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車山 (霧が峰)①
(くるまやま) (きりがみね)
1,925m
H17年6月23日
13時〜16時10分
長野県茅野市
曇り
”広大な草原に
レンゲツツジが満開
  見応え有り”
 蓼科の宿で朝起きると雨が降っている、今日も天気は良くなりそうに無い。

 蓼科山への登山は諦めて車山に行く事にする。
蓼科中央高原の宿の前に咲いていた
イチヤクソウ科「紅花一薬草」 あちらこちらに咲いていたハイノキ科「沢蓋木」
ベニバナイチヤクソウ サワフタギ

 出発する頃には雨は上がり、 天気予報も曇りとなっていて何とか降ら無い様だ。

広場となっていて展望台も有るが霧で見えない
横谷観音
 宿の前に咲いているベニバナイチヤクソウを見ながら、 直ぐ向かいの横谷峡の散策路入口に入り滝を見に行く。

 尖石(とがりいし)博物館を通り先に進むと、 新しいトイレ付の休憩舎と大きな駐車場に来た。

 車を止めて霧の中広い道を入って行くと、 真っ赤なヤマツツジと真っ白なサワフタギが満開で迎えてくれる。

 直ぐ横谷観音に着くと広場となって、 展望所の感じの所が有るが霧で全く見え無い。

 観音堂の横に遊歩道が有り、入って行くと急な階段の降りがずっと続いている。

 分岐に来て「王滝展望台」案内の左に進み、少し登り降ると滝の音が聞こえてきた、 正面から少し見下ろす感じで、幅18m落差40mとされる立派な 「王滝」が見えた。

滝の周囲は樹木で囲まれ緑一色、雰囲気が良い光景となっている。
横谷峡は散策コースが有り色々な滝や岩が見られる
横谷峡「王滝」

 ここから下流に滝や名前の付いた岩が次々見られ遊歩道が続くが、 空模様が怪しく今にも降りそうだ。
「霧の中ヤマツツジが美しい」横谷観音近くにて
ヤマツツジ

 雨具を持たずに降りて来たので引き返して車に戻り、 次の目的地車山にビーナスラインを走って行く。

 車は少なく順調に走り白樺湖を過ぎ車山方面に上って行くと、 妻が車酔いの様で気分悪いと言う、ゴンドラ乗り場から少し行った売店レストランの有る 富士見展望台で車を止め休む。

 ここは以前来た時八ヶ岳から蓼科山、 そして富士山がチラッと見えた記憶の残っている場所。
富士見展望台下に咲いていたフウロ草科「白山風露」 富士見展望台下に咲いていたユリ科「日光黄菅」
ハクサンフウロ ニッコウキスゲ

 車の中に妻を残し目の前に見られる散策路に入ると、咲き始めのニッコウキスゲや ハクサンフウロが見られるが、思ったより花が少ない。

 車に戻るも妻は未だ寝ているので、 道路を隔てた反対の山側にも遊歩道が付いているので登って行く。
富士見展望台上の遊歩道に咲いていたユリ科「日光黄菅」 富士見展望台上の遊歩道に咲いていたスミレ科「白菫」
ニッコウキスゲ シロスミレ

 結構急な斜面を行くとニッコウキスゲとレンゲツツジ・シロスミレ・ シロバナニガナが咲いていた。

車山肩にあるロボコックルヒュッテのテラスから
車山肩から車山湿原
 振り返ると大きく広がっていて見晴らしは抜群だが、 曇っていて遠くは全く見え無い。

 ロープの張って有る所迄行くと斜面にレンゲツツジの群落が見え、 道は続くが植生保護の為通行禁止としている。

 ここ迄の道も両側にロープが張られていた。

 少しで戻ると妻が登って来るのが見える、少し寝たら良くなった様子。

 遊歩道終点に綺麗な景色が見えると言うと、妻は先に進んで見に行く。

 車に戻り登山口の車山肩に向う、 少しで大駐車場と売店が道の両側に有る車山肩に着いた。

 右に車山が見え右に上がる遊歩道が有る様で、降りて来る人が見えている。

 時間も昼になっていて、 山小屋の「ロボコックルヒュッテ」でキノコチャーハンと高原牛乳で昼食とした。

幅広いなだらかな遊歩道が作られている
車山遊歩道からビーナスライン
 食事はこれだけで他のメニューは無い、 妻は食欲が無くケーキと飲み物で済ませると言う。

 このヒュッテの奥には車山湿原が一望で出来るテラスが有る。

 コバイケイソウやレンゲツツジの咲く、 広々とした高原を見ながらの食事で気分が良い。

 一人で切り盛りしているヒュッテの若い男性に車山の登山道を聞くと、 遠回りだが大きく迂回して上がる遊歩道しかないと言われた。

 見えていた直登の道は植生保護の為、現在は立ち入り禁止となっている。

 13時丁度車山に登り始め、緩やかな幅広い道を登って行った。

 大きな石が撒かれて歩き難い道だ、 大勢の人が登る為に荒れるので止むを得ないのか?

 ただでさえ広がっている景色が、 高度が上がると一段と眺望が利く様になり気持ちが良い。
車山肩から車山への遊歩道脇に咲いていたユリ科「小梅蕙草」 ユリ科「小梅蕙草」
コバイケイソウ コバイケイソウ

 ビーナスラインの曲線や、 斜面のレンゲツツジ・コバイケイソウを見ながら登って行く。

 昼過ぎの時間の為か歩いているのは我々だけ、 立派なベンチが有ったが歩き始めたばかりで休まず進む。
男女倉山(ゼブラ山)から山彦谷へのラインが美しい
コバイケイソウの先に「男女倉山」と「山彦谷南の耳・北の耳」

 道は大きく左にカーブをし山頂方面に行く、相変わらずなだらかな道だ。

 真っ直ぐ登る道は入らないようにと立て札が有り、 気持ち良さそうな道で通れないのが惜しい。
広い山頂だか気象観測ドームが占拠している 平成11年に出来たドームは大きなものだ
「車山」山頂標柱 気象観測ドーム

 外国人の親子と思う4人が降ってきて、 「こんにちは」の挨拶をすると「こんにちは」と返ってきた。

リフトを右に見ながら鞍部まで下る
車山スキー場を降る
 なだらかになると大きなドームが見え、 その前に車山山頂の標柱が立っている。

 広い山頂はこの気象ドームに圧倒されていて、ムードは良く無い。

 以前来た時大きな展望台が有った、 その時展望台は不要と思ったが撤去した様だ。

 ぐるり見渡せるが遠くの山は全て雲の中で、近い蓼科山も見えて無い。

 二等三角点「車沢(くるまざわ)」を探すも見付からず、 何処かに埋もれている?
追記:三角点の石柱が行方不明となり、 平成20年10月国土地理院により再設された。

 少し休憩しリフト乗り場の横を通り降って行くが、段差の有る階段で歩き難い。

 本来真正面に蓼科山を見ながらの降りだが、 今日はゲレンデの先に白樺湖が見えるだけだ。

 リフト乗り場と車山乗越・蝶々深山への分岐迄降りて、左の乗越方面に進む。
車山北側の遊歩道から右手に見える
コバイケイソウとレンゲツツジの群生

 軽い登りの道を進むと、 右側コバイケイソウとレンゲツツジが群生の見応えが有るポイントに来た。

 左も少し遠いが同じ様にコバイケイソウ・レンゲツツジが咲き、 その上に車山山頂が見えここ迄歩いてきて一番の景観だ、少しで南の耳・ 北の耳に行く分岐に着く。
真っ直ぐ遊歩道が続いている、山へ登る手前に左への分岐がある
丸いなだらかな蝶々深山方面に向かう

 直進し蝶々深山方面に行く、 なだらかに降り登山口とした車山肩に戻る分岐に来た。

 その先を見ると、蝶々深山の登り手前に左に道が見えている。
車山肩と蝶々深山への分岐手前の群生
コバイケイソウとレンゲツツジ

 真っ直ぐ進み、蝶々深山の登り手前の分岐を左に曲がった、 車山湿原の西の端を歩いている事になり、湿原の先に車山を望みながら進む。

 木道を入って行くと近くにバイケイソウが咲いていて、 その先レンゲツツジが赤く車山に続いている。
レンゲツツジが群生している湿原の向こうに
車山山頂の気象観測ドーム
車山湿原のレンゲツツジと車山山頂

 ここからの景色も見応えが有り楽しめた、 左にショートカットすれば車山肩に近いが戻る道は無さそう。
緑と赤のコントラストが美しいロボコックルヒュッテ方面
車山湿原から車山肩方面

 先に進むと道は右に曲がり始め、 ガイドブックを確認すると沢渡に通じている。

沢渡手前は林の中の道となる
林の中に入って行く
 戻ろうかと思ったが、やはり新しい道に魅力が有りそのまま進む。

 右は蝶々深山の丸い山だが、そちらに登る道は出て来ない。

 谷の間を進む感じで行くと林の中に入って見晴らしは無くなった。

 花も無く風も通らず暑い、道ははっきり付いていて迷う事は無さそう。

 時々左側が開けて、スキーリフト用の塔が見えている。

 林の中は岩も無く座って休む所が無いと思っていると、 右上に二人が腰掛けられそうな大岩が有り休んで水を飲む。

 風も無く蒸し暑い、見晴らしも無い所で早々に切り上げ歩き出す。

 その先林の中に建物が見え、 車が止めて有るのを見ながら行くと舗装された車道に出た。

ユリ科「甘海老」
アマドコロ
 少し行くと降りだしたと思う間に家が見えてきた、 ヒュッテかなと見ると一般の別荘の様子。

 左奥に建物がチラッと見えて、ここが沢渡の様だ。

 車道に出る所は車が入らないよう車止めが置かれて、 一人の女性が車止めを動かし入ろうとしている。

 標識が無いので妻が車山肩への道を聞くと、 左の山道に入り真っ直ぐ登って行けば良いとの事。

 山道に入るとすぐ分岐が有るが、 ここには車山肩と書かれた指標が見られ真っ直ぐ進む。

 この辺りグンナイフウロとイブキトラノオ・ノアヤメが見られる。

 開けて来ると先程見たリフト用の塔が右奥に並んでいて、 スキー場の跡地の様子。

 真っ直ぐに登る道が続いているが道はなだらか、 一人の男性が降りてきたら両手の袋に一杯ワラビを持っていた。

 樹木は無く又一面開けた中に続く登山道は溝が深く滑って歩き難い、 両側にはロープが張られている。
フウロソウ科「郡内風露」 タデ科「伊吹虎の尾」
グンナイフウロ イブキトラノオ

 この中を歩く様にとの事だがロープを外れた所にも道が付いていた、 緩やかな登りだが疲れて来ているのかきつい、この辺り花は咲いて無い。
車山肩に戻る手前から見える蝶々深山
コバイケイソウの群落と蝶々深山

 中間辺りで岩に腰掛て一服する、 人は誰もいないと思っていると先のコブに一人男性が居る。

 コブ近くに上がると、左の蝶々深山の手前にコバイケイソウの群落が有った。
ユリ科「小梅蕙草」 山小屋のムードがあるコロボックルヒュッテ
コバイケイソウ コロボックルヒュッテ

 登り切ると直ぐ先がコロボックルヒュッテで、16時車に戻る。

 この山は何処も眺望に優れ気持ちの良い散策が出来、 山歩きとは少し違うが何回も歩きたい所でお勧め。

 車山山頂から八ヶ岳やアルプスの眺望が得られると、 又一段と素晴らしい印象になると思う。


本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
   出会った花: ・レンゲツツジ ・コバイケイソウ ・ヤマツツジ  ・ベニバナイチヤクソウ ・ニッコウキスゲ
            ・ハクサンフウロ  ・グンナイフウロ ・ノアヤメ ・アマドコロ ・サワフタギ ・シロバナニガナ


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