「ユリワサビ」
岐阜県関市 板取にて (2007.4.2)
少し暗い渓流に入るとネコノメソウと一緒にこの花が咲き、マルバコンロンソウと花は似るが葉が違う。
北海道・本州・四国・九州の山地の湿った林内に自生し、3〜5月茎頂に集まって白色の花を付ける。
花は疎らな総状花序を出して付け、直径8〜10mmへら形花弁4枚が十字状に付き、雄蕊6個の中央
にほぼ同じ高さの雌蕊1個で長楕円形萼片が4個。
茎の高さ15〜25cmを数本立て、葉は無毛で全体にツルツル感が有るが光沢は少なく、根生葉は
下部が膨らんだ長い柄が有り直径2~5cm腎円形~広卵円形で基部心形の縁に波状鋸歯、茎葉は
互生し下部は長い柄が有り根生葉より小形広卵円形で、縁は波状鋸歯が有り上部程小形となる。
名前にワサビと付くが、根茎は山葵(わさび)程太くならず白く短い糸状のひげ根が付き、茎や葉は
山菜とし花は御浸し(おひたし)等に利用。
花の名前は葉を揉むとワサビの匂いがし、根茎ユリの球根(鱗茎)に似て「百合山葵(ゆりわさび)」
と付いた。
実際に本種の葉や茎を食べた味が、弱めながらツーンとくる独特のワサビに似た辛味がし、冬季の
根元がユリの球根(鱗茎)に似ている。
| |