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鬼面山
(きめんざん)
1,889m
H17年10月9日
9時25分〜15時20分
長野県上村
曇り時々晴れ
”静かな山の中で
歩き易い道が続き
 山歩きが楽める”
 今日は珍しく妻と息子の3人での山歩きだ。

 6時40分家を出て中央道を飯田インター迄走り、 三遠南信自動車道矢筈トンネルに向かう。

キク科富士薊
フジアザミ
 トンネルを出て直ぐ、大鹿村としらびそ峠への分岐をUターン気味に右に入る。

 この辺りから道沿いに大きなアザミが目立ち「フジアザミ」だ、 又マムシグサの赤い実も多い。

 どんどん高度を上げて行くと、 右シラビソ峠左大鹿村の分岐に来て左に取る。

 ここ迄は前に来ているが、右のシラビソ峠に行ったので左は初めて走る道。

 2斜線の良い道が続いている中、 所々段差に注意の看板が見られるが走行に殆ど問題は無い。

 地蔵峠に行くので登ると思っていたが、道は逆にかなり降って行く。

 少し登っていると思うと直ぐ、地蔵峠と大鹿村の標識が立つ峠に着いた。
峠と言っても余り高いところではない お地蔵山への案内はあるが、鬼面山は手書きで書いてある
地蔵峠 鬼面山登山口

 ここ迄来るのに随分時間が掛かり遠い、 峠近辺に車が見当たら無くこちらからの登山者は無い様子。

振り向くと端正な尾高山
尾高山
 峠の少し先の道の膨らみに車を止めるが2台程しか出来ない、 只峠の手前も駐車スペースは有ったと思う。

 太陽が出てきて山頂での眺望に期待しながら、9時25分歩き始めた。

 直ぐお地蔵さんが祀られていて、塩の道とされ旧道が薄く残っている。

 地蔵峠の名になった当時の名残りの様で、 お供えは新しく今も守られていた。

 左は低い檜の植林右は自然林の尾根道を進む、 少し登ると小さなブリキ小屋が登山道沿いに建っている。

 煙突も付き使われている様だが中は汚れていた、 登り始めて10分強だが道路から近いが必要?

 この辺りは冬季かなり寒くなると思うので、 作業中の寒さ対策として暖を取る為の小屋か。

尾高山の左に見える
奥茶臼山?
 急な登りが続くが道は良く踏まれて歩き易く、 両側とも自然林となったが紅葉には早く逆に緑が美しい。

 背後に立派な山が見え、 位置から「尾高山(おだかやま)2,212m」の様子。

 林の中となり緩やかになったり急になったり、 緩急を繰り返し高度を上げて行く。

 背後が再び見え尾高山の左は奥茶臼山? 暑くなり汗びっしょりとなっている。

 道がザレて来て、ここの岩石は崩れ易い様で砂に近くなっていた。

 その先狭く切り立った所に来たが、危ないと言う程では無いので難無く通過する。

 左奥遠くに見えるのは恵那山の様だ、それにしても遠く小さい。

 続いて登山道が狭くなっている所に来たが、ここも特に危険では無かった。
危ないと言う程では無い
崩れた細い道
南が開け遠くに恵那山が見える
中央奥の少し右は恵那山

 背中から太陽が当たり暑いので、帽子のひさしを後ろにして登って行くがずっと尾根道でほぼ真っ直ぐに登る為、勾配の割りに急な所が多く出てくる。

 只しなだらかな所との繰り返しで緩急が有り、一息つきながら登る事が出来る道。
尾根の緩やかな道は心が休まる
気持ちが良い道

 深い森となりブナの大木も多く気持ちが良い、 カエデも有り紅葉の時はさぞ見応えが有りそうだ。

 途中標識は全く出て来ないが、尾根道で道は明瞭に付き戸惑う所は全く無い、下りに来て最低鞍部迄降りると、一段と森が深く木立の間から日が射し込み美しい。
最低鞍部は太いブナの木がある
カエデからこぼれる光

 再び登りに掛かると、単独の若い男性が降ってきた、地蔵峠に車は止まって無いので、 おかしいと思いながら「速いですね」と話しかける。

 反対の虻川林道から登ってきて、こちらの様子見に降っているとの事で元気だ、昨日の雨で道は濡れていて腰掛けて休む所が出て来ないので、シートを敷いて休憩する。
最低鞍部から又きつい登りが始まる
ブナの木を見ながら登る

 地形図で確認すると後150m程の登りが残っている、もう少しの頑張りで良さそうだ、急登が続くが歩き易い道で、歩幅を小さくしながら登る事が出来て助かっている。

 背後から先程の男性が戻って来た、 「何処まで行ってきた」と聞くと「ザレた崩壊地」と言い速い!
山頂には立派な木の櫓が作ってある 一等三角点は大きく立派だ
「鬼面山」山頂の櫓 一等三角点「鬼面山」

 妻が未だかと悲鳴を上げ始めた頃、余り左に曲がる感じが無く道は緩やかになり、少しで木の櫓が見えてきて12時05分「鬼面山(きめんざん)」山頂に着いた。

 大きな展望台の手前に、 一等三角点鬼面山(きめんさん)が堂々と有る山頂は余り広く無い。
 (山名は「きめんざん」で「ざん」と濁るとされるが、点の記は「きめんさん」で濁らない)

延々と続く山波から深い山だと実感する
山頂から雄大な景色が見える

 前方伊那谷方面が開けているが雲で中央アルプスは確認出来ず、薄く飯田の町が見える程度、若い男性が一人混じった中高年の男女計5人が居て、山頂に着いたばかりでザックを下ろす所だった。

 虻川林道からの道は荒れているし急登できつかったと言われる、地蔵峠からはどうだったかと聞かれるので、「ずっと尾根道で登り易い良い道ですよ」と答える。
中央左恵那山 南アルプス南部、光岳、池口岳方面の山
恵那山方面 南アルプスはうっすらと

 予定よりかなり時間を要した様で、 早く下山開始しようとリーダーらしき人が言っていた。

山頂の木は一部紅葉している
紅葉の木
 櫓の上に登るも背面の南アルプスも雲の中、南の「光岳(てかりだけ)」辺りの山並みが薄く見え右の恵那山は雲が掛かりつつ有る。

 櫓の上は風が強く汗が冷えて寒い、下りると丁度良い気温。

 昼食を取っていると地蔵峠方面から夫婦と思う2人が登ってきた、 山頂は合計10人となる。

 5人組が下山し直ぐ2人も居なくなり、 我々だけでゆっくりコーヒーを飲みながら寛いだ。

 13時20分下山開始、 滑り易い所が時々有るが全般的に歩き易い道でどんどん降って行く。

 然しこれが長く歩くのが嫌になってくる、休みながら降りざれた箇所に来た、 降りが苦手な妻は慎重に通過したが怖さは無いと言っていた。

 この辺りから左の膝が痛み始める、最近膝は痛くなって無かったのに?
中腹より少し下から見える山の斜面
紅葉しかけた山の斜面

 騙し騙し降ると作業小屋が見えてきて、15時17分登山口に戻る。

 車やバイクが結構通っている、 1台の車が止まり「何処に行ってきたか」と聞いてきた。

やっと下り満足
下山して憩う
 「鬼面山に登ってきた」と言うと兵庫から来たと言い、 男性が若い時に自転車で来た事が有り今回夫婦で旅行している。

 今日は下栗に泊まると言われ、日本のチロルとして深い谷に家が点在する 下栗の里の風景を奥様に見せたいのだと思う。

 帰りはしらびそ高原に行き、展望風呂に入る(入浴料500円)。

 3階の風呂からアルプスが見えるのが売りで、 男性風呂からは南アルプス方面だが今日は大沢岳の下の方しか見え無い。

 女性の風呂は反対側なので、中央アルプス方面が見えると思う。

 休憩所から中央アルプス手前に連なる、 鬼面山中心の山並みがシルエットで見えていた。

 この山は最初から尾根道で分かり易く迷う心配は無い、 雪が少し有っても楽しめるのではないか?

 登山道が自然で気分良く登る事が出来、 新緑や紅葉の時期は印象に残る山歩きとなる良い山だ。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
    確認出来た山: ・恵那山 ・尾高山 ・奥茶臼山


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