「天人草」    シソ科テンニンソウ属
「テンニンソウ」       滋賀県米原市 伊吹山にて  (2008.8.14)
伊吹山の山頂部の東遊歩道を下ると群生していたが、写真の通り花も葉も色合いが悪く美しさは感じ無い。

北海道及び本州・四国・九州の山地や草地に自生し、茎の頂部に淡黄色の花を付けしばしば大群落を作る。

花は直立の長さ5〜10cmの花穂を出し、唇形花を密に付け下から咲き上がり、長さ8mm程の筒状
で上2裂の下3裂し腺点と細毛が付き蕚は筒状で浅く5裂、花粉の付く雄蕊4個と先端2裂の雌蕊(花柱)
1個は花筒から出て、雄蕊4個は2個ずつ長短有り。

花の各段の下に広円形で先が尾状に尖った苞が有り、早落性(そうらくせい)で開花すると苞が落下する。

茎は高さ50〜100cmと高くなり、草の上に出て一面に咲いて目立ち、葉は対生し柄が有り長楕円〜
広披針形の長さ10〜25cm、先は尖り基部が楔状で縁に鋸歯。

花の名前は穂状の蕾の状態が顔のように見え、この世の物で無い異様で天人に見立て「天人草」と付くと、
天人は天花(てんか・てんげ=天上界に咲く霊妙な花)を撒き散らしながら天空を飛ぶとされ、本種の苞
が開花すると落下するので「天人草」と付くの2説が有るようだ。

葉裏の中脈に開出毛(立った毛)が多いのを「フジテンニンソウ」としているが、毛の多い少ないの程度
を何処で区分けるのか?伊吹山のはフジテンニンソウとされ、開出毛以外に違いが無く分類は疑問が残り
表題は「天人草」とした。


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