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金糞岳
(かなくそだけ)1,317m
白倉岳
(しらくらだけ)1,271m
H21年6月25日
 10時40分〜14時50分
岐阜県 揖斐川町
晴れ
”金糞岳~白倉岳
  眺望が開け
 楽しい尾根歩き”
 前回の三周ヶ岳に近い山で、 未踏の金草岳・白倉岳に登ろうと8時に家を出た。

鳥越峠(とりごえとうげ)手前の登山口
 以前この山に登る為に林道入口迄行ったが、 通行止めとされ夜叉ヶ池に変えた事が有る。

 先日三周ヶ岳に行った時には何も看板やゲートは無かったので、 今日は大丈夫だと思う。

 出発時間が遅く時間が掛かり、 やっと横山ダムを通り坂内の集落を過ぎ高山谷(たかやまだに)トンネルに来て、 その先鳥越林道入口に着く。

 林道の案内らしき物は何も無いが左に入り舗装された道を上がって行く、 直ぐ人工的な物は無くなったが状態の良い道が続いている。

 かなり走った頃鋭角な曲がりも無く緩やかになり、 暫くで急カーブに変わると作業所の分岐が見られた。

 そろそろ峠が近いと思っていると、 左手に道の膨らみが有り1台京都№の車が止っている。

 5〜6台は止められそうな広い膨らみで、 右手山側に草で隠れ気味の「金糞登山道」の案内指標が有った。
草に隠れ気味の登山道の案内 木の土止め階段を登る

 10時40分木の土止め階段を登り始める、遅いスタートだがこの山は距離も 標高差も無く時間的に問題無い。

 コナスビの花やサンカヨウの紫の実を見ながら、 ジグザグに登ると少しで尾根に上がる。
コナスビ 尾根に上がると左から道が合流

 左から福井県側の登山道が合流し、ブナが多く見られる幅広い道を右に進んだ。

 左側に何の為か?パイプで高い櫓が組まれているのを見ながら、 ブナの林の中を緩やかに登って行く。
暫くブナの間の緩やかな道 コアジサイ

 少し急になるとブナの木は無くなりコアジサイが一杯咲いている、 先行の二人の男性が見えてきた。

 追い着き話しかけると、 鳥越峠の先福井県側から登ってみえた滋賀の方でグループ登山の下見に来たとの事。
ササユリ ミヤマシグレ

 先に行かせて頂くと直ぐササユリが咲いている、 写真を撮っているとご夫婦と思われる二人が降りて見えた。

ゲレンデの左貝月山、ゲレンデの右ブンゲン
 「花は咲いていましたか」とお聞きすると、 「一杯咲いていたヤマボウシとか」と言われる?

 狭い溝状の急な登りとなり、 蕾の赤が目立つミヤマシグレを見て高度を上げると開けてきた。

 かなり霞んでいるが背後にスキー場が見え、 左貝月山右のなだらかな山がブンゲンの様子。

 その右はもっと霞んでいるが伊吹山が僅かに確認出来、 その右に琵琶湖も何とか見えている。

 反対方面の顕著な鋭鋒は蕎麦粒山(そむぎやま)で、湧谷山(わくたにやま)が手前に有り蕎麦の右奥の薄く見えるのが能郷白山だと思う。

 なだらかになり11時45分広い金糞岳山頂に着いた、 誰も居ない山頂は木の背丈は低いが眺望は得られない。

 三角点は以前有ったが現在の地形図では無くなっている、 個人の方が寄贈の金糞岳の石柱が立っていた。
金糞岳山頂は広いが木陰が無い 金糞岳と掘られた立派な石柱

 この石柱の奥に行くと眺望が得られるが座ると全く見え無い、 暑いので南側の木陰で休憩する。
二つの鋭鋒が蕎麦山、蕎麦の手前涌谷山・奥が能郷白山

 然しここの日陰は一人が精一杯で、 今登って来た途中も含めて山頂近くには日射しを逃れる場所は無い。

 水を飲み休んでいると滋賀の二人が到着された、 腰を上げ先に行きますと言い11時55分奥に進む。
金糞岳から奥に向うと直ぐ白倉岳が見えて来た

 笹の間に道が続いて少しで向う白倉岳が見え、 揺るやかに降ると左側が開けて来る。
直ぐ左が開けて来る 東股谷が大きく広がる

 東叉谷の先に伊吹山が見え、右に目を凝らすと琵琶湖が大きいが写真とはならず、 澄んだ日なら気持ち良い尾根歩きが出来ると思われる、白倉岳が近くなってきた。
白倉岳が近くなると大岩が目立つ山だ 東股谷本流コース分岐の注意看板

 暗部迄降ると白い看板が有り、 「東俣本流コースは迷い易いので尾根コースで」との趣旨が書かれている。

 入口自体もかなり藪状態になっているので、現在は殆ど歩かれて無い様子だ。
大きなドームの伊吹山、右には琵琶湖が続く

 最初は緩やかに登って行くが、 降っている途中に見えていた岩に来ると険しい登りでロープも付き、 その先もう1箇所岩場の急登を過ぎるとなだらかになり、 白花を付けた木が一杯見られ「水木(みずき)」の花。
ミズキ カラマツソウ

 金糞岳から白倉岳に向って暫くでこの木が見られるようになり、 ガマズミが咲いていると思っていた。

 登山道脇に花が有ったので見ると4弁花なのでガマズミでは無い、 斜面一面に咲いている箇所が見られる。
登山道の両側に咲くカラマツソウ

 突然道の両側にカラマツソウが咲いている、 今迄見なかったがこの場所だけ群落を作っていた。

 平坦に進み少し登ると12時30分、 狭い切り開きの中央に二等三角点「深谷1」の有る白倉岳山頂に着く。
   (「深谷2」はこの尾根を南に辿った1056.5mに有り三等三角点)
白倉岳山頂は小広場 白倉岳山頂の二等三角点「深谷(みたに)1」

 立てば伊吹山方面が見えるが特に眺望が良い山頂では無く、 水を飲んで休憩し奥に道が続くので進んでみる。

 なだらかに行くと少しで次のコブに来た、 ここは一段と琵琶湖が広がっているが通過点で休む場所は無い。

ミズキの多い尾根道を金糞岳へ帰って行く
 その先は降って行く尾根が見えていて、ずっと道は続いていそうだ。

 行きたい衝動に駆られたが鳥越峠から登っているので、 同じ道を戻らなければならない。

 時間も遅く登り返しも辛そうなので戻る事にした、 白倉岳山頂は風が来なくて暑い。

 少し戻った金糞岳の暗部から急斜面を登り切った辺りが風が通っていた、 そこで昼食としよう。

 白倉山頂を通過し登山道直ぐ横の狭い場所で、 眺望を楽しみながら昼食を取った。

 時々風が止るとまともに陽射しを浴びているので暑い、 早々に切り上げ降って行く。

 この山は金糞岳から白倉岳は日陰が無いので、 暑さばての注意が必要だ。

 今日は立ち上がると風が吹き抜けて少し涼しいのだが。

金糞岳への登り返しが待っている
 先に金糞岳が大きく見えている、 きついかなと思ったが歩き易い道なので眺望を楽しみながら簡単に登り返す。

 金糞岳山頂には誰も居ない、 滋賀からのお二人は白倉岳には来られず戻られた様だ。

 休憩し13時40分下山開始、 狭い溝状の急降下をしていると犬を連れた男性二人が登ってみえる。

 神戸からと言われるお二人は三国岳に登ろうと思ったが、 夜叉ヶ池迄行ったら監視員に「犬連れては非常識だ」と言われたそうだ。

 自然保護の為に犬はNGとなっているが、 遠い所から来て知らないで登る人も居られる。

 「非常識」と迄言わず、 「自然保護の為に協力お願いします」が監視員の立場だと思う。

 明日は横山岳に登られるそうで同年代だと思うがお元気だ、 「遠くから来たので折角だからと」笑ってみえた。

 それにしても三周ヶ岳を目指さず三国岳と言うのは、 関西の山のガイドに入っているのだろうか?
ハナニガナ ヤマアジサイ

 三国岳への登山道は笹薮が酷く、良い山との評判は聞いて無いのだが!

 14時50分車に戻り、林道でニガナやヤマアジサイの写真を撮って帰る。
ニガナ
 鳥越峠岐阜県側から登ると道は総じて良く、距離も標高差も僅かで簡単に山頂に立て、 その先眺望の良い尾根歩きで白倉岳山頂に行け、足を延ばすとこの山の良さが出て来る。

 澄んでいる時に登れば手軽に眺望が楽しめる山だと思うが、 ここは可児から訪れるには遠い。



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本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
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  出会った花:  ・コナスビ ・ハナニガナ ・ササユリ ・ミヤマシグレ  ・ミズキ

            ・ヤマアジサイ ・ハナニガナ  ・アカショウマ


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