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三周ヶ岳
(さんしゅうがたけ)
1,292m
H21年6月15日
 8時〜16時10分
岐阜県 揖斐川町
晴れ
”ニッコウキスゲと
 サラサドウダンは
  見応え有り”
 以前夜叉ヶ池近くにニッコウキスゲの群落が見られると情報を得ていた。

 又過去二度夜叉ヶ池は登ったが、 可児からは遠いので登り始めが遅く三周ヶ岳迄は行けて無い。

登山口の大きな広場
 ニッコウキスゲを楽しみ三周ヶ岳迄足を延ばそうと、 5時30分家を出て中央道多治見ICで入り大垣ICに向う。

 時間が早いせいか6時過ぎに大垣ICを降りたが、 大垣の町を抜けるのに時間が掛かった。

 その後も駄目で揖斐川町の先から走られる様になり、 横山ダム堰堤で303号に入る。

 道の駅「夜叉ヶ池の里坂内」を見て、その内に登りたい丁子山(ちょうずやま) ・湧谷山(わくたにやま)山塊の横を通過した。

 高山谷(たかやまだに)トンネルを過ぎ川上集落の外れに来ると、 以前と様子が違う。

 前に入った所を通過すると、その先立派な新しい道が作られ303号と別れ右に入り、 直ぐ旧道に合流し舗装道を進むと、狭い道が続くが朝早く先からの車に会わず 大きな駐車場に着いた。

 車は2台止まり夫婦と思う2人と女性1の男性2人が歩き始め、 当方も8時に駐車場奥の登山口に向う。
駐車場の奥を谷に降りて行く 道は非常に良い
 今日は天気が良く暑くなりそうだ、 谷に降りると三人の方から先にと譲られたがゆっくりなのでと辞退。
ミズタビラコ ミゾホオズキ
 湿気た谷沿いの道に小さなミズタビラコの花が多く咲き、 黄色いミゾホオズキも少ないが見られ、 三人に追い着きそうになり近付か無い様ゆっくり進むと、 渓流の近くにヤグルマソウが咲いている。
ヤグルマソウ ギンリョウソウ
 直ぐ大きなヤグルマソウが咲いている、少し暗い場所だが何とか撮れた、 ヤグルマソウは花も大きいが、葉の形が花の名前の基になった特長が有り かなり目立つ。

 少し急登しその後右山の道が続く様になると、 右斜面にギンリョウソウが数多く咲いている。
美しい林となった モミジカラマツ
 なだらかな登りが続く道は単調になりがちだが美しい林が続く様になってきて、 新緑は少し過ぎ深い緑だが、こんな林の中を歩くのはとても気持ちが良い。
夜叉壁が見えてきた

 木の間に夜叉壁が見えている、 淡い緑色が付き厳めしさが薄らぎ綺麗な山容だ。

 ブナの木が多くひんやりした感じがし、 1本はかなりの太さで堂々と立ち今迄見たブナの中で一番大きい。
ブナの大木 サワフタギ

 三人の方はかなり先に行かれたのか、ずっと人に会わず静かな山歩きが続き 幽玄の滝に来た、梅雨の時期で期待したが水量は前に見た時と変わらず僅か。

 夜叉壁手前の登りに入ると先から声が聞こえてきて、 見え無いが三人の方は余り遠くは無い。
幽玄の滝 昇竜の滝

 昇竜の滝が見えてくると、夜叉壁を登っている3人が確認出来る。

イブキトラノオ
 この滝も細い流れで惜しい、 それでも周囲を草が囲み緑色で美しくなかなか良い眺めだ。

 少し水が流れている夜叉壁を登って行くが、 岩に足場が作られ大部分普通に歩ける。

 岩場にハナニガナ咲いている、 背丈が低く枝分かれも殆ど無いのでタカネニガナの様子。

 イブキトラノオやニッコウキスゲが咲く間を通り、 9時40分尾根の暗部に上がった。

 先行の三人が休まれているここは、 右に行けば三周ヶ岳で左は三国岳奥が夜叉ヶ池。

 登って来た池の叉谷を見ながら休憩していると、三人は三周ヶ岳に向われた。

 夜叉ヶ池に降りて行ったが、特に目新しいのは見られないので直ぐ戻る。

 ニッコウキスゲは三国岳方面に登ると良く見えるが、 先に三周ヶ岳にと10時急斜面に取り付いた。
タカネニガナ アカモノ

 こちらの斜面にもニッコウキスゲが咲いているが、 余り美しくは無く夜叉壁の頭と呼ばれている コブに上がると、背後の三国岳方面の夜叉ヶ丸への急登の道が見えている。

 岩の多い所にはアカモノが結構多く咲いているが、 灌木が被り気味の道に変わった。
振返ると夜叉ヶ丸が美しい 左端に三周ヶ岳山頂が見えてきたが道は半藪状態

 先には尾根続きにの最奥に、向う三周ヶ岳の山頂が見えているがかなり遠い。

 サラサドウダンがこの辺り一段と多く咲いていて、 写真を撮っていると単独の男性が登って来た。
可愛いサラサドウダンがずっと見られる

 岐阜からと言う男性は「早く登るので夜叉ヶ池迄に大勢を抜いて来た」と言われ、 こちらはゆっくりで先に行って頂く。

 前方に大岩が見えて来ると地形図で僅かな降りに見えるが、 結構降り潅木が煩く半藪状態の道。
一旦降って大岩を目指し登る 背後の「夜叉ヶ丸」

 少し険しい登りで大岩に上がった、 背後の夜叉ヶ丸と呼ばれているコブが美しい容姿で見えている。

 先程の男性が休まれ久し振りに山に来て飛ばし過ぎたか、足が止ってしまったとの事、 休んで見えるので先に進むが変わらず笹や潅木の半藪状態が続く。
ぽっかり開けた所に上がった 山頂は近くなったが叉下って登る

 暫く急登するとぽっかり開けた所に上がる、周囲見えるが特にと言う山は無く近い 「高丸」くらいだ。
高丸(黒壁山)

 叉も降って行くと笹が深くかき分け進むと、 その先今度は潅木の下を潜るようになる。

 突然ガーンと頭を打った、木がカットされた所におでこを打ってしまった、 かなり痛く心配したが切って無い様だ、 足元ばかり見ながら進んでいるので危ない。
笹を分けて進むと潅木のトンネルが待ち構える もう直ぐ山頂

 痛いなと思いながら進むと叉もおでこを打った、 今度は反対側のおでこだが衝撃は小さく大丈夫だ。

 1,252mP高丸の分岐は、 コブの左側を通過した様だが道と思うのは笹が被っている、 高丸へは笹薮が酷く積雪時しか行け無いのでは?
右側開けて見えているのは「能郷白山」の様だ

 右側開けた笹道を緩やかに進むと、 一番最初に登山口に向われたご夫婦と思うお二人が戻られ年配だと思うがお元気だ、 先には山頂のコブが見えもう少しで着きそう。

 潅木の枝を掻き分け登ると開けた空間に飛び出し、11時40分小広場の 「三周ヶ岳」山頂に着いた。
潅木のトンネルを進む 小広場の「三周ヶ岳」山頂と一等三角点「三周岳」

 平坦な山頂は中央に一等三角点「三周岳(さんしゅうだけ)」が有り、 低木に囲まれた小スペースに岐阜からの三人の方がみえるが、 周囲の木は背丈が低く日陰が殆ど無く暑い。

 三人の方の写真を撮ってあげたりし暫く休んでいると、 単独の男性が到着される。
山頂に咲いていた 「ウラジロヨウラク」 山頂に咲いていた赤みが入った 「ヤマボウシ」

 立つと少し見える北方面の山は荒島岳だろうかと言いながら暫くすると、 叉単独の男性が到着した。

ノアザミ
 三人連れが先に帰られて日陰が空いた、 そこで少し虫が寄って来るので蚊取り線香を焚き昼食とする。

 後から着かれた男性が先に帰られ、お一人を残し12時30分下山開始した。

 帰りは少し歩き易く、木に頭を当てる事も無く13時45分夜叉ヶ池に戻る。

 ご夫婦が休んで見えるので「夜叉ヶ丸方面へ行かれましたか」とお聞きした。

 「ニッコウキスゲが綺麗に見えて良かった」と言われる。

 「それでは見て置かないと」言い急な斜面を登って行くと、群落が見えてきた。

 一面にニッコウキスゲが見渡せて、素晴らしい景色が広がっている。

 三周ヶ岳山頂では疲れているので真っ直ぐ帰ろうかとも思っていたが、 ここは外せないポイントだ。
夜叉ヶ池と三周ヶ岳 ニッコウキスゲ

 反対の夜叉ヶ池や三周ヶ岳への山並みと一緒にのんびり楽しみ、良い時を過ごす。

 余りにゆっくりしていた為か降ると誰も居ない、 池の畔に3人が見えるだけで皆さん下山された様だ。
美しい「夜叉ヶ池」 ナナカマド
ナルコユリ ハクウンボク

 14時30分下山開始、新緑や花の写真を撮りながら誰にも会わず、 16時10分駐車場に戻る。

 車は1台も止って無くてバイクが3台だけだ、池の縁に居た方のバイクだと思う。

  →「登山道の新緑ハイライト」   →「秋の夜叉ヶ池の記録」

 夜叉ヶ池から三周ヶ岳迄は笹と潅木の半藪状態で一般的で無いが、 今日はサラサドウダンが咲き楽しめた。

 他の時期は夜叉ヶ池迄が良いと思う、只し澄んだ日なら眺望も楽しめるかもしれず 叉違う印象になったか?

 ニッコウキスゲの群落と三周ヶ岳を眺めるのは、夜叉ヶ丸(三国岳方面)に 上がると眺望ポイントが有る。



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本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
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     出会った花:
            ・ヤグルマソウ・ミズタビラコ・ミゾホオズキ・ギンリョウソウ ・モミジカラマツ

            ・イブキトラノオ・ニッコウキスゲ・ノアザミ・タカネニガナ ・サラサドウダン

             ・ウラジロヨウラク・ナナカマド・ヤマボウシ・エゴノキ ・アカモノ・サワフタギ


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