「黒百合・蝦夷黒百合」・「深山黒百合」   ユリ科バイモ属
「ミヤマクロユリ」    石川県白山市 白山にて (2009.8.5)
室堂平に上がると広大な平原が現れお花畑となり、中でもクロユリは多く見られ、
1箇所監視カメラが設置されている場所辺りは、びっしりと集まって咲いていた。

      山歩き記録 ⇒白山
「ミヤマクロユリ」    長野県駒ヶ根市 木曽駒ヶ岳にて  (2007.8.10)
木曽駒ヶ岳山頂から将棊頭山方面の「馬の背コース」に入ると、大きく開け眺望抜群の道を進み、
指標の立つ濃ヶ池方面にUターン気味に降り、斜面を進み池近くになると花が見られる様になる。

コバイケイソウの群落の先、先行の夫婦に追い付くと「クロユリが咲いている」と言われ見ると
数は僅かしか無いが、光の関係か黒百合と呼べ無い黄金色の美しい花が咲いて、千畳敷カール
の広範囲に広がる群落は、見下ろす位置で蕊が入ら無いが、この場所は下から写せた。

北海道と本州中部地方以北の高山草地に自生、7〜8月茎先に暗紫褐色の花を普通1個付ける。

花は茎の先に斜め下向きに付け、大きさ2〜3cmの広鐘形で花弁6枚の内側に細かい網目模様。
(ミヤマクロユリは普通網目模様が外側からも見え、花の蕊等や構造及び匂いはクロユリと同じ)

茎の高さ10〜50cmとクロユリより低く、葉は披針形2〜4枚を輪生状に2〜3段に付ける。

      山歩き記録 ⇒木曽駒ヶ岳
「クロユリ」「エゾクロユリ」    北海道厚岸郡 霧多布湿原にて (2003.6.26)
釧路湿原~厚岸に向かいあやめヶ原に行くが花は少なく、早々に切り上げ霧多布湿原に向う、
時期が早く霧多布湿原も花は無く、寒くて帰ろうとした時木道の直ぐ下にひっそりと咲いていた。

北海道のやや湿った草原や土手に自生し、6〜7月褐色暗紫色の花を斜め下向きに付ける。

花は茎先に1〜数個付け大きさ2〜3cm広い鐘形で、花弁6枚の内側に細かな網目模様が
有るが殆ど出無いのが多く、写真の通り縦線は明瞭だが横線は弱く網目に見え無い。

花には雄花と両性花が有り、雄花は黄色の葯の付く雄蕊6個、両性花は黄色の葯の付く雄蕊が
6個と先が3裂の花柱が1個で写真は両性花、花に強い悪臭が有るので時に嫌われる事も有る。

茎の高さ50〜80cm、葉は披針形〜楕円形を3〜5枚輪生し、背丈の有るのは5〜6段輪生。

「ミヤマクロユリ」は花の色は薄く網目模様がはっきりと出て花は茎先に1〜2個、本種は花の
色が濃く黒っぽい花が茎先に2〜数個付ける。

特長の中間種が有るようで、ミヤマクロユリが2倍体で本種は3倍体なので区別するのが一般的
とされるが、ゲノムの倍数性は素人には分から無いので容姿で区別して欲しい。

花の名前は花の色が暗紫褐色で黒く見え「黒百合」とし、北海道に自生で「蝦夷」が付き「蝦夷
黒百合(エゾクロユリ)」と付いた。

クロユリ・エゾクロユリと名前が両方使われ、北海道だけ自生ならエゾクロユリとすべきでは!

私の年代でクロユリと言えば織井茂子(おりい しげこ)が歌って流行った、 「黒百合の歌(作詞:
菊田一夫、作曲:古関裕而、1953年)」のドスが利いた歌声の印象が強い。



TOP 花TOP