「高嶺伊吹防風」    セリ科イブキボウフウ属
「タカネイブキボウフウ」      長野県立科町 蓼科山にて (2006.8.2)
タカネイブキボウフウは二色で優しい感じで咲き、花園一帯の雰囲気作りに重要な役割をしていて、
セリ科ミヤマウイキョウやミヤマコゴメグサ・ウスユキソウ・タカネママコナも一緒に咲いていた。

北海道・本州中部地方以北の山地〜亜高山の岩礫地や草地に自生し、茎先に白い小花を付ける。

山地に自生の「イブキボウフウ」の高山型で、本種の方が花序は10個内外と多く付け、花は多数の
枝を分け直径10cm程の複散形花序に大きさ約3mmを多数付け、小さな花弁5個で長い雄蕊5個
の花柱1個の線形小総苞片10個(イブキボウフウは複散形花序直径6cm程で小総苞片5~6個)。

普通主茎は高く花序も大きく、周囲に取り巻きの花を従えるように咲いて、蕾は紅紫色で開くと白い、
一番上の写真の真ん中が主茎で花が終わり、主茎に近い花が白で遠い花は蕾の状態で薄紅紫色。

花序の周囲から開きなかなか美しい花となり(2と3の写真)、全て開き白くなる迄花弁は落ちない。

茎の高さ20〜50cmイブキボウフウは30〜100cmなので本種は低く、側枝は放射状に広げ
小枝は出さず(イブキボウフウは小枝を多く出す)、葉は根生で2回羽状複葉で裂片は糸状に長い。

高山に行く程背丈は低く花茎がくっ付き合い、10個内外の花序にびっしりと花が付き一つの塊の
様子となっている。

花の名前は山地で見られるイブキボウフウの高山型で「高嶺伊吹」、「防風」は中国渡来のセリ科の
植物で花の集まり方が似て、「高嶺伊吹防風」と付いた。

       山歩き記録 ⇒蓼科山
*セリ科イブキボウフウ属   ・イブキボウフウ


TOP 花TOP