「定家葛」 (真拆の葛)   キョウチクトウ科テイカカズラ属
「テイカカズラ」 (マサキノカズラ)    岐阜県瑞浪市 竜吟峡にて (2009.6.8)
竜吟峡一の滝から次々に出て来る滝を見ながら登ると、香りが漂って花弁が登山道に一杯落ちている、
白い花弁は頭上から落ちて来て、蔓性幹が岩を這い伸びて背丈の有る大岩を覆う様に枝を広げていた。

本州・四国・九州の温暖地林内自生の蔓性常緑低木で、5〜6月枝先や上部葉脇に白色の花を付ける。

花は集散花序を出し多数付けジャスミンに似た良い香りがし、長さ7〜8cmの筒状で上半部が5裂の
合弁花、大きさ径2〜3cmの高杯型で初め白色後に淡黄色に変わり裂片はスクリュウ状に捻じれ平開、
雄蕊5個の葯は柱頭と合着し黄色で花冠より僅かに低く、萼裂片は広披針形の長さ1〜3mmと短くて
反り返らず、花柄は毛が少ない。

木は地面や岩壁を這い「付着根(ふちゃくこん)=他の物に付き体を支えよじ登る茎から出る不定根」
を出し岩や木に取り付き上に伸び淡褐色〜褐色の毛が密生し、葉は対生し長さ3〜7cmの楕円形
~狭楕円形で、質は厚く光沢が有り先は三角状だが尖らず全縁、葉の裏黄緑色で緑色の葉脈が明瞭で、
地を這う蔓の葉は小さく波状の浅い鋸歯。

花後に細長い袋果(たいか)を作り、裂開し種子は銀色で髯状の冠毛を付け風に乗って飛び増える。

茎や葉・枝等全体に有毒とされ、樹液に触れるとかぶれ食べると嘔吐や麻痺を起す恐れが有るとされる。

花の名前は歌人藤原定家の墓に咲いていたので「定家」とし、「蔓(カズラ)」属の木で「定家葛」、
「真拆の葛」は古今集等の古典に出てきて、古代に使用されていた名前。

      山歩き記録 秋に登った⇒ 水晶山


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