「エゾノシシウド」
北海道標津町 野付半島にて (2003.6.24)
早朝に霧の中を野付半島先端に向かい、平坦で広々とした海沿いを走ると黄色い花が目立ち、
車を止めるとセンダイハギ一面の群落で、その中に一際大きなシシウドが威張って立っていた。
北海道及び本州東北地方の海岸等に自生し、6〜8月茎先に白色の小さな花を密に多数付ける。
花は複散形花序を出し白色の5弁花30〜40個付け半球状で、その半球状集団40〜50個が
纏まって大きな半球型をし、花弁は長楕円形で先は先端が内側に反り返り、雄蕊5本は斜め方向
に長く出て先端の葯は上向きに付く。
茎は中空で太く上部で枝分かれし高さ1〜1.5m、茎と葉を繋ぐ葉柄がボート形に広がり、葉は
1〜2回羽状複葉で、小葉は10cm程の菱状卵形で時に3裂し、質は厚く光沢有り葉脈が目立ち
皺が多く縁に重鋸歯が有る。
同属「ミヤマゼンコ」は山地性で海岸には無く、逆に本種は海岸から離れた場所には生育しない。
花の名前は東北北部〜北海道に分布し「蝦夷(えぞ)」、独活(うど)に似て独活より草姿が大型
で猪が食べそうに思い「蝦夷の猪独活(えぞのししうど)」と付いた。
| |