67 | (とがくしやま) 1,904m |
H14年8月11日 6時20分〜15時40分 長野県戸隠村 晴れ時々曇り |
”鎖場の連続 そして細尾根渡り 面白い山!” | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前日戸隠奥社向かいに有る戸隠スキー場近くの、
越水ヶ原(こしみずがはら)の宿に泊った。
入口駐車場で朝食を食べ6時20分歩き始めた、 鳥居を潜り深い杉並木の真っ直ぐの参道を進む。 戸隠神社奥社早朝参拝の人と出会いながら、7時丁度に奥社に着いた。 左手にテントの臨時登山案内所が設けられ、係りの方が二人居て朝早くからご苦労様!大勢の登山者が有る様だ。 登山届の受け付けと、簡単な案内及び注意をお聞きした。 前日の宿で一番の難所の「蟻の戸渡り」で、 滑落死が出ていると聞いたのを思い出す。 奥社に参拝すると外に水場が有り、 今日は暑くなりそうなので水の追加補給をした。
7時15分山に入り、自然林の中ジグザグに付けられた登山道を登って行く、勾配は少しきついが良く踏まれ登り易い道が続いている。
早朝なのに汗を流しながら高度を上げて行くと開けた所に出た、振り返ると裾野の広い「飯縄山1,917m」から右に、ずっと美しい景色が広がっていた。
座ってゆっくり休んでいると二人連れの男性が登って来て、ここで休まれる。
アレ!「富士山」だ、「八ヶ岳」の左に微かに富士山が見え、 この時期にしては上出来でラッキー。 然し朝早いにもかかわらず今日は異常に暑い様で、何度も水を飲んでいる、青いソバナの花が目立ち、クガイソウ・ヤマハハコも時々見掛け花の多い山の様だ。
小さなツリガネ状の花は何の花か、 クサボタンにしては青色も濃く優しい感じなのだが? ⇒クサボタン
岩が出て来る様になると、 8時15分大岩壁の下に道が有る「五十間長屋」に着いた。 続いて完全に上部迄岩が覆っている「百間長屋」、 そして祠の有る「西窟」を通過する。
この辺りからずっと岩場が続き、 二人連れの女性を追い越し岩の間を登って行くと鎖場に来た。
ストックをザックに差し手袋をして登ると、 痩せた岩稜が続き次々に鎖場が出て来る様になる。
左方向に「戸隠西岳」の厳つい山が近くに見えてきて、 あちらの山はこの本峰より一層険しい地形の様子。 その先「胸突き岩」と呼ばれる、 全長10〜15mは有りそうな2本の鎖場に来た。 この鎖場は斜度もガイドブックに70度と有り殆ど垂直に感じる、 然も途中で隣の鎖に移らなければならない。 ただ岩に足が掛けられるので、登るのはそんなに大変では無さそうだ。 万一落ちた時受けようと妻に先に登るよう言うが、先に登ってと言う。 取り掛るとやはり途中で鎖を隣の鎖に持ち替える時、 体が浮く感じとなり一瞬アレと思った。 持ち替えた二本目の鎖の登りも岩に足が付けられるので、 普通に登り切る事が出来る。
続いている妻が鎖を持ち替える所で、 「どうしたら良いの!」と叫んでいる。 浮いて体が反転しても足が届き鎖を離さ無ければ元に戻れ、怖がらなければ大丈夫。 左手で鎖をしっかり握ってから次の鎖に右手を出す様、 上からアドバイスをした。 片手を鎖から外すのがやはり怖い様だが、無事通過する。 その先少しで9時15分「蟻ノ戸渡り(ありのとわたり)」に着いた、 時間的にはだいたい順調。 蟻ノ戸渡りを怖がり躊躇して、多くの人が居ると思っていたが誰も居ない。 遠く先の方に見えている、「八方睨」に登っている人が確認出来るだけだ。
右下に降りると鎖が付く巻き道が有るが、 ガイドブック崩壊し通れ無いとされていた。 妻に先に行かせて後ろから危ない時支えようと思ったが、 妻は先に行ってと言う。 前に行く人が居なくて参考にする事が出来ず、 心落ち着かせ立って歩いて行く。 7〜8m迄は普通に歩いて行くのが出来たが、 その先一段と狭くなっていて恐い。 手を着きながら進み、最後は四つん這いになって渡り切った。 続いて「剣ノ刃渡り(けんのはわたり)」と呼ばれている、 刃の様に痩せた所は跨いで進む。 距離は1m程でその先は左下に足場が有り、 横に蟹歩きをすれば良いので簡単に渡った。
流石にホッとする、 然し妻が続いて来てい無く未だ一歩も踏み込んで無い。 妻がどちらに行ったら良いかと呼んでいる、 見ると巻き道は新しい鎖が付いて通れる様だ。
最初鎖を持って降りるのを怖がったが、 後は鎖を掴み横に進むだけの為難無く通過。 巻き道は剣ノ刃渡りの手前迄で、 一旦上がり剣ノ刃は渡らなければならない。 ここは跨いで通るが、腰が重いので前に進み難かったと言うが 怖くは無かった様だ。 9時45分少しの登りで八方睨に着いた、 切り立った狭い台地状だが10人位は休める。 近い高妻山(たかづまやま2,253m)がぬうっと立ち、 右に飯縄山~八ヶ岳~南アルプスの眺めが広がっていた。 休んでいると次から次に、大勢が登ってきて賑やかになる。 一人の女性は良かったと言い同行者と握手していた、 厳しい箇所を通過し達成感が有るのだと思う。
ゆっくりし10時20分「戸隠山」山頂に向かう、 少し降り登り返しコブに行くも標識は何も無い。 小さなアップダウンをし次のコブに上がるも標識は無い、 ただ祠の上部らしい石が有り山頂かも?
ここが戸隠山山頂で10時35分着いた。 三角点は無く三角点は尾根の先、 「九頭龍山(くずりゅうやま)」1、883mにしか無い。 先に進むと林の中にコゴメグサやコキンレイカ、 シモツケソウ等色々な花咲いている。 写真を撮る為何度も止まり、 妻はペースが乱れるので止まら無いようにと言う。 かなりへばってきている様だ。 尾根の道は時々右側が切り立った崖となっていて注意して歩く。 眼下に戸隠奥社が見えてきた、 付近一帯は見渡す限りの緑でそれにしても大きな森だ! 谷に来ると涼しい風が吹き上がってきて助けられるが、それでも今日は暑く汗びっしょりで休んでは水を飲む、下からエーデルワイスが聞こえ12時なのでお昼を告げている。
ガレ場を右に回り込み、 4人が休んでいる「九頭龍山」に着いた。
昼食とするが暑さで食欲が無い、 アンパン一個と果物ゼリー菓子の簡単な昼食とする。 ここは林の中で、立ち上がると「高妻山」が見える程度で眺望は余り開けて無い。
先の一不動に向うと又登りとなり岩場が有る、 鎖は無く三点支持で登り危険だとは思わ無かった。
冷たい水が飲みたく立ったまま休み、 下山道の先に有る「氷清水」に降りて行く。 大洞沢を降って行く道で、大きな石がゴロゴロしていて歩き難い。 又谷筋の為濡れている箇所が多く滑る。 只最近雨が降ってい無い為、これでも何時もより乾いている方だと思う。 氷清水に着いた、晴天続きの為か塩ビのパイプからポトポトとしか出ていない。 その少し下に涌いている所が有り皆さんそちらで飲んでいる。 塩ビのパイプの下にカップを置き、 少しずつ出ている水を集めて飲むが美味い!何杯も飲んだ。
先に降って行くと色んな花が咲いているが、 デジカメも撮り切ってしまい残念乍写す事が出来無い。 鎖場を二回通るが急で無く普通に前向きに降り、 花が多く咲いている草地を通り15時20分牧場に戻った。 牧場の中に道が続き、 キャンプ場手前の喫茶「やなぎらん」でシャーベットを買う。 店の前のベンチで食べていると、 今歩いてきた戸隠山の全景が見えて余韻に浸った。 牧場の中は有料の為か人も少ない(登山者は無料?)、 次々に登山者が降りてきて目の前を通って行く。 人で一杯のキャンプ場を通りバス停に行くと、 出たばかりで次は50分後しか無い。 仕方なく疲れている妻をここで待たせ、 約30分とぼとぼと歩いて駐車場に戻る。 戻って妻を乗せ「妙高池の平温泉」に宿泊、 部屋から三つのコブが特長の「妙高山」が真近に見えた。 この山は鎖場有り細尾根有りと変化が多く面白い、 暑く無ければもう少し楽に歩け楽しめたかも。 花の多い春や紅葉の秋は楽しい山歩きが出き一度は登ってみる山だ、 只雨天の時は止めた方が良い。
確認出来た山: | ・飯綱山 ・高妻山 ・黒姫山 ・富士山 ・八ヶ岳 出会った花: ・ソバナ ・クガイソウ ・ハハコグサク ・サボタン ・イブキゼリ ・オオハナウド ・マルバダケブキ ・カワラナデシコ ・イチヤクソウ ・トガクシコゴメクサ ・タムラソウ ・タテヤマウツボクサ ・コキンレイカ ・シシウド ・ヒヨドリバナ ・コウメバチソウ ・シナノオトギリ ・ホツツジ ・メタカラコウ ・チョウジギク ・マツムシソウ ・シモツケソウ ・シモツケ(木本) ・ノリウツギ ・ヤマブキショウマ |