「キブシ」
岐阜県七宗町 水晶山にて (2007.4.4)
一部舗装の無線中継アンテナ用の道路を黙々と歩く、林道と共に周りは杉の人工林で退屈だが、
所々で春の訪れを感じさせるキブシやコウヤミズキ・シロモジ等の早春の花々が咲いて楽しめた。
北海道渡島半島及び本州・四国・九州の山地に自生の落葉低木で、3〜4月黄色の小花を付ける。
花は葉の出る前に長さ4〜20cmの穂状花序を垂らし、長さ約7mmの鐘形で斜め下向きに
多数付け、雌雄別株で花弁4個の雄蕊8個の雌蕊1個、雌蕊1個は①雄花②雄花③両性化
④雌花の下記4タイプに分類。
①タイプ:雄花で雌蕊が小さくて隠れ雄蕊の葯だけが覗いて見え、花の色が淡黄色
②タイプ:雄花で雄蕊8本中4本が柱頭より長く雄蕊4本と柱頭が見え花の色が淡黄色
③タイプ:両性花で雄蕊8個と柱頭が殆ど同じ高さで両方見え、花の色は①④の中間
④タイプ:雌花で雄蕊は退化して見えず緑の雌蕊の柱頭だけ見え、花色淡黄緑色
①タイプは花期が最も早くて花穂の長さ15〜20cmと長く、一番下の写真が該当し、
②③④ タイプは①より花期が少し遅く、④は花穂の長さ3〜9cmと短く花も他より小さくて区別。
写真は雌蕊1個の柱頭と雄蕊8個が同じ高さで付いて見え、③タイプの両性花だと思われる。
蕚片4個は内側大きく外側小さい暗褐色をし、雄花は淡黄色で雄蕊が目立ち雌花は雄花より少し
小さく淡黄緑色。
木の高さ3〜5m樹皮は褐色枝は赤褐色〜暗褐色で光沢有り、本年枝は緑色又は帯赤味の緑色、
葉は互生し1〜3cmの柄が有り、長さ5〜13cm楕円状卵形か長楕円形で先は鋭く尖り基部
丸く縁に鋭い鋸歯が有る。
木の名前は果実を、五倍子(ごばいし)=付子(フシ)樹木の葉の付け根に出来る虫瘤(むしこぶ)
を乾かしたタンニン酸の原料の代用として染料に使用するので、「木五倍子(キブシ)」と付いた。
山歩き記録
⇒水晶山(七宗町)
| |