77 | (あかんだけ) (雌阿寒岳) (めあかんだけ)1,499m |
H15年6月24日
8時40分〜15時10分 北海道足寄町 晴れ |
”噴煙もくもく 太古の世界が 目の前に広がる” | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北海道旅行に行き折角だから山も一山登ろうと、「阿寒岳」に登る事にした。 「雄阿寒岳」が容姿は良いが、 「雌阿寒岳」の方が眺望が良いとされ「雌阿寒岳」にしよう。
深田久弥は雄阿寒岳に登っているが、 雌阿寒岳は噴火で登山禁止の為登って無い。 前日阿寒湖温泉に泊まり、 翌朝は普通に朝食を取り登山口の「雌阿寒温泉」に向う。 宿からオンネトーに走り、 15分程で「国民宿舎野中温泉」と「ホテル景福」に来た。 その少し先に舗装された立派な駐車場が作られ、 20台以上は止められる。 8時40分歩き始め野中温泉に戻り、 道路沿いに登山口案内が立ち林に入って行く。 直ぐ赤蝦夷松の中に登山届ボックスが有り、 二人の男性が記帳し釧路から来た地元の人。 登山届に記帖すると既に10人程の人が山に入り、 北海道内の人が多く地元でも好まれている山だ。
8時40分登り始めた、 太い赤蝦夷松の中登山道には木の根がむき出しとなっている。 両側にゴゼンタチバナの白い花が一杯咲いているが、 岐阜の山でも見るので珍しく無い。
マイズルソウの葉は多いが花は少ない、 昨日 硫黄山近くで大群落を見た白いイソツツジも目立つ。
白い1合目の標識を見て、なだらかな登山道を登って行く。 2合目を過ぎハイマツが出てきたが、 背丈が有り這松と見えず当地独特の物なのか? ゴゼンタチバナは無くなったが、イソツツジは相変わらず咲いている。 少しずつハイマツの背丈が低くなり、 大きな涸沢を渡ると4合目に着く。 ハイマツは極端に低くなり、遮る物が無く一気に眺望が広がった。 振り返ると雄大な原生林が広がり、 右端に形の良い「風不死岳(ふっぷしだけ)」が見える。 この広々とした景色はやはり北海道独特の物だと思う、 これが見られただけでも来た甲斐が有った。
急な登山道となってきたら、 薄い紫色のイワブクロと薄いピンクのコケモモが咲いている。 その先柔らかな青色のオンネトーが見えてきたが、 一般の湖と違う色の美しい湖だ。
白いメアカンフスマが目立つ様になるがイワブクロにしても東海地方では見られない花だ、黄金色のメアカンキンバイも咲いているが、多くは見掛け無い。 釧路の二人の男性と前後しながら登っているので、 花の名前や山の名前を教えて頂ける。
広々とした眺望の得られ又風も適度に冷たく気持ちが良い、 急登だが余り疲れは感じ無い。 10時25分七合目に着くとこの辺りから殆ど樹木は無くなり、溶岩がゴロゴロしている急斜面を稜線を見上げながら高度を上げて行く。
稜線に上がって九合目に着き左に直角に曲がると、 突然パックリと口を開けた火口が飛び込んで来た。 直ぐ近くで大きな音を立て噴煙が吹き上がっていて、 赤沼と呼ばれる火口には水は無い。
こんなに間近に凄い地形が見られるとは!、 火口の向こうに端正な阿寒富士が覗いている。 歩き難い砂路の稜線を行くと、 11時10分立派な方位盤の有る雌阿寒岳山頂に着いた。
左側は太古の世界に入った様な景色が広がり噴煙も上がり、噴煙の先は雲が掛かり気味で、阿寒湖は見えず雄阿寒岳は山頂が覗いているだけ。 右側は絶壁でもう一つのお釜の中に小さな青沼と、 先に阿寒富士が見られるがガスが架掛っている。
知床方面は厚い雲で、斜里岳や羅臼岳等は全く見えて無い。 オンネトー方面からガスが少しずつ上がって来る様になって来て、 その中を登って来る人がいる。
どんどんガスが濃くなりそうの為11時30分下山開始し、 オンネトーを目指し降り始めた。 火口の際の砂路を奥に進むと、 直ぐ阿寒湖コースの分岐を左に見送り降って行く。
稜線を離れても滑り易い砂地が続く、 ガスが深くなり周囲は全く見え無いが道を見失う程では無い。 一部道が薄い所も有るので石に付けられたペイントを追いながら降っていると、 二人連れの女性が登って来た。 年配と思うが、 コースの長いオンネトーから登られるのでベテランだと思う。 然し霧に包まれていて不安気に見える。 阿寒富士に登る予定で来たが、 分岐を見過ごしたので雌阿寒岳に変更したとの事。 山頂から10分少々でここまで降りて来たが、登りは30分程掛かりそうだ。 深い霧で砂地の薄い道を見失なわ無ければよいが。 11時50分阿寒富士との分岐に降りた、 きちんとした標識が立ち見逃す事は無いと思う?
この付近からメアカンキンバイの黄色い花と、メアカンフスマの 白い花があちらこちらに咲いている。
ガスさえ無ければゆっくりしたい場所だが、 妻は不安なのかどんどん先に降りて行く。
樹林帯となってきて少し先、 一人の男性が腰掛けてバナナを食べながら休んでいた。 年配と思うが阿寒富士に登る予定で、 あちらはコマクサが多く見られると言われる。 話をしている内に一瞬霧が晴れ直ぐ近くに阿寒富士が見え、 天気は良くなる様子。 6合目に着くとガスは切れオンネトーも見え始め、 阿寒富士も綺麗に見えている。 ここから深い林の中に入る、然しこれが長くて変化が無く単調な道。 胃が痛み始め山頂辺りから少し変だったが、 キリキリとした痛みが周期的に襲って来た。 鳩を一回り小さくした感じの茶に黒が入った鳥が一羽、 7〜8m先に見え隠れしている。
まるで道案内をしてくれているかの様に長い間前に居て、 単調な降りを慰めてくれた。 花はゴゼンタチバナ・マイズルソウ・イソツツジで登りと同じ。
急な木の階段を過ぎ広い平坦な道となり、 13時50分オンネトー登山口に戻った。 何十台も駐車可能な広場に車が3台止まり、 右手立派なオンネトー国設野営場の建物が有る。 オンネトーから雌阿寒温泉間のバスは、 七月から運行との情報の為駄目だ。 キャンプ場の中を通って、 オンネトー湖畔の遊歩道を歩き雌阿寒温泉に向かう。 オンネトーから分かれ林の中軽い登りとなると苦しくなり、 何度も立ち止まりながら進んだ。 体調悪く苦しいが登りの程度は僅かで、 山登りから見ると殆ど平坦と言っていい勾配の道。 湿地帯となり木道になると直ぐに林から抜け15時10分駐車場に戻る、近いホテル景福で汗を流す(入浴料300円)、広い露天のかけ流しで硫黄臭の強いお湯だった。
予約しているのホテルに宿泊の為、ほぼ真っ直ぐ南下し釧路市内に向かう。 このコースは登って少しで眺望が開け雄大な大原野が望め、前日弟子屈の多和平から延々と続く広大な牧場を見たが、 やはりこの山からの景観にはかなわない。 山頂付近の活火山は見応えが有りお勧め、 叉オンネトーコースは高山植物が多く外せないと思う。 ⇒フップシ岳拡大写真 ⇒雌阿寒岳と阿寒富士拡大写真
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出会った花: ・ゴゼンタチバナ・マイズルソウ・イワブクロ
・メアカンフスマ・マルバシモツケ ・メアカンキンバイ・カラマツソウ・ツマトリソウ・イソツツジ・コケモモ 確認出来た山: ・フップシ岳 ・阿寒富士 ・伊由谷岳 ・雄阿寒岳(山頂部のみ) |