「山 梨」      バラ科ナシ属
「ヤマナシ」      奈良県御所市 葛城山にて (2001.4.30)
宿を葛城山山頂ロッジに予約ロープウエーで山に上がり泊り、明朝ロッジ近くを散歩するとヤマナシが
咲いていたが、葛城山山頂南側斜面の一目百万本とされるヤマツツジは、開花少し前の状態だった。

本州中部地方以南及び四国・九州の山野に自生の落葉高木で、4〜5月枝先に白い五弁花を付ける。

花は短い枝先に散房花序を出し、3~5cmの小花柄の先に5〜10個を付け、大きさ2.5~3cm
の花弁5枚で、雄蕊約20個の葯は紫色を帯び花柱5個は離生し基部無毛、萼は5裂し萼裂片は狭卵形
で縁に線状鋸歯が有り、萼の内面に褐色の綿毛が密生。

木は雌雄同株の落葉高木で、高さ10〜15mとなり広く枝を広げ、樹皮は灰紫黒色で若枝は褐紫色の
楕円形や円形の皮目が見られる。
葉の長枝は互生の短枝束生し、葉は長さ6〜18cmの卵円形〜卵状長楕円で表面濃緑色で側脈は10
〜15対有り、裏面淡緑色で縁は芒状細鋸歯が有り先は長鋭頭で、小枝は刺状になり易い。

果実は径2〜5cmの小形梨状果だが、表面黄褐色に熟しても白い果肉は硬くて渋く食用とならない。

木の名前は万葉集に「妻梨の木(つまなし)」と表現、実の頂部が凹むのを端(ツマ)無しと言い、妻無し
に掛け無し(梨)が残り、山野に自生で「山梨(やまなし)」と付くが有力、本木が栽培梨の原種とされる。


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