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立 山
(たてやま)2,441m
「室堂平〜弥陀ヶ原」

H13年8月10日
8時10分〜12時
富山県立山町
曇り
”広大な高原は
  花が一杯
  気分は上々”
  前日に立山連峰を源流とする、 4段構成の落差350mが日本一とされる「称名滝」を見に行く。

 この滝は国指定の名勝及び天然記念物に指定され、 当然日本の滝百選に選定されている。

落差日本一称名の滝とハンノキ滝
左「称名滝」と右「ハンノキ滝」
 雨後のせいか「称名の滝」と、何時もは見え無いとされる「ハンノキ滝」落差497mがVの字を描いていた。

 滝の名称「称名滝」は、 法然上人が滝の轟音を南無阿弥陀仏という称名念仏の声と聞いた事に由来。

 その右には「ソーメン滝」が有り3つの滝が並んで見えるとされるが、 樹間に僅かしか見え無い。

 3本並ぶと言う程の規模では無い、 その右にも何本かの滝が落ち合わせてソーメン滝なのか?

 夜は立山駅前近くの旅館に泊り、 無色透明でぬるっとした温泉らしいお湯を楽しんだ。

 翌朝六時の朝一番のケーブルに乗り美女平に向かう。

 ケーブルはほぼ全員が座れる程度で混んで無かった。

 バスの一番は6時40分の為時間が有り美女平駅屋上に有る展望台で朝食を取る、富山方面は明るいが山の方は暗く天気は大丈夫か?

 ここからバスに乗り美女平の林の中を過ぎると、弥陀ヶ原の広大な高原が見えて来る、然し天狗平近くに来ると霧の中で全く見えず、前に来た時と同じでその時は室堂からずっと雨だった。

 7時30分室堂に着く、バスターミナルを出てみたが視界50m〜100m程度しか無い、駅舎内をウロウロしていたが、一向に天気は変わらずどうするか迷う。

室堂から天狗平の途中にて
チングルマの羽毛
 登っても霧で視界が無いと行く気にならず、 雄山は諦め花を求め弥陀ヶ原に降る事にした。

 バスターミナルの日本名水百選、 「玉殿の湧水(たまどののゆうすい)」で水を補給する。

 8時10分「ホテル立山」の裏側を左にみくりが池への散策路に入って行く、直ぐ天狗平と地獄谷の分岐に来た。

 みくりが池・地獄谷は前に散策しているので、左の天狗平方面に進む。

 視界が無く多少不安だが、 道は幅広く完全に整備されていてこれなら迷う事は無さそう。

 どんどん降って地獄谷からの道と合流した辺りから、 チングルマの羽毛(実)が出てきた。

 谷一杯に広がり規模の大きさは見事と言う他にない、花の時期は見応えが有ると思われ見頃は6月中旬〜7月中旬辺りか?

広大な弥陀ヶ原
弥陀ヶ原
 感じの良い道が続き、視界が無くても結構楽しんで歩く事が出来る。

 霧の中に小屋が見えてきて、 バス道路を横切り8時50分「天狗平山荘」に着いた。

 山荘の前を通って少し降ると、又もバス道路を横切る。

 延々と滑り止めの着く木道が続いて、 所々休憩スペースが設けて有った。

 そろそろ視界が出てきても良いと思うが、なかなか晴れて来ない。

 バスで登って来た時はこの辺り見えていて天気が悪い方に行っている?

 少しずつ視界が開け大湿原が広がり弥陀ヶ原ホテルとアーチ型立山荘が見えた。

 やはり目標が見えると安心し、気分の良い山歩きが出来る様になる。

 親子連れが登って来たが、散策路に入って初めて人に出会った。
穂躑躅 鬼下野草
ホツツジ オニシモツケ
深山唐松草 白山女郎花
ミヤマカラマツ ハクサンオミナエシ

谷の際に有り見晴らしの良い弥陀ヶ原の獅子ヶ鼻岩
獅子ヶ鼻岩
 そろそろ疲れてきて休もうと思うが、 他の人が来ても通過に困らない休憩ポイントが無い。

 10時10分やっと広く作られた所に来て休憩した。

 然しスペースが少ないので、 この作り方では登山者が多い時は休む場所に困るのではと思う。

 歩いていると少し暑いが休むと丁度良い気温で、 ザックを枕に寝転がると気分が良かった。

 前方に雄大な湿原が広がり谷の先には鍬崎山(くわさきやま)が美しい、 然し後ろの立山は全く見えず惜しい。

 再び歩き始め「一の谷」に来て、 石を削って階段が作られた急な崖状を降って行くが結構谷は深い。

 ハイキング気分で歩けると思っていたが、 鎖場も出てきて険しい箇所も一部だが有った。

 「獅子ヶ鼻岩」に着いた、 岩に登ってみると右下が深い谷となっていて足がすくむ。

 谷を登り切った所に人が休んでいるのが見えていて、 今居る岩の端にはホツツジが咲いていた。

 深い谷に降りると淡いピンクのオニシモツケや、白いミヤマカラマツが咲きハクサンオミナエシも見られ、眺望は無いが花が一杯咲き今迄の湿原とは明らかに植生が違う。

あちらこちらに有る弥陀ヶ原の餓鬼田
餓鬼田
 写真を撮りながらゆっくり降る為、 妻が先に行き盛んに早くと呼んでくる。

 谷を二つ渡り急な登りになってきて、 やっと少し登山した気分になった。

 然し少しで登り切ると、 11時丁度獅子ヶ鼻岩から見えていた休憩ポイントに着く。

 子供3人を連れた御夫婦が、この先に行こうかと迷っている。

 「結構きつい降りと登りが有る」と言うと、 時間も無いしここで止めるとの事。

 少しで餓鬼が飢えを凌ぐ為に作られた田、 「餓鬼田(がきた)」と呼ぶ地塘が散在する所に来た。

 白いイワイチョウが池の周囲に咲いているが、この花は余り目立たずオトギリソウの黄色い花が可憐だ、輝くような色のキンコウカも咲いている。

黄色いキンコウカと地塘
キンコウカと地塘
 山登りで無い服装の人に会う様になり、 弥陀ヶ原ホテルが見える分岐に来た。

 ここでゆっくり休憩して、 少しの歩きで12時弥陀ヶ原のバス停に着く。

 バスは予約制で係りの人が居た。

 予約しようとすると12時18分に有り、 席に余裕が有れば乗れると言われバス停で待つ。

 来たバスは空いた状態で乗車出来た。

 乗ると直ぐ雨が降り始め「美女平」に着いた時は大雨になっていて、 歩いている時に降られ無くて幸い。

 然しクネクネのバスの下り走行で妻は車に酔いバスから降りた時は暫く動けず、ここで又ゆっくりし妻の状態が良くなってからケーブルに乗り立山駅に戻った。

 この日は宇奈月温泉に泊り、 翌日は黒部峡谷トロッコ電車に乗り渓谷美を楽しんで帰る。
トロッコの終点欅平の黒部峡谷
黒部渓谷

 残念ながら天気に恵まれず山には登れなかったが、広大な湿原を歩くのは気持ちが良い、又色々な花に出会えて満足だ、時期をずらせば違う花が咲いていそうで叉来たい。

 若い頃5月初め室堂にスキーに来て、 帰りバスの開通している天狗平迄を快晴の中滑降した、今回余りに霧が深くその時の滑ったルートや景観が全く思い出せ無くて残念。

 注:トップに記載の立山標高は、 室堂平「ホテル立山」の電子基準点「立山A」とした。



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本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
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 ⇒「出会った花」
    ・イワイチョウ ・イワショウブ ・オニシモツケ ・オヤマリンドウ ・オトギリソウ
    ・シナノキンバイ ・ダイモンジソウ ・タカネアオヤギソウ ・タテヤマウツボクサ 
    ・タテヤマリンドウ ・チングルマ ・ハクサンオミナエシ ・ハナウド ・マルバダケブキ
    ・ミソガワソウ ・ミヤマイ ・ミヤマカラマツ ・ミヤマダイコンソウ  ・ミヤマトリカブト
    ・ヤナブキショウマ ・ヤマホタルブクロ ・リュウキンカ


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