「シュロソウ」
滋賀県伊吹町 伊吹山にて (2010.8.6)
北海道・本州中部地方以北の山地のやや日当りの良い林や草原に自生、6〜8月
暗紫褐色の花を付ける。
疎らな細長い円錐花序を出し短い花柄の先、大きさ1〜1.5cmの楕円状花弁
6個の花を茎に沿って
先迄多数付け、花序上部に両性花を下部は雄花を付け、両性花は雌蕊が有り雄花は
雌蕊が無く雄蕊6個
の長さは花弁の半分程で雌蕊(花柱)3個、花茎や花柄に毛。
太い根茎が有り茎は直立し高さ50〜100cmで、茎の基部に古い葉鞘の繊維が茶色の棕櫚状に残り、
葉は根元に集まり少数で長さ5〜30cmの披針形〜広披針形で、縦に平行脈が有り皺状で基部鞘状に
なり茎を抱き草叢に隠れるのが多い。
この写真は花が終わり先が3裂の子房が発達し、花柄や花披及び茎が共に同色の濃い紫色となっている。
花の名前はヤシ科「棕櫚(しゅろ)」は葉の基部に茶の繊維が付く、その繊維に似た物が本種の花後の
茎基部に付き「棕櫚草」と付いた。
本草は全草有毒植物とされ根茎に強い毒を含み、誤って食べると苦みが有り吐き気や手足に痺れ痙攣等
の症状が現れ、摂取量により意識不明に陥る事も有り注意。
三河地方にホソバシュロソウが自生、葉幅3cm以下(本種5cm以上)花柄が長く花序花付きが疎ら。
追: 新分類でユリ科シュロソウ属からシュロソウ科シュロソウ属に変更されようです。
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