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木曽駒ヶ岳
(きそこまがたけ)「後編」
2,956m
H19年8月10日
6時55分〜15時30分
長野県 駒ヶ根市
晴れ
”山頂から馬の背は
 切り立ち眺望が良く
 アルプスを感じる道”
前編より

 木曽駒ヶ岳山頂でゆっくりし将棊頭山方面に向かう、 前方に南アルプスや八ヶ岳が見えているが少し雲が出てきた。
木曽駒ヶ岳山頂 将棊頭山(しょうぎかしらやま)方面馬の背コースへ
眺望抜群の道

 それでも眺望の良い尾根歩きは気持ちが良い、 一旦降り登ると進む馬の背と呼ばれているコースが見えて来る。
右手には伊那前岳 背後に木曽駒ヶ岳
宝剣岳と中岳

 右手には伊那前岳と右後方に宝剣岳が見え、 背後の木曽駒山頂からは大分降りて来た。

 前方の尾根のピークが将棊頭山で、その先のピークが茶臼山の様子。
奥のピークが将棊頭山

 軽いアップダウンをしながら行くと、 前に二人の女性が降っているのが見えて来る。
切り立った尾根道を行く、左「茶臼山」右「将棊頭山」

 大きく降って行くと大岩の所でどちらへ行くのか迷って、 一人が右手に進んだが戻り左手を抜けて行った。

 大岩の横を通って叉尾根に出て降り、 二人連れの女性に追い着くと同じ濃ヶ池へ降りられるとの事、我々が先に降って行くと 二人連れの女性の背後に、ご夫婦が降りて来られるのが見えている。
岩の横をすり抜ける 道は良く踏まれて明瞭

 暫く行くと先行の妻が眠い様で石の上で横になって寝ていた、仕方が無いので近くに咲く チシマギキョウやコマウスユキソウの写真を撮り待つ。

 風が有り日差しも強く上手く撮れそうに無い、 二人連れの女性が追い着き妻が寝ている横に腰掛け、 ぺちゃくちゃと話をしていてあれでは寝ていられないと思っているとやはり起きて来た。
左宝剣岳で中2,778P、右奥の木曽駒ヶ岳は遠くなった

 濃ヶ池の分岐は未だ先の様で、 結構歩き出が有り背後の木曽駒山頂は随分遠くに見える、 右下に何人かの人が居る濃ヶ池が見えているが未だ右に降りる所は無さそうだ。

 尾根を外れ右に道が付いている所に来ると暑くなった、 やはり風が吹き抜けないと蒸し暑い。
指標の有る濃ヶ池分岐 濃ヶ池へは右山で潅木の中を行く

 叉尾根に戻り少しで指標の立つ分岐に来て「濃ヶ池」と書かれた右に進む、 少し先にも指標が見えているが伊勢滝方面への分岐だと思う。

 そろそろ昼食を取ろうと思うが、 右山の道は両側低い潅木帯となっていて風が無く暑い。
左側の眺望 遠く宝剣岳と中岳、その間の宝剣山荘目指して戻る

 道は緩やかに降っているが、 良い場所が見付から無いので少し膨らみの有る所で昼食とする。

 岩が有るがそこは陽が射しているし岩も暑く少し木陰となる登山道脇で取る、 食べていると二人連れの女性で無く、その後に見えていたご夫婦がやって来た。
白山風露 深山竜胆
ハクサンフウロ ミヤマリンドウ

 大分年配と思うがお元気で先に進まれ、 二人連れの女性はどうしたのかと思いながら濃ヶ池に降って行く。

 草の中に小さなブルーの花が咲いている、近くで見るとリンドウの花だった。
蝦夷塩竃 高嶺鳥兜
エゾシオガマ タカネトリカブト

 ハクサンフウロも咲いているが一輪だけで、 白花で巴の形のエゾシオガマも見られる。

濃ヶ池
 この道は眺望は所々で得られるが、殆どは背丈少し上の潅木の中だ。

 濃ヶ池が見え、池の周りに先行の御夫婦が居る。

 池に下りるとコバイケイソウの群落が有った、 池は浅くて時期により干上がるのではと思うが?

 平坦な広場に来た、 先行ご夫婦がクロユリが咲いていると写真を撮られている。

 木曽駒に何度も来ているが、 花の百名山にこのコースが書かれ初めてこちらへ周った。

 山頂から濃ヶ池への分岐迄が以外に長かったと言われたが、 我々と同じ感想だ。

 二人連れの女性の事をお聞きしたが、 昼食を取ったので先行していると思っていたその後会っていないとの事。

 女性達は先の尾根の妻が寝ていた石の所から急降下し、 濃ヶ池に降る道が有るようなので先に下りられたかも?

 近くに二人は見られ無い、辺りはチングルマが多く 歩き始めるとヨツバシオガマも群生し花の多いルートだ。
小梅蕙草 深山黒百合
濃ヶ池のコバイケイソウ ミヤマクロユリ

 先行するご夫婦は良いペースで歩かれ見え無くなった、 この道は軽いアップダウンだがずっと右山で道が続き暑い。

 先の谷間にご夫婦が休まれ雪渓から流れて来る水を飲まれていた、 追い着き我々も不味くなった水が嫌になった所で、飲んでみると冷たくて旨い。
四葉塩竃 稚児車
ヨツバシオガマ チングルマ

 話をさせて頂くと、 お二人は何度もアルプスに山小屋泊まりで行かれてるベテランだった。

梯子を登る
 山小屋の混雑が嫌だと言うと、 少し時期をずらした平日ならそんなに混まずゆっくり出来ると言われる。

 この先登りになってきた、 見えていた左に行くのかと思ったがそちらは×がされ右に進む。

 直ぐ木の梯子が有り登って少し行くと、 大きく開けたカール状の所に上がった。

 この辺りに「駒飼いの池」が有る筈だが何処の事を言うのだろう、 少し水が張っている所が見られるが?

 カールの最上部に小屋が見え、宝剣山荘のようだが未だかなり遠い。

 ここは今迄の所と一変し背丈の低い植物しか生えていない、 風が通る道で寒いからだと思う。

 妻が大分疲れているようで休憩するとコマウスユキソウが見られ、 馬の背で見た物より綿毛が多い。

 葉や茎もびっしり覆われていて、ここは吹きさらしの厳しい環境の場所だ。
カールを登る、上には宝剣山荘が見えている

 綿毛で保護したりして水分を保つと言われていて、毛が多いのだと思う。

 近くには小さなコゴメグサが咲き、 葉先が丸いのが他のコゴメグサと違うのでコケコゴメグサ。
駒薄雪草 苔小米草
コマウスユキソウ コケコゴメグサ

 濃ヶ池に人が見えていて二人連れの女性かと思ったが、 人数がどんどん増え5〜6人となったので違う様だ。

 道はジグザグに付いて登り易いが、疲れてきているので妻がなかなか登って来ない、 先行のご夫婦に追い着くかなと思い、岩に休んで妻を待つ事にした。
宝剣山荘が近くになった 登ってきたカールを振り返る

 妻が来て一緒にやっとカールを登り切り、 宝剣山荘を見ながら乗越浄土の下山口に向かう。

 乗越浄土の下山口近くの岩に腰掛けて休んでいるとご夫婦が下山して行かれた、 この辺りは未だ人も多い。
シナノキンバイ群落地を降って行く

 下山開始シナノキンバイの群落を見下ろしながら降り、 分岐は剣ヶ池に行かず右手の近道を選択する。
ロープウエー駅直ぐ近くのコバイケイソウ群落

 ロープウエー駅直ぐのお花畑に来ると、 コバイケイソウの一面の群落が有った。

 その上部には目立た無いがチングルマの群落も有り楽しみ、 15時30分ロープウエー駅に戻る。

 天気に恵まれ眺望が楽しめ、 又初めて見る色々な花に出会え記憶に残る山歩きが出来た。

 濃ヶ池方面は気持ちが良い道が続きお勧めだと思う、 ただ思いの他歩き出が有る様に感じたので要注意、
 確かに地形図を見ると木曽駒山頂からVターン迄の距離が長く、 帰路疲れた後のだらだら登りは厳しい。

 只女性二人が降りられたと思う濃ヶ池北西の馬の背から、 急降下だが直接濃ヶ池に降りる道が有るのでは!



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
 出会った花:・タカネグンナイフウロ ・ミヤマキンポウゲ  ・シナノキンバイ ・ハクサニチゲ ・イワツメクサ
         ・タカネツメクサ ・トシマギキョウ ・ウサギギク  ・ハクサンフウロ ・ミヤマリンドウ
         ・エゾシオガマ ・タカネトリカブト ・コバイケイソウ  ミヤマクロユリ、 ヨツバシオガマ
         ・チングルマ ・コマウスユキソウ ・コケコゴメグサ


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