸隠山
ゴマノハグサ科コゴメグサ属   ・イブキコゴメグサ  ・コケコゴメグサ  ・タチコゴメグサ


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