293
蝶々深山
(ちょうちょうみやま)
1,836m
H21年8月25日
 11時35分〜15時40分
長野県 諏訪市
晴れ時々曇り
”最盛期に比べ
花は少なく行くなら
 眺望の良い日”
 暫く親の介護で妻と一緒に泊まり掛けで出られ無かったが、 行ける様になり信州に行く事にする。

 然し妻は久し振りで山は無理でトレッキング程度で楽しめる霧ヶ峰に行こう、 未だ歩いて無い蝶々深山から山彦谷南の耳~北の耳経由男女倉山周回と、 八子ヶ峰の予定で出掛けた。

入って直ぐの広場から八島ヶ原湿原
 以前は6月末と8月初めに行っているが、8月末は違う花が楽しめるかもしれない。

 中央道多治見ICから諏訪ICへ車も少なく順調に走り、 152号で大門峠に向った。

 途中オオハンゴンソウの群落を見ながら大門峠に来て左折、 40号通称ビーナスラインを走り道の駅「霧の駅」で軽い昼食を取る。

 北に194号を進み左手「八島ビジターセンターあざみ館」と、 駐車場の有る湿原入口に着く。

 時期外れの平日で空いていると思ったが、 満車状態でビックリするも何とか止める事が出来た。

 11時25分194号を潜り八島ヶ原湿原の入口に立つと、 未だ緑が濃く夏の様子と余り変わら無い。

 湿原の左に行き木道を歩くが、やはり多くの人が散策している。

 早速ハンサンフウロが咲いていると思っていると、 色の濃いアサマフウロが多い。
整備された木道を行く アサマフウロ

 以前来た時はアサマフウロは僅かしか見られ無かったが、 今日は圧倒的に多いので遅い時期に咲く様だ。
ノハラアザミ モリアザミ

 他の花は少なく時々ノハラアザミが見られる程度、 湿原の中に白い花の群落が見られウメバチソウだと思う。

 タチフウロの名前が書かれた札が有ったが、 花は咲いて無いのか結局見付けられ無くて奥霧の小屋に来た。
コウゾリナ 地道の車道を行く

 右に湿原周回道を見送り幅広い車道を東に進み林の中と変わると、背丈の有るアザミが咲くが 花の様子もノハラアザミと全く違った感じだ。⇒タイアザミ
林の中に入る タイアザミ

 沢を渡る所の奥にフシグロセンノウの真っ赤な花を4〜5個見て進むと、 その先ジグザグの登りに変わる。
振返ると「八島ヶ原湿原」と奥に「鷲ヶ峰」

 アキノキリンソウ・ヨツバヒヨドリが咲いていて、 青紫色のルリトラノオはヒメトラノオと言う様だ。
アキノキリンソウ ヒメトラノオ
オミナエシ マツムシソウの咲く道

 マツムシソウが出て来る様になり、 この時期の花なので期待して来たが咲いている数は少ない。

 左手に男女倉山(おめくらやま)から山彦谷(やまびこだに)南ノ耳の、 美しい稜線が見えてきた、以前車山でこの景観を見て何時かは歩きたいと思っていた。
男女倉山(ゼブラ山)から山彦谷南ノ耳への美しいライ

 背後に八島ヶ原湿原と鷲ヶ峰(わしがみね)を見ながら尾根に上がると、 石が多い幅広の道となる。

 右上に物見岩が見えてきた、 前に来た時この辺りで雨が降りそうになり戻った場所だ。
物見岩手前は石が多い道 積み重なったような物見岩

 ずっと眺望の利く道が続いて岩が積み重なったような物見岩に着いた、 若い4人が休んでいる。
奥の突起が有るのが車山、手前の緑の山が蝶々深山・・物見岩にて

 先に道が続き丸いコブの蝶々深山と、 奥に山頂の気象レーダーがポコンと見える車山が続いていた。
広々とした草原を進む 蝶々深山はなだらかな広々とした所

 両側広々とした草原の様な中を進む、 遠くに5〜6人のグループが歩くのが見えるが周辺に人は僅か。

 蓼科山が見えてきたが、雲が有りそれに霞んでいる。
蓼科山が見えてきた

 右にコブに登る道が付いている、 余り歩かれて無い様だが沢渡へ行く道だと思う。

 歩き易い道であっと言うまに距離を稼ぎ、 蝶々深山への登りに入るが少しで石が散在するコブに上がった。
「蝶々深山」山頂看板 蝶々深山付近はマツムシソウが多い

 広い場所の中央辺りに「蝶々深山」と書かれた板が置かれ、 見えていた5人のグループの他に2人が居る。

草原を戻って行く、左のコブに沢渡への道
 最盛期や土日ならもっと人は多いと思うが、 広いスペースなので何処でも休む事が可能だ。

 左手近くに南ノ耳と奥に北ノ耳が少し覗くが、ショートカットの道は無さそう。

 真っ直ぐ車山の麓の「車山乗越(くるまやまのっこし)」迄行か無ければならない。

 妻がきつい様で時間が掛かりそうだ、 車山の宿は5時頃には入って欲しいとなっている。

 周回は今回ここに来た目的なので行きたいが、 妻は帰ろうと言うので戻る事にした。

 物見岩に戻りその先八島ヶ原湿原が見える岩でゆっくり休み、ジグザグの急降下をする。

 林の中に来るとヒヨドリバナにアサギマダラが吸蜜していて、 何とか写真に納める事が出来た。

 奥霧の小屋分岐に来ると妻が前に歩いた周回コースにと言う、 時間的に十分有り左へ入る。
ヒヨドリバナに留ったアサギマダラ 奥霧の小屋から南へ車道を進む

 舗装されて無い車道を行く、これが結構長くしかも東に戻る感じだ。

アザミ類と色が少し違う タムラソウ
 こちらへ回るのなら未踏の先程見た物見岩の先の分岐で、 沢渡に回った方が良いと思う。

 その道は地形図に谷を降り沢渡へ破線が付いているが、 実際は1,792mコブを経由して沢渡に行く様だ。

 分岐に来て「御射山神社(みさやまじんじゃ)」に行かず、右に橋を渡り木道を戻る。

 暫く進むと花の名前が書かれ、 タムラソウ・ババヤマボクチ・イブキトラノオ等が見られた。

 この付近は花が多いので妻に花の名前を教えながら進むが、 ここのトリカブトは「筑波鳥兜(ツクバトリカブト)」とされている。

 ヤマトリカブトより葉の切れ込みが深いと有る、 然し葉が柔らかい感じだが大きく違わず花の名前は難しい。
ババヤマボクチ ツクバトリカブト

 ヤマトリカブトは横に這っているのを見る、 これは真っ直ぐ立っているが生育場所によるのかも。
ハンゴンソウと八島ヶ原湿原

 開けた所に来ると八島ヶ原湿原をバックに、黄色い花の群落が見られ美しい。

 妻が花の名前と聞くので「黄苑(キオン)」と答えたが、 帰って調べると「反魂草(ハンゴンソウ)」。
ハンゴンソウ シシウド

 キオンは葉が単一だがハンゴンソウは葉が切れ込んで分かれて、 ここのは3裂だったが区分は明瞭。

 15時40分車に戻る、 未だ多くの車が止まっていたが殆どの人は目の前の湿原入口迄で帰る様子。
男女倉山から山彦谷南ノ耳・・・八島ヶ原湿原南側にて

山彦谷南ノ耳から車山・・・八島ヶ原湿原南側にて

 車山の宿では美味しいワインと料理を楽しみ、山歩きは今一だったが満足の一日となる、 明日は八子ヶ峰の予定だが妻はどう言うのだろうか?

 この8月終わり頃は花が少なく歩くなら7~8月初めか秋の眺望が楽しめる天気の良い日が良さそうだ。

 只花の好きな方なら最盛期と違う花が見られるので、やはり外せない場所だと思う。


 *関連記録  「6月の車山と車山湿原」①  「6月の車山と車山湿原」②  「8月初めの八島ヶ原湿原」


本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
    出会った花:
      ・アカバナ ・アキノキリンソウ ・ウメバチソウ ・イブキトラノオ  ・ウスユキソウ
      ・エゾカワラナデシコ ・オトギリソウ ・オミナエシ ・オンタデ ・キバナノヤマオダマキ
      ・キンミズヒキ ・クルマバナ・コウゾリナ ・シシウド ・シモツケソウ ・タイアザミ
      ・タムラソウ ・ツクバトリカブト ・ツリガネニンジン ・ノハラアザミ ・ハクサンフウロ
      ・ババヤマボクチ ・ハンゴンソウ ・ヒヨドリバナ ・ヒメトラノオ ・マツムシソウ 
      ・マルバダケブキ ・メタカラコウ ・モリアザミ ・ヤナギラン ・ヤマハハコ 
      ・ヤマホタルブクロ ・ヨツバヒヨドリ


TOP 山行一覧 山歩き12