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熊伏山
(くまぶしやま)
1,653m
H17年5月21日
10時35分〜16時40分
長野県南信濃村
晴れ
”新緑は美しいが
ロープや木を掴み
急登の連続は辛い”
 暑くなり蛭と蚋が気になり、 標高が高ければ良さそうで1,600m以上の「熊伏山」とした。

 6時45分家を出て中央高速園原ICで降り、 昼神温泉を通って153号を治部坂峠方面に走る。

ヤマエンゴサク
 峠手前浪合から左に243号に入り川沿いの狭い道を走って行く、 道は余り良く無い。

 かなりの距離を進んで和合集落に入ると、通行止めと大きく出ている。

 日曜を除いて8時30分から12時迄通行止めと書かれて、現在8時40分少し早ければ通れた。

 抜け道は無い様で153号迄15km程戻り418号に左折し天龍村に入り, 418号を北上152号に右折する。

 浜松方面への兵越峠の道を左にやり過し、 真直ぐ南下し青崩峠に向かう。

 道は舗装され走行に問題無く深い谷を右に見ながら進むと、 近くに一頭のカモシカが居た。

 作業小屋を過ぎると直ぐ右に車が3台止まっている所に来て、 ここが登山口の様子。

作業小屋の直ぐ先にある駐車場
駐車場
 駐車スペースは無く奥の少し高い場所に止めたがこれで一杯、 随分遅くなってしまったが10時35分歩き始めた。

 駐車場迄は舗装道だったが地道の林道を歩く、 直ぐ左に熊伏山登山道の案内が有るが踏まれて無い。

 ネットで調べた記憶は、 林道より階段状に登ると記憶していて入らず進む。

 左に立派な登山口指標と階段の所に来た、 この先が林道終点で広い駐車スペースが有るとの報告を見ている。

 この登山口に1台程度なら駐車可能、 階段を登ると自然林だが林の中は太陽の向きのせいか暗い。

 朽ちた丸太を並べた橋を渡るが取り替えた方が良い感じだ、公園として整備した様で樹木には名前が書かれた札が付いている。
峠は公園化されている 最初から階段状になっている
林道からの登山口 青崩峠の熊伏山登山口

 道は土止め階段がずっと続いて、 名前を知らない白い小花が時々咲いているだけで目立つのは無い。

 東屋が見えてきたが暗い林の中で休む気になら無いので通過、 神社に来ると青崩神社となっている。

崩れている石が少し青みがある為青崩と付いた
大きく崩れている
 結構登るのだと思っていると明るくなってきて、 右に崩壊が激しい山肌が見えると青崩峠に着いた。

 明るい峠で静岡県側が大きく開け展望台の様に木で床が作 られているが、今日は霞んでいて良く無い。

 小さな石像と青崩峠の案内が有り、熊伏山への階段の道が続いている。

 暑くて1枚脱いでいると、静岡県側の水窪方面から一人の男性が登ってきた。

 来た長野県側から峠迄歩いて約30分で、 反対静岡県側は峠直ぐ下迄車で入れると言われる。

 この先階段が続き帰りに膝痛が出なければと心配だ、 青崩峠は史跡の為公園化され階段が多い様子。

 崩壊地の際に登山道が付き少し登ると大きく崩れている所が見えて来た、史跡となっているくらい崩れの規模が大きく、深い谷の先遠くに尾高山・鬼面山が見えている。
青崩峠遊歩道を登り展望地点より
上村・地蔵峠方面

 青いニシキゴロモが咲いていてスミレも見掛けるが、 相変わらず目立つ花は咲いて無い。

錦衣
ニシキゴロモ
 階段は無くなり本格的な山道となった、 少し暑いが時々涼しい風が吹き癒される。

 大きな木は余り見掛け無く、ヤマツツジの真っ赤な花が咲いていた。

 急な登りになって来ると、右の崩れている谷側にトラロープが張って有る。

 谷に落ちない為か、それともこの急な登りの補助の為なのか判ら無い。

 ロープを掴んだり木を掴んだりしながら、体を持ち上げて行く。

 緩やかになったかなと思うと又急になり、 再度ロープが出て来る登りが連続しキツイ!

 3人連れの男性が下山して来てそんな時間だ、小さなチゴユリも咲くがスミレが多い。
山躑躅
ヤマツツジ

 12時10分やっと平坦になった、「崩壊地の頭」と呼ばれる所の様だ。

 南アルプス聖岳が形良く、 その左に兎岳から先の山々が続くが霞んで良く分から無い。
反射板の立っている「崩壊地の頭」にて
南アルプス 聖岳

 すぐ先に新しい反射板が立っている広場に来た。

 南側大きく切り開かれて南アルプス南部の山が見えるが、 こちらの山の知識が無く山名は知ら無い。
立坪菫
タチツボスミレ

 休憩後先に進むと今迄の様な極端な急な登りでは無いが、 それでも厳しい登りが続いた。

 大きなモチツツジの木に淡い紫の花が丁度満開、その先平坦なブナ林の所に来ると新緑が美しい。
ブナとカエデの気持ち良い道
ブナが多い尾根の新緑の道

 再度急な登りが続き休んでばかりでかなりペースが悪い、 大きな木が見えてきて主尾根に上がった。
左観音山右熊伏山
分岐に大木と案内指標

 観音山と熊伏山への分岐指標が、この大木の所に置いて有る。

 ガイドブックはここからはなだらかになると書かれているが、 直ぐ降って行き又登って行く。
群生は初めて見た「深山樒」 衝羽根草
ミヤマシキミ ツクバネソウ

 朝青崩峠で会った単独の男性が下山してきた、 我々のペースが如何に遅いか!

山頂は南アルプス方面が開けている
「熊伏山」山頂
 妻も苦しい様で「バナナを食べる」と言う、 立ったまま食べるが旨い!

 妻は少し元気になったと言っているが、登りに来るとやはり苦しい。

 大きく降り登り返す、先行の妻が「山頂だ!」と喜びの声を上げた。

 誰も居ない山頂着が13時35分だった、 天気が良く多少遅くても帰りの不安は無い。

 立派な一等三角点「熊伏山(くまふせやま)」と丸太ベンチが有る。 (山名の読みは「くまぶしやま」とされるが、 点の記は「くまふせやま」とルビ)

 山頂は小広場で、先には「平岡」への登山道がはっきりと付いていた。

 北方面切り開かれ南アルプス南部の光岳から北に続く山々が直ぐ近くに見え、霞んでいるが雪が残る聖岳とその左兎岳は確認出来る。
南アルプス兎の左大沢か?その右に大きな山が見える
南アルプス  中央が「聖岳」で左は「兎岳」 右が「光岳」だと思う

 左にずっと白い山が見えるので、空気が澄んでいれば南アルプスの 名立たる山が楽しめそう。
光岳より右に山が続くが知識が無く同定出来ない
南アルプス聖岳より南部の山

 疲れているのでゆっくり昼食をしていたが、やはり誰も登って来ない。

大きく切り開かれていて休憩に良い
反射板広場
 14時40分下山開始、少し行くと単独の男性が登ってきて、 「山頂はもう直ぐですか」と聞いてきた。

 分岐から登り返しが2〜3回有る為、やはり皆つらいのだと思う。

 「この先の急な降りの先を登りきれば山頂ですよ」と答える。

 14時55分分岐に着き降りは早い。

 ブナ林を過ぎ15時25分反射板に戻り休憩、 近くに大きな蝮草が目立つ。

 急斜面の降りに入るが、難なく通過。

 崩壊地の遊歩道に戻ると大きな木に桃色と白が混じった花が咲いて、 ズミの様子。

 この花は下から見ても殆ど目立たず、気が付かずに登って行った。

幹の感じがマムシに似ている「蝮草」
マムシグサ
 木の上から見ると結構綺麗な花が咲いているが、 写真の撮れるアングルは無かったのが惜しい。

 16時15分峠に戻り階段状の遊歩道を降る、 膝が心配だったが大丈夫の様だ。

 夕方になり光の関係か辺りの新緑が一段と綺麗に見える。

 トチの大木を見上げると立派な葉が光を通して美しい、 眺めていると最後に会った単独の男性が降りてきた。

 かなり疲れて16時40分車に戻る。

 帰りは418号を天竜に戻り、 秦阜村に北上し151号に入って昼神に行く。

 途中温泉施設も有ったが、 入っていると暗くなり不案内な土地を走るのは避けたい。

 昼神温泉「ゆったりーな昼神」入浴料500円で汗を流す、 時間的に遅いせいか空いてゆっくり入る事が出来た。

 湯は以前入った「国民年金保養センターひるがみ」の方が、 昼神温泉らしいお湯だと思うのだが?

 ただ施設は「ゆったりーな昼神」が、新しいし充実している。
肥後草 山鍬形
ヒゴクサ ヤマクワガタ
車葉草 深山繁縷
クルマムグラ ミヤマハコベ
帰りは日が射し込み一段と新緑が美しい
新緑が美しい東屋付近

 深い山の中にどっぷり浸かるのに良い山だが、急登の連続はきつい。

 紅葉は素晴らしいと思われ、 南アルプスの眺望と一緒に楽しむと良い山だ。


本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
出会った花:  ・マムシクサ ・ネコノメソウ ・クルマムグラ ・ミヤマハコベ ・ヒゴクサ
          ・ヤマクワガタ ・ミヤマシキミ ・ツクバネソウ ・ヤマツツジ
          ・タチツボスミレ ・モチツツジ


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