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戸倉山
(とぐらやま)
伊那富士 (いなふじ)
1,681m
H16年11月2日
8時15分〜13時40分
長野県駒ケ根市
晴れ
”眺望・紅葉・登山道
   全て良し
  低山の名山だ!”
 5時30分家を出るが、霧が深くゆっくり走って行く。

 中央道に入り瑞浪辺りに来ると、 少しずつ霧は晴れてきたが未だすっきりしない。

この看板の手前に大きな駐車場
キャンプ場入り口
 天気は駄目かと思いながら2ヶ所のサービスエリアで休憩し、 駒ヶ根ICで下りた。

 天竜川を渡り49号を長谷村方面に取り、 何処で左に曲がるのかと注意しながら進む。

 分岐に来ると右陣場形山の案内を見送り、 その先戸倉キャンプ場の案内が有り左に入る。

 ここからは戸倉キャンプ場の指標が随所に有り、 迷うことなくキャンプ場に着いた。

 「戸倉キャンプ場」の縦看板手前に、 10台以上止められる駐車場が有り車は1台も無い。

 明るくなった空に期待し、色付き始めた紅葉を見ながら 8時15分キャンプ場の中を歩き始めた。

 キャンプ場を出ると直ぐ右に曲がり、沢沿いに幅広い道が続いている。

紅葉し始めたキャンプ場内を進む
 少し行くと堰提の有る所で沢と分かれ、 左にジグザグの急登が始まった。

 桧林で暗いが、良く整備され歩き易い登山道。

 土止めの階段状の所も有るが一気に登り、 尾根に上がると桧は少なく唐松林で明るくなる。

 唐松は紅葉が今一で気候のせいか、それとも台風の影響なのか?

 唐松が少なくなり自然林となってくる頃、 大きな赤松が少し離れて二本立つ所に着いた。

 西斜面で光が入って無いが紅葉が綺麗だ、未だ眺望は開け無い。

 少し登ると右側が開け、大きく中央アルプスが飛び込んできた。

 左の越母山から空木・宝剣・木曽駒ヶ岳迄が綺麗に見えている。
「中央アルプス」南部の山

 ただ中央アルプスは余り山の凹凸が無く、 離れた場所からは一つの大きな壁のようで見栄えがしない。
「中央アルプス」北部の山

 その先にミツバツツジ自生地の大きな案内が有り、 登山道脇にもミツバツツジの木が多く見られた。

 「馬止の松」と木に嵌め込んで有る大木に来ると、 ベンチも有り座って休憩するが天気は良さそう。
馬止の松とベンチ 紅葉が綺麗になってきた

 眺望は無いが一段と紅葉が素晴らしくなり、気分が良い。

尾根の展望台に来ると中央アルプスは雲が出てきた
 尾根近くなると日射しが入り暑くなってきた。

 ジグザグにどんどん登って行き、 5合目の案内を過ぎて直ぐ左に曲がる。

 又唐松が多く紅葉は見られなくなり、 少しで「上ノ森コース」合流点に着いた。

 尾根道を行くと6合目案内が見られ、直ぐ上の左が開け展望台が有る。

 中央アルプスが見渡せ3基ベンチが置かれ、 汗を拭い蜜柑を食べながらゆっくりした。

 下の所で綺麗に見えていたが、 今は宝剣岳に雲が掛り叉里の方は殆ど見え無くなっている。

 緩やかになった登山道を行くと右にロープが垂らされ、 「滝に下りる時は・・」後ろが意味の分からない案内が有った。

 注意しなさいとの事だと思うが、 谷は深く滝迄は大きく降りなければならない様子。
猿の木 天狗伝説の岩

 「猿の木・天狗伝説の岩」の案内を過ぎ暫く行くと、10時大きく開け明るい広場の 「金名水」に着いた。

 東屋が有り塩ビパイプから水が出て飲むと冷たいが、普通の水で金名水の名前程旨いとは思わ無いが?
東屋の有る「金名水」 西峰コブの下には不動さんや祠

 山の斜面に日が射し唐松の紅葉が美しい、 ここから急登が始まり息が切れなかなか進まない。

 10時30分やっと山頂(西峰)に着く、 駐車場に1台も車が無くやはり誰も居なかった。
コブ下の広場に立つ山頂標柱 西峰コブにも戸倉山の看板

 正面に不動明王像や祠が有り中央は少し高く樹木でこんもりとし、西側に「戸倉山山頂」の立派な標柱が立ち、コブに上がると木の根元に「戸倉山」の山名板が有った。

 この西峰には三角点は無く、 地形図の戸倉山印字も東峰に入っていて山頂では無いと思う。
北部南アルプスが近い
左に「仙丈ヶ岳」と右「北岳」が近い

 一部樹木が邪魔するが南アルプスがずらりと見渡せる、 近い仙丈岳とその右北岳が美しい。
北部南アルプスが近い
南アルプス「白峰三山」   左から「北岳」「間ノ岳」「農取岳」

 北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山は少し冠雪、 その右塩見岳が独立し綺麗なラインを引いている。
塩見岳が美しい
南アルプス 「塩見岳」   「二児山」(右手前の黒い山)

 中央アルプスは駒ヶ根の町から先の木曽駒ヶ岳を中央に全て見える、 然し一段と雲が多くなり良く無いが山頂らしい雰囲気が有り、又静かで気持ちが良いのでゆっくり楽しむ。

 ザックをデポし三角点の有る東峰に向かう、 ガイドブックは眺望が得られ無いとされているが。
小さな避難小屋横を通過する 東峰山頂の薬師如来像

 少し降ると避難小屋が見えてきて4畳半程度の小さい小屋、 緩やかに登り返すと東峰山頂に着いた。

 新しい薬師如来像が鎮座され、後ろに一等三角点「戸倉山(とくらやま)」が有り 小広場となっている。
 *山の名前は「とぐらやま」(ぐ)と濁るとされるが、点の記では「とくらやま」(く)と濁らない
見応えある鋸岳と甲斐駒ヶ岳
「鋸岳」と「甲斐駒ケ岳」・「仙丈ヶ岳」

 正面に鋸岳が荒々しい姿で迫っている、その右甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳だ。

 大きく開け入笠山方面迄見え、山間の山は八ヶ岳の赤岳の様だが? 樹木を伐採し眺望が利く様にした様子。
見応えある鋸岳と甲斐駒ヶ岳
「鋸岳」と「甲斐駒ケ岳」アップ

 他の方面は見え無いが、こちらも素晴らしい山頂だと思う。

 西峰に戻ると単独の男性が居て「良い山ですね」と言っている、 「東峰も良いですよ」とアドバイス。

 ここには三角点が無いのでおかしいと思っていたと、 やはりザックをデポし東峰に向かわれた。

山の斜面の紅葉
 南と中央両アルプス(北も一部)の絵と、 山名が書いた案内図が有り同定に助かる。

 単独の男性が戻られ昼食を取りながら色々な話をする、 先週須原近くの糸瀬山で熊に出会ったが幸い熊が逃げて行ったとの事。

 男性は「去りがたいね」と言い下山して行かれ、 雲が多くなってきて眺望は悪くなった。

 12時30分下山開始2時間山頂に居た事になり、 如何に居心地の良い山頂かが分かる。

 山頂下の急坂に来ると女性2男性1人が来た、 一番苦しい所で特に男性が喘いでいた。

 金明水を過ぎ滝の下り口もそのまま登ってきた道を戻り、 展望台も休まず一気に降る。

 尾根から右に自然林の中に入ると行きとは違い、 紅葉に光が入り非常に美しく唖然とし立ち尽くす。

 余りの素晴らしさに下山する気がしないが、 立ち去りがたきを断ち楽しみながらゆっくり降った。
何時までもいたい気持ちになる
美しい紅葉

 馬止めの松から下は紅葉も少なくなり、 どんどん降って13時40分車に戻る。

 木曽駒ヶ岳登山口の、駒ヶ根高原「こまくさの湯」(入浴料500円)に行き汗を流す、 露天風呂からは
 宝剣岳が見える様だが、今日は雲の中。

 帰りに駒ケ根インターに向かうと、 夕日を浴びた大きな戸倉山が見えていた。

 この山は登った後味が非常に良い山で、 「登山道」・「眺望」・「紅葉」三拍子揃った山。


    ⇒戸倉山の紅葉


本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
  確認出来た山: ・鋸岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳・塩見岳 ・鹿島槍ヶ岳

             ・ニ児山・経ヶ岳・木曽駒ヶ岳・宝剣岳・濁沢大峰 ・檜尾岳・熊沢岳

             ・空木岳・南駒ヶ岳・越百山・池ノ平山


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