「チチブドウダン」
長野県浪合村 大川入山登山道にて (2002.6.22)
153号治部坂峠近くの登山口から登り、端正な大川入山が見える横岳を通過した先に咲いていた。
本州関東地方〜近畿地方に自生、5〜6月葉基部から出す長い柄の先に濃赤色の花を吊り下げる。
花は葉の展開後5〜10個総状に付け、長さ5〜6mmと小さい鐘形で先が不揃いに細かく裂けて、
雄蕊10個は短く見えず雌蕊(花柱)1個は花冠から少し飛び出し、蕚は広鐘形で5深裂し裂片の
先は鋭頭。
木の高さ1〜3m程になり、葉は枝先に輪生状に付き長さ2〜4cm広披針形〜狭卵形で、縁に荒い
鋸歯が有り裏面主脈に疎らに褐色の毛が見られる。
似る「紅灯台(べにどうだん)」は近畿以西に自生し、色は赤色の雌蕊は同長か少し飛び出し、葉が
狭卵形で縁に微鋸歯。
花の名前「ドウダン」は「灯台(トウダイ)」の転訛で、枝の分岐した形が昔の室内灯の「結び灯台
(三本の棒を結び足を開き上に油皿を乗せた物)」に似て、「チチブ」は埼玉県秩父地方に多く付く。
紀伊半島~山陽地方と九州に自生の「紅灯台(ベニドウダン)」を、本種と同一種とする考えも有る。
山歩き記録
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