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西穂独標
(にしほどっぴょう)
2,701m
H12年8月8日
6時25分〜13時10分
岐阜県上宝村
晴れのち雨
”絶景!
  絶景!
    絶景!”
 前日新穂高ロープウエー直ぐの旅館「氷壁」に泊って温泉を楽しみ、 翌日「西穂独標」を目指す。

ロープウエー直ぐ近くの宿
旅館「氷壁」前にて
 新穂高ロープウエーは若い頃スキーに来て、 西穂山頂の横に槍ヶ岳が覗いていた記憶が有る。

 ロープウエーの終点から笠ヶ岳を見ながら、 豪快?に白樺平へ滑り降りたのが懐かしい。

 朝4時頃起き天気を確認するも良く無い、 ぐずぐずしロープウエー乗り場5時20分になってしまった。

 一番の5時15分が出た直ぐで次は5時45分との事、 二番の先頭で待つ。

 天気は曇りで良く無いが、どんどん登山の人や観光客が集まって来た。

 30〜40人位でロープウエーに乗車、 二本を乗り継ぎ西穂高岳登山口に着くがガスで何も見え無い。

 登る気にならず駅舎食堂(未だ営業して無い)で、 昨夜宿で作って貰ったおにぎりの朝食を取る。

 食べ終えかけた頃突然空が明るくなり、 窓に西穂高岳・槍ヶ岳が黒く浮かんだ。

槍ヶ岳が微かに覗く
西穂の左に槍ヶ岳
 食べ終え外に出ると良くなりそうで、 6時25分登り始め千石園地(せんごくえんち)の遊歩道を進む。

 園地を過ぎると小さなアップダウンを繰り返し、 少しずつ高度を上げて行く。

 振り返ると林の間越しに、 朝日を浴びた美しい笠ヶ岳が見え思わず歓声を上げる。

 少し行くと前方左手に西穂山頂・ピラミッドピーク・西穂独標がくっきりと見え、 見事な眺めだ。

 然し目標の独標は遥かに遠い。

 フイルムが無くなり交換するとカメラがセットしない? 折角の好天なのに残念。

 若い女性が一人で降りてきた、 「西穂山荘」でアルバイトをしていて休みで下山するとの事。

 ”夕焼けがとても奇麗ですよ”と言われたが、 山小屋泊りは妻がNGの為見られ無い。
まだまだ雲が多いが丁度西穂岳が浮かんだ
雲の切れ間に浮かんだ西穂

 眺望が無い林の中に少し泥濘の急坂が続き、 突然右手に焼岳が噴煙と共に見え左に乗鞍岳も望める。

 ブーンと発電機の音が聞こえて7時50分「西穂山荘」に着いた、大勢の人が休み梓川を挟み霞沢岳(かすみざわだけ)の全容が見え、良い景色だが他の山は見え無い。

独標からピラミッドピーク等のコブが続く
西穂から一番右のコブが西穂独標
 休憩後8時10分診療所の脇から登り始めた、 大きな岩の登りとなりストックをザックに差し手袋をして登る。

 一登りで岩は無くなるが、 そのままストック無しでハイマツの尾根を登って行く。

 少しで眺望が一変し開けた快適な稜線歩きとなり、 丸山迄来ると更に良くなった。

 右上に出た!前穂を従えた奥穂の威圧するような岩峰、 右下青い梓川の上高地と左は朝日に輝く笠ヶ岳~弓折岳のパノラマ。

 後方は緑の美しい尾根の先に焼岳、 左乗鞍岳が見えカメラ故障が残念でならない。

 正面鍋底型の西穂独標と三角形のピラミッドピーク、 先に西穂山頂が見え正に絶景で来て良かった。

 きつい登りが続いているが、周りの景色に助けられ一歩一歩登って行く、イワツメグサの白い小さな花やイワギキョウの紫の花、トウヤクリンドウの白い蕾等が見られた。

 途中迄来ると登るのが楽になった! 妻は頭が痛いと言い高山病か?ゆっくり登って来た筈なのだが?
樹間に西穂

 急登が終わると独標が真近となり大勢の人が見え、 先のピラミッドピークも人が確認出来る。

 一旦降って岩を手で掴みながら一登りで、9時25分西穂独標に着いた、狭い岩だけのポコンと飛び出たピークで爽快!ピークハントの気分を満喫出来る山頂のムード。

 岩登りも変化が有り楽しい、この先美しいピラミッドピーク迄狭く厳しい岩稜歩きが続き、行ってみたい衝動に駆られるが今の力量では無理だと思う。

 下山して来る人が見え、ピラミッドピークの手前からあっとゆう間に独標に来て案外近い様だ、小学生を含む4人連れと男性二人がピラミッドに向かった、行きたいの押さえ9時55分下山開始。
晴れてきてはっきり見えるようになる
西穂高岳

新穂高ロープウエー
 やはり登りより降りの方が楽だ、景色を楽しみながら歩く。

 雲が大分出てきて、奥穂高岳・笠ヶ岳も隠れ気味となってきた、大勢の登る人に会い乍 11時10分西穂山荘に戻り昼食とする。

 広場も山荘の食堂も大勢の人で、ここで帰る人も多い様だがもったい無い、 後少し登るだけで景色が一変し素晴らしい体験が出来るのを!

 山荘前にお花畑が有り、トリカブト、ハクサンフーロ、メタカラコ ウ、ミヤマシシウド、クルマユリが咲いていた。

 11時55分下山開始、 30人位の団体が登って来たが山荘迄と言われる。

 朝会った「西穂山荘」でアルバイトしている女性が登って来た、 休みと言って下山して又直ぐに戻って来るとは!

 ロープウエー西穂高口近くで雨が降り出し、 急いで雨具を付ける。

 次第に強くなってきて、濡れた急な岩場を思うと独標から先に行か無くて良かった、ピラミッドに向かった子供連れの4人は、大丈夫だったのか。

 13時に西穂高口に戻り、ロープウエーに乗るとドシャ降りとなる。

 鍋平駅でコーヒーを飲み、 福地温泉「元湯孫九郎」に泊まると泉質の良い温泉だった。

 カメラ故障で写真が撮れて無いのが心残りだが、 素晴らしい景色を目に焼き付けられ満足としよう。


本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
 確認出来た山: ・奥穂高岳 ・前穂高岳 ・西穂高岳 ・弓折岳 ・抜戸岳 ・笠ヶ岳 ・錫杖岳

            ・焼岳 ・乗鞍岳 ・霞沢岳

  出会った花  : ・イワツメクサ・イワギキョウ・トウヤクリンドウ・クルマユリ・トリカブト

             ・メタカラコウ・ハクサン フーロ・ミヤマシシウド・ゴゼンタチバナ


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