98 | (やけだけ) 2,455m |
H17年8月8日 6時20分〜14時30分 長野県南安曇郡 晴れ |
”噴煙と美しい景色を 見ながら山頂へ 気持ちの良い山登り” | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前日穂高の「ちひろ美術館」「安曇野絵本美術館」
「夢穂高美術館」を見て回った。 夕方に安房峠手前で息子と合流し峠を越え、 新穂高温泉に泊まり掛け流しの温泉を楽しむ。
宿から出ると正面に焼岳が見えていて、天気は良さそうだ。 旧安房峠も通れそうだが、 新安房トンネルを抜け直ぐ左「中の湯」方面に進む。 道は舗装も綺麗でくねくね登ると、 左に立派な「中の湯温泉旅館」が有った。 旅館を過ぎガードレールに10号カーブと書かれた先、 道路幅が広くなっている焼岳「新中の湯登山口」に着く。 この○号カーブは、下から順次カーブに書かれているので判り易い。 駐車スペースを心配していたが、車は2台止まっているだけだった。 片側舗装の無い所だけで10台程度止められ、 反対の舗装された道の膨らみにも数台は可能、
登山準備をしていると又2人が登山口に行く、 中の湯温泉旅館から登って来た様子。 6時20分登り始めてなだらかな道を進む、 直ぐかなり錆びた車の残骸が見られる。 上の道から落ちた様だが、 山中の為動かす事が出来ず放置されているのだと思う。 倒れている「焼岳登山道」の指標を過ぎると、本格的な登山道に変わった。 笹が切り開かれている道は、昨日の雷雨で濡れているが滑る事は無い。 急な道で高度を稼いで行くと右にチラッと穂高岳が見え、 反対の大きな山は乗鞍岳の様子。 太い木が目立つ原生林に入って来た、 立派な木が多い林は良い雰囲気で何故か落ち着く。
眺望は最初だけで、それ以降深い林の中の道が続き全く得られ無い。
足元がぬかるんだ所が次々に出て来たが、 ぬかるみは深く無いので余り気になら無い。 登ったり緩やかに降ったりしながらどんどん入って行く、 気が付くと7時15分となっていたので朝食とする。 林の中で見所が無いが、 宿で作って戴いた「おにぎり+ゆで卵」を食べた。 湿った林の中だが虫は殆どいない、 先日の御嶽山継子岳とは大違いで助かる。 7時35分再び歩き始め、暫く進むと時々硫黄の匂いがする様になった。 休憩中も後からの登山者は無く、登山道に入って未だ誰にも会って無い。 有名な人気の山で、もっと大勢の人が登っていると思っていたのだが?
少し急な登りを行くと、前方にチラチラと焼岳が見える様になり、早く全貌が見たく気が急く、山がどんどん大きくなり8時30分平坦でベンチの有る広場に着いた。
大きく開け前方に立派な焼岳がデンと構え、噴煙も上がっている。 周囲ダケカンバやナナカマドが優しい緑で包み、 青空の下に焼岳と調和良く見応えの有る景観だ。
ベンチで休みながらゆっくり楽しむ、 秋の紅葉の時期この場所は最高だと思われる。
旧の釜トンネルからの道だが、 こちらの道は登る人が少なくなり廃道化する気がする。 その先大きくえぐられた「下堀沢(しもほりさわ)」に出ると、 右に霞沢岳と穂高岳が見えていた。 然し雲が出て来たので隠れ気味で、山頂での眺望は駄目かもしれない。 先の登って行く道が良く見えている、 カール状の景色の良い所を噴煙を目指し登る様だ。 深い沢沿いに付けられている道は、 樹木の背は低く山頂方面を見ながら登って行く。 左の大きな岩山は立ち入り禁止の南峰の様子、 山頂としている北峰は何処なのか?
少しずつ噴煙が近付いて来た、 黄色いアキノキリンソウが咲き少ないがシナノオトギリも見られる。 タデの花が多くなってきて、小さなミヤマホツツジやアカモノも多い。
初めて下山して来る2人に出会った、昨日は雷雨が激しく下山出来ず焼岳小屋に泊まったとの事、「雷が怖かったが今日の山頂は槍ヶ岳~乗鞍岳迄見え早く登られたら良いです」 と言われる。
然しここから1時間は掛かりそうで、 多分雲が出て見え無くなるでしょうと言って分かれた。 花の写真を撮りながら高度を上げると、 噴煙がどんどん近くなり目標が見えていると頑張れる。
又2人が降りてきた、 山頂はどうでしたと聞くと「雲で見えなかった」と言われがっかり。
噴煙の奥に岩山が見えこの山が現在山頂とされている北峰の様子、風の関係で時々強い硫黄の臭いを受けながら尾根に上がった。
直ぐ下に水を湛えた火口湖が見え、 左は×印の南峰で山頂の北峰は噴煙の下を通る道が付いている。
大きな岩の下を通り少し登ると、中尾峠の道に合流した、この辺りは人も多く居て、中の湯より上高地からの登山者の方が多いと思う。
ザックとストックをデポしざれた岩の道を山頂に向かう、1箇所登り難い所を過ぎ、 左に黄色に変色の所から吹き上がる噴煙を見て10時焼岳山頂に着いた。
なだらかな山頂は中央に焼岳の標柱が有るだけのさっぱりとしている感じで、人も7〜8名居るだけで多く無い、肝心の眺望は雲で全く見え無い。
かろうじて霞沢岳が見える程度で、下の上高地大正池・梓川も見えてはいるが霞んでいる、中尾峠方面は青い屋根の焼岳小屋も確認出来るが、結構遠そうだ。
登る途中に会った御夫婦は昨日の雷雨は激しく、 山頂から小屋迄は木も無く怖かったと思う。
山頂に居た若者のグループが、隣の男性に写真を撮ってほしいと依頼した、女性1人を含む5人のグループは、服を脱ぎだしパンツだけと全て脱いだ者がいる。 流石に女性は脱がなかったが、 山という場所でする事とは違うと思うし撮る人にも周りにも失礼だ!
10時30分下山開始する、中尾峠方面は未だ多くの人が登って来る様子、分岐を右に大岩の狭い急な道を通り、右に火口湖を見ながら降って行く。
妻が火口湖の右に有る別の噴火口はどうなっているのだろうと言う、 微かに踏み跡が付いている。 見てこようと妻を残し息子と降りて行くが、大岩がゴロゴロして歩き難い、火口の縁迄行って覗いてみると深くて下が見えない、余り覗いていると吸い込まれそうで危険だ。
尾根道に戻り南峰の手前を左に綺麗なすり鉢状の所に入る、南峰は噴火で立ち入り禁止では無く、道が危険な為行かない様にしていると思う。 登って来る人に会いながら気持ちよく降って行き、 11時10分途中少し広い場所で昼食とした。 11時40分降り始める、タデの花も赤と白が混じって咲いていて結構美しい。
黄色い花が咲き茎に白毛が目立ち花の下が濃い茶色で、 初めて見る花ミヤマコウゾリナだ。
下堀沢との分岐に戻り景色の良いベンチで休憩と思ったが、 昼食中に先に降った先客が食事をしている。 立ったまま水を飲んで、カール状の美しい景色と別れて深い樹林の中に入った。
途中ベンチで2度休憩したが、順調に降って14時30分車に戻る。 明日仕事が有る息子と別れ栃尾の宿に直行、早くに温泉に浸かり疲れを癒した。
長い樹林帯を抜けると焼岳が眼前に飛び込んで来て、 その時の感動は得がたい物が有る。 その後噴煙を目指しての登りは眺望に恵まれ花も多く楽しい、山頂で北アルプスが見えれば、もっと素晴らしい印象になったと思うので惜しかった。
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出会った花: ・ソバナ・ジャコウソウ・ヤマアジサイ・シロバナクガイソウ・ヨツバヒヨドリ ・ヤマハハコ・コガネギク・ミヤマコウゾリナ・オヤマリンドウ・アカモノ ・シナノオトギリ・ホソバキソチドリ・ヤマブキショウマ・オンタデ・オニシモツケ |