219 | (えぼしがたけ) 2,195m |
H19年10月6日
7時20分〜15時30分 長野県 飯島町 晴れ後曇り後晴れ |
”中央アルプスが 近くに見える 貴重な展望台” | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
妻も行くと言うがとても登れそうに無く、 家に残して5時30分出掛けた。 中央道を走って行くと、天気予報は良い筈だが恵那山は霞んでいる。 飯田を過ぎると休日の為か車も多くなり、 登山口の鳩打峠の駐車は大丈夫だろうか? 松川ICで下り最初の信号を左折し県道15号を走ると、 片桐橋を渡って少し先に「烏帽子岳登山口」の案内が見られ左折した。 中央道を潜って片桐神社を見て林道に入り、 途中分岐も有るが「烏帽子岳登山口」の指標が見られる。 舗装された林道を登って行くと「水場」の案内が有り、 その上に広い駐車場の有る鳩打峠に着いた。
隣の車は男性が朝食をとっていた、 未だ食欲が無く眺望の良い小八郎岳で食べる事にする。 駐車場から南アルプスが見えるが、 霞んで仙丈ヶ岳が確認出来る程度で眺望は良く無い様だ。 7時20分歩き始め上の段に行くと、 車の陰で今からコンロを出し朝食をする人が居る。 トイレに寄っていると、 先程車の中で食べて見えた単独男性が先に登山口に向かった。 林道を少し登ると谷の向こうに山が見えている、あれが烏帽子ヶ岳か? 直ぐ先登山口に来たら詳しい案内図が有り、単独男性が見ていた。 図には烏帽子ヶ岳の先「池の平山」「念丈岳」、 降って「大島山」「本高森山」の案内が書かれている。
ここから烏帽子ヶ岳に登るだけでも大変だと思うが、 念丈岳迄行く人が多く居るのだろうか?
男性に続いて山に入って行くと、 溝状の道がジグザグに続いてアキノキリンソウが咲いていた。 少し急だが歩き易い道で、難なく尾根に上がり自然林のなだらかな道と変わる。
緩やかに登って行くと右山となり、 指標が見えてきて小八郎岳経由とトラバース道の分岐に来た、 眺望は霞んでいて駄目だと思うが、伊那谷から南アルプスが見渡せると言う小八郎岳に向かう。
歩き易い道を暫く登ると指標が有り、 右に階段状の道を急登し8時10分平坦な「小八郎岳」に着いた。 山城跡と言う山頂は四等三角点「小八郎岳(こはちろうだけ)」と東屋、 奥に大きな石碑が立ち奥に広い。
東側が大きく開け伊那谷が一望で、従って南アルプスも見えると思うが完全に霞んでいて残念! マツムシソウが咲き乱れる山頂を反対側に振り返ると、向かう烏帽子ヶ岳が鋭い山容で見えている。
ベンチが有るので東屋に入らず、伊那谷を見下ろしながら朝食を摂った。 食べ終え先程の分岐に戻り右に進むと低い笹の間の道となり、 緩いアップダウンで本道に合流する。
ここには「鳩打峠から烏帽子山頂10分の3」と書かれた紙が木に張られていた。 自然林の中に日が差し込み緑が美しい中を進むと、 笹が少しずつ深くなって来る。
松川ダム展望所と案内が有り、ダム湖が見えているが遠くて写真となら無い、 道は少し急な所も見られるが大部分緩やかに登ると10分の5と張られ、 山頂迄の行程を半分来た様だ。
その先木の間から白い崖が見えている所に来た、 これが「白ナギ」と呼ばれている崩壊地。 少し空間が有るのでザックを下ろして休憩するが、 汗びっしょりとなっている。
単独の男性が登って来た、 挨拶するとここで休憩されたがこの方は駐車場では見て無い。 小八郎岳で朝食を摂っていたがやはり私が登るのが遅いのだと思う、 地元の方で何度もこの山は登って見える様子。 登山口に有ったコース案内の鳩打峠から念丈岳迄行き、 大島山・本高森山経由で日帰り周回した事が有ると言われる。 帰った時は暗くなっていたとの事だがとんでもない健脚の方で、 追い着かれるのも当然。 山頂で会いましょうと言われ先に行かれた、 崩壊地の先に重なりが少しずれ烏帽子山頂が見えている。 未だ遠いし山頂手前は急な登りが待っていそうだ、 少し進むと左は急に谷へ落ち込む狭い道で、 それに勾配もきつくなりなかなか前に進ま無い。 登り切ると7合目・飯島ルートの案内が立っているピークに来た、 広場となっているが暗い場所。
休まず急降下し行くとなかなか美しい林が続いている、 登りになると叉崩壊した谷が望める所が有り、この辺りから登山道は厳しい所が続く。
笹や木の根や岩を掴んで体を持ち上げる所が頻繁出て来る様になり、 木の幹を持ち勢い良く体を持ち上げたら、ガーンと頭に衝撃を受ける。 倒木が急斜面で目に入らず当てたが、 突起物で無く丸い所だったので切らずに済んだが暫く痛かった。
尾根を進むと思ったら斜面を進んだりして目まぐるしく登山道は変わる、 最初に駐車場で会った単独の男性が降りてきて早い、 ガスで何も見え無いので早々に戻ってきたとの事、やはり眺望は駄目か?
ここ迄来たので山頂だけは踏んでおこうと先に進むと目の前に大岩が飛び込んできた、 テープは岩に行かず左へ付き登ると、小さな「烏帽子岩」と書かれたプレートが付いている。 登山道を離れ右に回り込むと岩の上に出て伊那谷方面が一望だが、 相変わらず霞んでいで駄目だった。 大岩が乱立する所の先に岩峰が見えている、あれが山頂か?
低くなった木々の歩き難い岩の間を行くと開け、 先程迄見えなかった甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳が確認出来た。
振り返り見ると今にも落ちてきそうな岩が乗っていて、 登れるコブでは無さそうだ。 叉平坦になり右手に上がる道が有る、この辺り道が不明瞭だが案内は無い。 右は薄いので真っ直ぐ進むと、鎖が垂れ下がっている岩の登りになる。 11時15分山頂標柱と、 二等三角点「烏帽子嶽(えぼうしたけ)」の有る山頂に着く。 (点の記は明治35年とされ、カタカナで「エボウシタケ」と「ウ」が入ったルビ) ここの三角点は埋まって無くて、 周囲に岩を置いて何とか立っているだけだった。 山頂には白ナギで会った地元の男性一人が居て、 今ガスが晴れてきて見えるようになったと言われる。 これはラッキーだ! 中央アルプスが眼前に見えて素晴らしい景色が広がっていた。
山名をお聞きすると左僅かに「南越百山」、 その右「越百山」稜線が続き「仙涯嶺」直ぐ右「南駒ケ岳」。 形良く見えているのが「田切岳(たぎりだけ)」と言われるが、 この山は初めて聞く山名だ。
右端ちらり見えているのが「空木岳」との事、 手前少し色づいた林が見えて彩りを加え見応え十分だ。
池の平山の左に出ているのが念丈岳その左は大島山、 奥にも山が見え安平路山の様だ。 ピークに見えていた男女があっという間に来たが、少しで降って行かれる。 男性二人が登って来た素晴らしいと歓声を上げた、 駐車場で朝食の準備をしていた方達だ。 一挙に賑やかになった山頂は狭いが未だ余裕は有り、 遠いが八ヶ岳も顔を出して蓼科山から権現岳迄確認出来る。 南アルプスも良く見える時は甲斐駒ヶ岳が白いのが確認出来、 一瞬南の赤石岳も見えた。 然し直ぐ霧が出て中央アルプスもそのうち全く見え無くなり、 良かったのは時間にして20分位。 後から年の離れた男女(親子?)その後若いペアが登って来たが、 その時は完全にガスの中となっていた。
地元の男性がちょっと行って来ると、池の平方面に向かわれお元気だ。
先に二人連れの男性が行き、親子と思われるペアが下っていって後に続く。 直ぐ追い着いて親子に道を譲って頂き進むと、 二人の男性が登るとき薄い踏み跡が有ると思った尾根から下りて来たが、 眺望は同じだと思うので登ってみなかった。 二人の男性はビニールの袋に入れた茸を見せて、 「これを楽しみに下るのでお先に」と言われる。 先に下って行き烏帽子岩近くに来ると男女4人が登って来た、かなり辛そうだ。 躓かない様注意しながら急降下して行くが、 木の根が滑り何度かしりもちを着きそうになる。 岩を通り抜けたつもりが足がぶつかって痛い! 裾を捲ってみると少し血がにじんでいる程度だった。
年配の男性が休憩している、 話をすると「この山は厳しいコースでここで帰ると」言われる。 然し前に登った事が有り山頂一つ手前の所迄行ったとの事、 少し若い時に登られた様で今はきつくなったのだと思う。 私は未だ地元の低山を除き未踏の山に行っているが、 その内同じ山へ行く様になった時、 以前登れた山が登れ無いと年を実感し寂しさを覚えると思う。 心情を察するといたたまれ無い気持ちになるが、 然し明日は我が身の年になっている。 白ナギ迄下り暑いので1枚脱いで休んでいたら、 この男性を含め抜いた方々皆さんが下りて見えた。 帰りは小八郎岳トラバース道を通り、 15時20分車に戻ったが誰にも追い着く事は出来無かった。 中央道松川ICを下りて近く峠迄舗装されていてアプローチは非常に良い、 上部に急登が有りこの急登がかなり厳しく、標高差1,000mの山以上の感じがする。 山頂の眺望は1級品で、眺望の利く時に登ると記憶に残る山になると思う。
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出会った花: ・アキノキリンソウ ・フクオウソウ ・シロヨメナ |