「薮 虱」    セリ科ヤブジラミ属
「ヤブジラミ」       岐阜県美山町 北山登山道にて (2003.5.4)
登山口から暫く荒れて歩き難い谷沿いの道が続き、大分入った頃沢近くの明るい所に咲いている、
撮り易い場所だが日射しが強くて絞り切れず、ボケて花がはっきりしない写真になってしまった。

日本全国の道端や野原に自生、5〜7月茎先に小さな白色~僅かに淡紅紫色を帯びた花を付ける。

花は茎先で多数枝を分け複散形花序を数個出し、更に小形花序を作りやや密に付け大きさ2mm
未満の小花が多数、蕾の時は花弁が縦に外側に2つに折り畳まれ花弁の先端のスリットの部分は
内側に折り畳まれて、先が割れた大きさが不揃いの花弁5個は先が大きく、淡紅色~白色の葯が
付く雄蕊5個。

茎は直立し高さ30〜100cmと高くなるのも有り、葉は互生し2〜3回羽状複葉の長さ5〜
10cmで両面毛が多く、羽片は細かく切れ込み先端の小葉が長く、質はやや厚く両面に荒い
短毛が有り葉柄基部は茎を包む。

果実は長さ2.5~3.5mm卵状楕円形で、熟すと淡褐色で湾曲の刺が密生し、動物に付着し
種を散らし増える。

似るオヤブジラミは葉が3回3出複葉で裂片が細かく、花色が普通淡紅紫色を帯び花柄が有り
花が込み合った感じがしないが、本種は葉が1~2回3出複葉で花柄が無く密に花が付く。

花の名前は藪っぽい場所に多く自生、熟した褐色の実に鍵状に曲がった棘が有り「虱(しらみ)」
の様に衣類にくっ付く事から「藪虱(やぶじらみ)」と付いた。

       山歩き記録 ⇒北山


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