「繁縷」 「子繁縷」    ナデシコ科ハコベ属
「ハコベ」 「コハコベ」     岐阜県七宗町 高屋林道にて (2006.6.6)
高屋は七宗の山で良く知られた納古山と違い、通好みの山で眺望とルートファインデングが楽しめ、
花は登山道に入る前の林道に咲いていて、何処でも見られる花だが良く見るとなかなか可愛い花。

北海道及び・本州・四国・九州の田畑や道端等に自生の二年草で、4~10月茎上部に白色の花を
やや疎らに付ける。

春の七草の一つで「ハコベラ」と呼ばれ、花は大きさ6~7mm花弁5個は二深裂し10枚に見え
1枚ではV字にも見え、雄蕊1~7個で花柱(雌蕊)の先は三裂し、花が咲き終わると下垂。

茎は柔らかく淡緑色で紫色を帯び枝分かれし横に伸び広がり、しばしば群落し高さ10~30cm、
葉は対生し卵形~卵円形の長さ1~2cmで縁は滑らかで両面共無毛。

似ている同属の
①「ミヤマハコベ」は花弁が萼片より長いが本種は写真の様に花弁と萼片の長さがほぼ同長
②「ウシハコベ」は茎紫色で雄蕊数10個の花柱が5裂し本種は雄蕊1~7個の花柱は3裂
③「ミドリハコベ」は茎が緑色の雄蕊4〜10個で本種は茎が淡緑色で紫色を帯び雄蕊1~7個
④「ノミノフスマ」は葉の長さが8mm程で短くて本種は葉の長さ1~2cmと少し長い

尚花の名前の植物学上の標準和名「ハコベ」で、他のハコベ類と区別の為「コハコベ」と呼ばれる、
但しハコベ属は自然交配もされ、変異が多く厳密な分類が出来なく混乱しているのが現状の様子。

花の名前の由来は明解で無く
①万葉集に有る「波久培良(ハクベラ)」が「ハコベラ」になり「ハコベ」に転訛、但し波久培良
 の意味が分かって無いとされ、漢字から「寄せる波の様に群がり茂る」と感じるのだが?
②繁縷は「はびこる」に漢名生薬名「繁縷(ハンロウ)=茎が長く連なり繁る様子」を充てたの説。

 *「コハコベ」は他のハコベ類に比べて小さい事から「子」が付く。
*ナデシコ科ハコベ属      ・ミヤマハコベ


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