「白鬚草」   ユキノシタ科ウメバチソウ属
「シラヒゲソウ」     岐阜県恵那市 大正村明智の森にて (2006.10.14)
今日は土曜日で混雑していると思ったが、三人の方にお会いしただけでゆっくり白髭草の写真が撮れた。

本州・四国・九州の山地の沢沿い等湿った斜面に自生、8〜10月花茎の先に白色の花を1個咲付ける。

根茎から3~8本高さ15~30cmの花茎を伸ばし花を付け、大きさ2〜2.5cmの5弁で、花弁
5個は基部細く先が幅広く広がり糸状に細かく裂け、先が三岐の花粉の無い仮雄蕊5個は、先端に黄色
の小さな腺体が各3個の計15個が円状に並び虫を誘い、中央に太いビン型花柱(雌蕊)1個が目立つ。

3枚目の写真の通り萼裂片は卵形の長さ4〜5mmで、先は丸く緑色で5個。

茎は四角で高さ10〜30cm、葉は根性と茎葉が付き根生は根から葉柄を伸ばしハート型の葉を付け、
茎葉は円心形の無柄で茎を深く抱き3〜8枚付ける。

花の名前は白い花弁の先が糸状に細かく裂け、人の白い鬚に見える事で「白鬚草(しらひげそう)」。

白鬚草の「ひげ」は髭=口の周囲・鬚=顎(あご)・髯=頬(ほほ)と使い分け、本種の髭に見える
部分は花の外周で、顔で一番近いと思われるのは頬のヒゲより顎のヒゲの方が長く伸びているイメージ
が有り、「鬚」の字を使うのが正しいとされる。

花の真ん中に柱頭が3つに裂けたビン型花柱(雌蕊)が見られ、外側に10本の雄蕊が付き5本には
葯が有る(本写真では役目が終わった為か葯は見当らず、見ずらいのか花糸も確認が出来無い)、
残る5本は先が3つに裂けた仮雄蕊で、先に黄色の玉15個を円状に付け虫を誘う。

似る「大白鬚草(オオシラヒゲソウ)」は、秋田県から兵庫県の日本海側山地等に分布して、花の径が
3~3.5cmと大きいとされるが未だ会えて無い。


TOP 花TOP