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夜叉ヶ池
(やしゃがいけ)
 (夜叉ヶ丸)
(やしゃがまる)
1,212m

H18年11月8日
11時55分〜16時10分
岐阜県 揖斐川町
晴れ
 ”ブナの目立つ道と
  夜叉ヶ池の景観は
 この山に登る楽しみ”
陽射しが強く眩しいくらいの紅葉
駐車場手前の鳥居辺りの紅葉
 快晴の天気に急遽山に行く事にし、 紅葉が良いとされて楽なコースだと思う「金糞岳・白倉岳」に向かった。

 8時20分多治見ICに入り大垣ICで下り258号を北上、 417号に入り揖斐川町の街に入る。

 町を抜けるのに随分時間が掛かり、 やっと303号に入るとスムースに走るようになった。

 「道の駅ふじはし」で休憩しその先横山ダム堰堤を渡り坂内に来ると、 紅葉した「丁子山」が右手に見えて来る。

 どっしりした山容で登りたくなる山、 幅広い道を先に走り川上集落に入ると狭くなった。

 分岐に来ると夜叉ヶ池の指標が立ち、 金糞岳への鳥越林道分岐を通り過ぎてしまっている。

 戻り舗装された道が右に有る所に来ると、 「鳥越林道」と書かれて「全面通行止め」の看板が立て掛けて有った。

大きな駐車場
広い駐車場の奥に登山口
 登山口の鳥越峠迄はここから随分距離が有り、 何処で止められているのかも書かれていない。

 案外通れるのかも知れないが駄目だった時は既に11時過ぎの為、 時間的に遅くさっさと諦める。

 夜叉ヶ池に変更し先程の分岐に戻り303号と別れ北に入って行く、 道は舗装され良い状態だ。

 徐々に道が細くなってきた、 記憶では幅広い道が続いていたと思っていたが狭い道が続く。

 谷沿いの道は紅葉が美しく、 所々で車が止っていて写真を撮っている人が見られる。

 鳥居に来てやっと駐車場に着くと、 大きな駐車場には6〜7台程度の車が止っているだけだ。

 11時55分痛めている左手首に安全の為添え木をして歩き始める、 周りの山の紅葉が鮮やか!

 駐車場の奥が登山口で一旦谷に降り登りが始まるが、 道は大勢の登山者が登って良く踏まれ歩き易い。
幅広く良く踏まれている 少し盛りは過ぎて茶色が強い
登山道は歩き易い道 山の斜面の紅葉

 もう紅葉は遅いかと思っていたが未だ間に合った様子で、 近くの山の斜面に日差しが当たり輝いていて美しい。
谷を渡る
少し入った所の深い谷は緑が濃い

 どんどん登って行くと、 天気は快晴で最初は寒いかと思っていたが直ぐ汗が出るようになった。
少し終わりかけの紅葉
谷を上がると光が射し眩しい紅葉を行く

 暫く登ると前方に夜叉壁が見えてきた、 この荒々しい景観は低山では珍しい光景で人気の一因になっている。
急登が終わると見えてくる
前方に夜叉壁が見えてきた

 傾斜が緩やか変わるとブナの木が目立ち始め、 紅葉・黄葉が一段と鮮やかになり目を瞠る程の美しさだ。
ブナの木は葉が落ちている木が多い
ブナの木が多い

 気温も丁度良く風も全く無い、 ルンルン気分でなだらかな道を紅葉や黄葉を楽しみながら行く。

 小さな谷を回り込むと御夫婦と思う二人が食事中だ、 半分も来ていないが時間的に既に12時30分を回っている。
大木の林で高く見上げる
紅葉を見上げる

 「二分の一」の案内を過ぎると左前方に夜叉壁がかなり近くなり、少しで「幽玄の滝」が見え落差は有るが水量が少なく滝としては貧弱で雨後に見てみたいと思う。
モミジは時々出てくる 夜叉壁が近くなってくる
真っ赤なモミジの下を 木の間に夜叉壁が見えてきた

 ここ迄は時々立ったまま水分補給はしているが、 未だ座って一度も休んでいない。

 最初は少し登りが続いたが、 その後は緩やかに登ったり降ったりで疲れを余り感じさせない道となっている。
直ぐ手前からの夜叉壁は迫力がある
荒々しい夜叉壁の近くに来た

 荒々しい夜叉壁が直ぐ先に迫る所に来ると単独の男性が追い付いてきた、ザックも持たず登山の格好をして無い人で、何かの用のついでに登って来た様子。

 我々も順調に登って来た積りだが追い着くとは早い、 先に行って頂くとやはりあっという間に見え無くなる。
谷は茶色となっている
夜叉壁の途中から谷を見下ろす

 いよいよ荒々しい夜叉壁への登りに入った。

 然し急な所は岩に階段が彫られて足場はしっかり有り、 所々に見られるロープに頼らなくても登られる。

休日なら大変な混雑だと思われる
静かな夜叉ヶ池
 下山して来る人に会いながら登り切り夜叉ヶ池に降りて行く、 降ったばかりの雪が残っていて木の階段が滑りそうだ。

 平坦な木道だが良く滑り夜叉壁よりこちらの方が恐い、 この木道は前回来た時には無かったと思うのだが?

 13時30分池際で昼食とする、 池に居た4人は木道ですれ違いに帰られ誰も居なく静か。

 福井県側の方から追い抜いて行った単独の男性が戻ってきたが、 食事をする訳でも無く暫く池の畔で佇んでいる。

 この男性も少しで帰られ又二人だけの世界となる、 暑くも寒くも無いのでのんびりと寛ぐ。

 夜叉ヶ丸方面から4人の男女が降っているのが見え、 なかなか降りられ無く急な岩場を女性が怖がっている様だ。

 左の三周ヶ岳方面も声が聞こえ、 二人の男性が夜叉壁の頭と呼ぶコブで止り景色を楽しんでいる。

かなり急な斜面を登ると見える
夜叉ヶ池と三周ヶ岳・・夜叉ヶ丸手前にて
 夜叉ヶ池を見下ろす景観が良いとされている、 夜叉ヶ丸1,212mに登る事にした。

 この山は「夜叉ヶ池山」・「夜叉丸」とも呼ばれている様で、 どれが正しい名前なのか?

 かなり前に登った時(レポ未作成)1212P「夜叉ヶ丸」、奥の1206Pは「夜叉ヶ姫」の山名板が有った。

 山の名前は「夜叉ヶ池山」・「夜叉丸」より、当時書かれていた名前がしっくり来るので採用。

 木道の階段を登り始めると大分手前の谷で食事をされていた御夫婦に会う、 「やっとここまで登ってきました」と笑ってみえた。

 尾根を右に登ると直ぐ細尾根の急登となる、 岩場は少し手を使い痛めている左手が余り使え無くて登り難い。

 前方から水中眼鏡を掛けた単独の男性が降りてきた。

「三国岳迄行かれたのですか」と言うと、 「そうです、先に行く程笹が濃くなり二度と行く山で無い」と言われる。

 三国岳は笹薮が酷いとされ、目を笹から防御の為水中メガネを掛け行かれたが、 「顔のあちらこちらが擦れて痛かった」との事。

遠くに見えている山の名前?
池の又谷
 笹の切り開きを進むと丸く切り開かれた所に来た、 朽ちた木切れが有り夜叉ヶ・・と有る。

 ここがこの辺りで一番高そうなので、 1212mポイントの「夜叉ヶ丸」だ。

 眺望は少し手前の方が良い、 尾根を進み「夜叉ヶ姫」と呼ぶ小ピークに来たが林の中で眺望は駄目だ、 前回有った山名板は見当ら無い。

前にここに来た時は木が切られていたのか、見渡せた記憶なのだが?

 妻は丁度顔の辺りに笹が来て痛いと言うので戻る事にする、 これも前回は笹は低かったと思う。

 戻る途中急斜面で左足が滑り左手を着いた、 冷やっとしたが添え木が良かったのか痛みは無い。

 池の際に戻り右に夜叉壁を降っていると前に御夫婦がいる、 奥様が恐がってなかなか降りられない様だ。

 旦那様がここに足を置いて手はここを掴んでと、細かいアドバイスをされている。
夜叉壁の中間くらい、近くには行けない 登山道の直ぐ脇にある
落差55mの分岐瀑「昇竜の滝」 落差17mの段瀑「幽玄の滝」

 単独の若者が結構な速さで登ってきた「元気だね」と言うと、 「もう一杯だと」返ってきた。
大きな木は落葉しているが低い木は紅葉
夜叉壁下の紅葉

 奥様がなかなか降りられないのでご夫婦に先を行かせて頂き、夜叉壁を降り少し暗くなってきた登山道を行く。

 登った時の華やかな紅葉とは違う、シックな紅葉も又いい感じだ。
紅葉が綺麗に見えたが写真に上手く出ていない
対岸の滝

 少し降ると登る時には気が付かなかった対岸に滝が見えていて、 その右側の紅葉が色とりどりで美しい。

 「幽玄の滝」も登った時と違った感じで見えている、 明らかに帰りの方が良いように思う。
日は翳ったが寒くはならなかった
のんびり降って行く
直接日が射していない時の紅葉
登りの時と違う感じになった

 単独の若者が戻ってきたやはり早い! こちらはしっとりとした紅葉になったのを楽しみながらゆっくり降って行く。
日が落ちると落ち着いた感じとなる
しっとりとしたムードの中を
これからの紅葉が見物
この橋迄戻ると登山口は近い

 谷に架かる橋に戻り16時10分車に戻った、 大きな駐車場にはポツンポツンと2台の車が残っていた。
池の又谷右岸は落葉している
日蔭の木は冬の様相
黄色が多いがはっとするほど鮮やかだ
目を見張る紅葉

  ⇒「夜叉ヶ池登山道の紅葉ハイライト」

 今年の紅葉は良く無いと言われているが、 それでもこの山はこれだけ見応えの有る紅葉が見られる。

 違う年に来れば素晴らしい紅葉に出会えるお勧めの山だと思う、 今度は三周ヶ岳迄行きたい。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成

   出会った花:  無し



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