「次郎坊延胡索」    ケシ科キケマン属
「ジロボウエンゴサク」   岐阜県可児市 鳩吹山にて (2007.2.13)
大脇登山口から道路下の橋を渡った少し先、 分岐を左の「大脇サブコース尾根」に入って行く、
花には早い時期でノーマークだったが、 足元の草叢にジロボウエンゴサクの花が咲いていた。

本州関東地方以西と四国・九州の野原・林縁に自生、 4〜5月茎先に淡紅紫色の花を付ける。

花は茎頂花序を出し長い花柄の先5〜6個総状に付け、 花の下の花柄分岐部に楕円形苞葉
が1枚付き、花の長さ5〜6cm大きさ径1.5〜2.2cm、 正面から見ると唇形の花弁は計4枚、
外側上下2枚の上の花弁は前を向き上が凹み先は後ろに長い距となり、 左右2枚はそれより
小さくて前を向く。

茎は地下の塊茎(かいけい=地下茎が肥大し養分を蓄え塊状になったもの)から数本を 伸ばし、
細くしばしば斜上し高さ10〜20cm、葉は互生し2回3出複葉で小葉は狭楕円形 の縁は全縁、
全草が有毒成分を含むとされる。

花の名前は江戸時代子供の遊びで、菫や延胡索等距の有る花で距を引っ掛け引っ張り遊び、
先に千切れた方が負けの草相撲のような事をし、当時に「菫=太郎坊」「延胡索=次郎坊」と
呼ぶ地域が有った事でジロボウと付き、エンゴサクは本種の根を乾燥し漢方として使い、漢方
薬の名前を「延胡索(えんごさく)」と言い「エンゴサク」の名前が付けられて、「次郎坊延胡索
(ジロボウエンゴサク)」になった。

本種とエゾエンゴサクの苞葉は切れ込まず、ヤマエンゴサク・ミチノクエンゴサクは苞葉の縁や
先が切れ込み、ヤマエンゴサクの花は青紫色が多く紅紫色も有り、色では区別は出来無い。

本種は地下の「塊茎(かいけい)=地中にある茎の一部」がデンプンなどの養分を蓄え、塊状に
肥大したものから数本の茎を出し全体に細く花も細いが、ヤマエンゴサク・エゾエンゴクは塊茎
から1本しか茎が出ないので本種より花や茎等全体に太い。

      山歩き記録 ⇒鳩吹山
*ケシ科ケマン属  ・ミヤマキケマン  ・ムラサキケマン  ・ヤマエンゴサク


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