「黒実の錦織木」 「白沢蓋木・錦織木」  ハイノキ科ハイノキ属
「クロミノニシゴリ・ シロサワフタギ・ニシゴリ  岐阜県可児市 県道にて(2005.5.28)
県道を走っていると白花が見られサワフタギだと思ったが、葉が違う様に見え車を止め写真を撮った。

本州中部地方以西の丘陵や山地のやや湿った所に自生の落葉小高木で、5〜6月頃白花を付ける。

花は本年枝の先に長さ3〜7cmの円錐花序を出し多数付け、直径8mm程で5深裂の極く小さな花
を平開し、黄色い葯の付く長い雄蕊多数がツクツクと出て目立ち雌蕊1個、萼は5裂し裂片は卵円形
で縁には毛。

木の高さ7〜8mと高くなり、樹皮は灰褐色で縦に割れ薄く剥がれ、葉は互生し5〜10mmの柄の
先に長さ4〜10cmの長楕円形で、葉の先端は少し長く尖り基部楔形で縁に細かい鈍鋸歯が有り、
葉表・葉裏共無毛で葉裏の脈に僅かに毛が見られる程度。

「耽羅沢蓋木(たんなさわふたぎ)」の実は黒く熟し、葉縁の鋸歯が粗く裏面の脈上に白毛、「沢蓋木
(さわふたぎ)」の実は藍色に熟し葉は少し薄く両面に毛が有る。

木の名前は卵球形の果実が秋には黒く熟す事から「黒実」、「錦織木」は染色の媒染剤の灰を本種で
造り「黒実の錦織木」、尚ハイノキ属は燃やすと酸化アルミニュームを多く含み、鮮やかに発色させる
効果が高く本種を媒染剤の灰に利用。

沖縄を除く日本全国の山地に自生「沢蓋木(サワフタギ)」は、葉先が丸く先端が短くちょこんと尖り、
関東地方以西及び四国・九州に自生の「耽羅沢蓋木(タンナサワフタギ)」は、葉縁に達しない葉脈が
明瞭に出て先が尾状に尖る。
*ハイノキ科ハイノキ属   ・サワフタギ  ・タンナサワフタギ


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