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三ノ沢岳
(さんのさわだけ)2,847m
宝剣岳
(ほうけんだけ)2,931m

H14年10月11日
8時30分〜16時10分
長野県駒ヶ根市
晴れ
”美しい景色を
  見ながら
 静かな山歩き”
 折角の平日休みで混雑で敬遠の、 駒ケ岳ロープウエイで登る「三ノ沢岳」に行く事にした。

千畳敷カール
 脚力が戻っていない為不安は有るが、 ガイドブックによると片道2時間半とされてる。

 5時10分家を出て中央道を走り、 駒ヶ根ICで下り山に向かうと宝剣岳が見えていた。

 6時30分バス乗り場に着くと、 大駐車場は未だ10%程しか埋まっていない。

 然し7時の一番に乗る為60〜70人程並んでいたが、 臨時2番バスが出て直ぐ乗車出来た。

 以前夏に乗った時は満員で立って行ったが、 今日は補助席の使用迄としている。

 7時45分「しらび平」に着くがロープウエイ始発8時で、 一番のバスの人が待っている後ろに並ぶ。

 ぎりぎりで一番のロプウエーに乗車出来た、 山肌は紅葉が盛りで赤・黄・緑が混じり美しい。

 ロープウエイ終点「千畳敷」に着くと快晴の中、 広大な千畳敷カールの絶景が広がっている。
極楽平のサギダル 極楽平への登り

   空気が澄んでいるのか宝剣岳が近い、 ただ紅葉は終わっていて美しさは前に来た夏の方が断然上だ。

雲海の先に八ヶ岳
 ホテルの裏に回ると南アルプスのパノラマが広がり、 富士山も見えて素晴らしい。

 8時30分歩き始めた、多くの人は右の「乗越浄土」に登って行く。

 左に駒ケ岳神社の前を通り、「極楽平」への登山道に入った。

 ピラミッド形の岩塊サギダルを右に見ながら、 丸太で岩止めの整備された石がゴロゴロと有る登山道を登る。

 周囲は背の低い緑のハイマツ帯で、地肌が出ている所も多い。

 登っている人はかなり離れてぽつぽつと見える程度で、 こちらは極端に少ない。

 標高が上がる程に南アルプスが良く見えるようになり、 何度も止って楽しむ。

 八ヶ岳が見えるようになると、 8時55分極楽平の尾根に上がり一段と眺望が得られ休憩した。
南アルプス(甲斐駒ケ岳から富士山を挟んで塩見岳)・・・ 極楽平にて

 尾根の向こうは雲海で、 御嶽山と遠くに乗鞍岳が雲に浮かんで見えている。
乗鞍岳、右は木曽駒ヶ岳山頂 御嶽山

   直ぐ目の前にこれから登る「三ノ沢岳」が見え、 形の良い立派な山容で登る意欲が沸いてきた。

極楽平から三ノ沢岳
 左には「島田娘」の先に、これも美しい「空木岳」が聳えている。

 三ノ沢岳は今居る極楽平より余り高く見えない、 然しアップダウンが有りきつそうだ。

 9時10分緩やかな登りの尾根を宝剣岳方面に進む、 少しで宝剣岳方面と三ノ沢岳方面の分岐に着いた。

 目の前に宝剣の岩峰が聳えて、 全くの岩峰で険しくそそり立っていた。

 分岐を三ノ沢岳に向かうと、始めは広いハイマツ帯の中を降って行く。

 大きな岩の左側を回り込むと急な降りとなり、 どんどん行く内に細尾根となってきた。

 「少し登り又大きく降る」を、繰り返しながら進んで行く。

 ハイマツの細い道に張り出した小枝に、 足を取られながら進むが危険な所は無い。
指標の立つ三ノ沢岳・宝剣岳分岐 シラタマノキ

   振り返るも誰も続いていない、 前方にも人は見えていないので今日は一人占めの山か?
三ノ沢カールと空木・南駒・熊沢岳

 左に美しい三ノ沢カールの雄大な景観を見ながら、 時々伊那川源流の瀬音が聞こえ心地良い。

切り立った細尾根を行く登山道
 右側はかなり切れ落ちているが危ないと言う程の所は無く、 アップダウンの繰り返しのせいか登りが苦しくなってきた。

 振り返ると遠く高くに極楽平が見え、 この体調で帰りの登り返しが出来るのかと不安がよぎる。

 登りに掛かると岩を掴みながらの、 急な所も出て来るようになった。

 大きな岩を登り切ると緩やかとなり、前方から女性二人が下山して来る。

「速いですね」と言うと、華やいだ声で「9時に山頂に居て絶景が見られ 良かった」と言われた。

 こちらは一杯の為後どのくらいかと聞くと、 男性なら30分程でもう少しで行けるとの事。

 少し先遭難慰霊碑が立つ広々とした所に来た、 碑にはヨーロッパで遭難死した人のものと書かれている。

遠く北アルプス穂高岳
 ソロの男性が降りてきた、 先の二人もどう考えても速く山小屋で泊まったと思う。

 この辺り夏は高山植物が一杯咲いていそうな所だ、 山頂らしきのが見えてきた。

 少し険しく岩を掴みながら登ると急に平坦な道となり、 少しで11時10分誰もいない山頂と思う所に着く。

 標識は何も無いが高さ50cmは有る石柱が立っていて、 山頂だと思われる。

 右に大きな石が幾つも有る所に入ってみたが、 山頂らしいのは無いし三等三角点「三ノ沢」も見当たらないので戻った。

 独立峰だけに近い島田娘から檜尾岳、 熊沢岳そして空木岳への中央アルプスが美しい稜線を描いている。
南アルプスの上に富士山
南アルプスの上に富士山

 その奥の南アルプスは相変わらず見事なパノラマだが、 雲が多くなってきた。

 西は雲海で何も見えず、 北は雲の上に御嶽山と遠いが乗鞍岳・穂高・槍ヶ岳も確認出来る。

 疲れた体をザックを枕に寝ていると、一人の男性が登ってきた。

 「結構きついね」と言っていたが元気そうで、 この付近をあちらこちら歩き回り15分程で下山して行かれる。

 ガスが少しずつ出てきたので12時15分下山開始、 直ぐ登ってくる男女6人に会う。

 左の滑川側からガスが上がり尾根を境にストップしている、 三ノ沢カール側は全くガスが架かっていない面白い現象が見られた。

 ガスは所々尾根を越えるようになり、 このままガスに包まれるのかと不安になる。

登って来た尾根の左はガスが掛かった
 只登山道はしっかり着いていてそれに尾根トップを行くので、 万一ガスに包まれても迷うことは無いと思うが?

 最低鞍部に戻るとかなり極楽平の稜線が近くなり、 人も確認出来るようになった。

 登りに掛かるがなかなか足が前に出ない、 歩幅も小さく少しずつ登って行く。

 何度も休みながら大岩迄戻るとなだらかになり、 又尾根も直ぐ近くでホットする。

 14時15分分岐に戻る、 時間的にガイドブック通りのタイムで戻ったが疲れた。

 この辺りは眺望も良く大勢の人が来ている、 ゆっくり休むと疲れも取れた気がしてきた。

 前回来た時は登っていないので、目の前の宝剣岳に登る気になる。

 ストックをザックに刺し手袋をして、14時35分宝剣岳に向かった。
険しい宝剣岳

 暫く狭い切り立った岩を登り降りしながら進む、 いよいよ急な岩に取り付くと疲れの為かふら付く。

左に木曽駒ヶ岳を見ながら宝剣岳に向った
 休みながら慎重に○×を良く確認しながら鎖と岩を登り、 15時15分宝剣岳山頂に着いた。

 余り危険と思う箇所は無いと思う、但し降りは違うかもしれない。

 今迄誰ともすれ違わなかったが、 狭い山頂は5人のグループが居てほぼ一杯だ。

 確かに眺望は良いが、 風景としては下からのものとそんなに変わらないと思う。

 奥に祠と大きな一枚岩が有り、岩に階段が付けられ登れるようだ。

 然し疲れで登る気にならず、 又ロープウエーの最終17時も気になり下山開始した。

 宝剣山荘への下りは最初の鎖だけで危険は無く、 山荘の横を通り15時40分乗越浄土に着く。

 休憩し15時50分乗越からザレた石の歩き難い道をジグザグに降る、 極楽平の道の方が歩き易く、16時10分千畳敷ロープウエイ乗り場に、 17時30分バス乗り場に戻った。
極楽平への途中からの南アルプスパノラマ
極楽平の途中から南アルプスパノラマ

 奥に「コマクサの湯」が有るが混んでそうだ、家族旅行村の「露天こぶしの湯」に入る、 入浴料500円で新しく気持ちが良い、 南アルプスが見える露天が売りだが既に暗く内風呂だけに入った。

 この山は高速道路やバス及びロープウエイの料金が掛かるが、 手軽に3000m級の山が楽しめ、三ノ沢岳は景観も素晴らしく、 又静かな山歩きが出来る良い山でお勧め。

 体調悪く疲れたが普通の状態であれば丁度良い行程と思われる、 宝剣岳は話の種に登る山。



本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
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確認出来た山:・空木岳・南駒ケ岳・熊沢岳・御嶽山・乗鞍岳・槍ヶ岳・赤岳(八ヶ岳) ・木曽駒ヶ岳

・仙丈ヶ岳・富士山・北岳・塩見岳・荒川岳・赤石岳・聖岳


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