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御嶽山
(おんたけさん)
3,067m
「黒沢口ルート」
H22年10月12日
6時40分〜16時20分
長野県木曽町
曇り時々晴れ
 ”道は殆ど階段状
 年配者に厳しいが
 眺望の楽しめる道”
 御嶽山は王滝口と小坂口ルートで登っているが、 御嶽最古の登山道とされる黒沢口ルートは未踏だ。

 現在御岳ロープウエイが作られ7合目から登られるが少しでも古道の雰囲気を味わいたい、 大駐車場が有ると言う6合目「中の湯」からとしよう、 それでも1合目から歩く事を思うとかなり楽になる。

黒沢口六合目中の湯登山口
 4時頃に家を出てコンビニで朝昼を買い、 中央道多治見ICで入り中津川ICで出て19号を北上。

 順調に走り木曽福島に入る手前の元橋の信号を左折、 20号を王滝川沿いに進む。

 黒沢で王滝方面への256号を左に分け、 473号に入り黒沢口ルート一合目とされる「御嶽神社里宮」を通過した。

 おびただしい数の霊神碑が見られて、 御嶽信仰が如何に盛んだったかが分かる。

 明瞭な分岐に来たら「中の湯」の案内が立ち左に入る、 右は御岳ロープウエイ乗り場。

 舗装の良い道を進むと左側に大きな駐車場が有り、 直ぐ先右手にバス駐車場が見られる。

 通過し左に上がると一方通行で左に上がり、 バス停及び小屋とトイレの有る駐車場に着いた。

 車は8台程止っていて丁度歩き始める人も居た、 簡単に朝食を食べ6時40分トイレの左に入って行く、反対側は一合目からの古道?、 直ぐ「油木美林(あぶらぎびりん)遊歩道・百間滝」の案内が有る。
中の湯の横を通過 湿気た土留め階段が続く

 薄日が射す中を進むと「中の湯」の建物に来たが今は営業して無い様子、 右に社と行者像を見て直ぐ木の階段の道になるがかなり朽ち、叉泥んこで歩き難い。
ダブルストックの若者が抜いて行った 時々紅葉が見られる

 深い林の様相になるが早々と息が切れ止っていると、 若いダブルストックの単独男性が抜いて行った。

 「御嶽山六合半・日野製薬出張所」の看板が立つ小屋に来たが、 今は営業して無いのか閉まっている。
背後の樹間に中央アルプス 七合目八海山支店

 背後一部開け雲の上に木曽駒ヶ岳が見えているが天気は良く無い様だ、 予報は晴れだったが?叉小屋に来て「御嶽七合目八海山支店・参拝休憩所」と有り、 地形図「飯森小屋」か?閉まっていた。
ロープウエイの道が合流 ロープウエイのりば10分の案内

 少し登ると指標が立ちロープウエイ山頂駅から道が合流した、 乗り場迄10分と有り近い。

 7時40分2階建ての建物が見え七合目行場山荘に着いた、地形図「一の股小屋」辺り の様だ、「名物ちからもち」の看板が掛けて有るが入口の戸の所には「準備中」の札。
行場山荘の横を通過 注連縄が張られた覚明行者の行場

 先に進むと沢に来て注連縄が張られ、奥に小滝も見えていて 覚明行者(享保3年(1718)3月3日尾張国春日井郡牛山村の農夫清左衛門の子) の行場となっている。

 その先ロープが張られた「油木美林遊歩道・百間滝」の分岐を過ぎ、 急な土留め階段の登りに変わった。
土留め階段が続く 紅葉

 この辺りから下山して来る人に会う、 山小屋泊まりの人で昨日は天気が良く眺望が楽しめたと言われる。
所々紅葉が楽しめた

 今日は雲海の上に山々が見えていたそうだが、 天気は悪くなってきていて今は日は射して無い。

 土留めの階段が続き疲れて岩に腰掛けて休むと、 男性が降りてきて直ぐ上で滑り尻餅を着かれた。
ずっと続く階段 木の背丈が低くなってきた

 登るに連れ紅葉も見られるが曇りの天気では美しさは今一で残念、 少しずつ木の背丈が低くなってくる。

八合目女人堂(にょにんどう)
 背後が開けるが雲で下の方の低い山が見えるだけで良く無い、 直ぐ2階建ての小屋が見えてきた。

 9時10分建物の前にベンチとトイレが有る8合目女人堂に着いた、 4〜5人が休んでいる。

 前方に広大な御嶽山が見え山肌に少しピンク色が入り美しく、 日が射して無いのが非常に惜しい。

 直ぐガスが掛かり見え無くなったり、叉出て来たりを繰り返している。

 疲れたので甘い菓子パンを食べ乍ベンチで休んでいると、 隣の男性がコーヒーいかがと言われた。

 豊田からと言われたが色々話をしながら頂いて、 ご馳走になりましたおいしかったです。

 下山してきたご夫婦は昨日ここから三の池に行き五の池小屋で泊り、 剣ヶ峰経由で戻ったと言われる。
女人堂から紅葉の御嶽山 (剣ヶ峰は左の大きなコブの左背後に僅かに覗いている)

 三の池方面の途中が紅葉が良かったと話され、 豊田の男性は山頂に行かずそちらへ行ってみると言われた。

 紅葉は難しく逃すのが多いので三の池に行こうか迷うが、 このコースで山頂を踏んでおこうと思い直す。
女人堂から紅葉の中を登って行く

 9時35分指標の立つ分岐を左に入った、 涸沢状の谷を行くとナナカマドを中心の紅葉が美しい。
通過した女人堂を見下ろす 霊神碑が多く立つ中を通る

 道には白ペンキで矢印が書かれていて、 一登りで背後眺望の開けた霊神碑が一杯立つ中を通過。
這い松の間の溝を登る、最奥に鳥居 草紅葉の火山岩の中となった

 ここからは這松の中を土留め階段の登りがほぼ一直線に続き、 少し登ると遥か先に鳥居が見えている。
少し明るくなり見晴しを楽しむ

 左手に田の原の三笠山が確認出来、 鳥居を過ぎると這い松も無くなり火山岩の間を登って行く。
王滝の田の原登山口と三笠山

 山肌がピンク色に見えていたのは草紅葉のせいで、 階段が無くなり岩や砂礫の道で歩き易く変わった。
イワツメグサ 石室山荘と覚明堂が大分近くに

 前方に最初のコブの石室山荘と一段高く覚明堂の建物が近くなったが、 かなり急な登りが残っている。
ダケカンバの幹の白と紅葉の取り合わせが良い

 休んで時々振り返り雄大な景観を楽しむが、 中央アルプスが見えている筈の遠くは雲の中なのが惜しい。

 急になって来ると白ペンキで→○が岩に付けて有るが、 踏み跡はしっかり付いて戸惑う事は無かった。
石室山荘と覚明堂近くは急な登り

 先にご夫婦と思う二人が登っているが急登に苦戦されている様子、 当方も少し登っては休むの繰り返しだが、 少しずつお二人に近付いて行き石室山荘近くで追い付く。
九合目石柱 石室山荘は崖にへばり付き建つ

 暫く後を登っていたがご主人が苦しい様で、 覚明堂手前で抜かさせ戴いたがこちらも止ってばかり。
覚明堂にやっと上がった 神社が作られている

 石段を上がり鳥居を潜ると険しい岩壁に社が有る、 ここからは緩やかになり直ぐ先二の池分岐に来た。

 左に進み砂礫状の道を登って行くと三分岐に来て、 右二の池左は王滝頂上への分岐で真ん中の道を進む。
二の池・王滝頂上分岐、山頂は直進 最後の登り、左上の建物は山小屋

 右手に二の池と池の辺に小屋が見えている、池の色は前に見た三の池ほどブルーは 濃く無い、道は急で無い砂歴状だが土留め階段だ、暫く登ると階段は無くなった。
左「剣ヶ峰」・中「二の池」・右端「麻利支天」

 剣ヶ峰の建物が近くなり後少しだ、 左側はずっと開け右側も見えてきて乗鞍岳が雲の上に出ている。

 やっと上がり山小屋の横を通って鳥居前に着き、 最後の階段を勇んで一気に上って行く。
山小屋の横を通過 山頂の御嶽神社奥宮

 然し後少しが登れ無く一回止まり11時50分やっと剣ヶ峰に着いた、 人は7〜8人で案外少ない。
山頂広場 一等三角点「御岳山(おんたけさん)」

 御嶽神社奥宮が正面に右手直ぐ「御嶽山頂上」の石柱、 奥に一等三角点「御岳山」が石に囲まれて有る。
  (山名は御嶽山と「嶽」の字が使われるが、 点の記の点名は「岳」の字が書かれている)
山頂標柱と雲海の上に乗鞍岳

 雲海の上継子岳の奥に乗鞍岳と、 右手には木曽駒ヶ岳・宝剣岳・三ノ沢岳が見えているが他は雲の中だ。
中央アルプス

 それでも前回来た時は、 ガスで直ぐ下の大きな一の池も見え無かったのを思えば由としよう。
広大な「一の池」と右「ニの池」、背後「麻利天」と右奥「継子岳」、 その奥の雲の先「乗鞍岳」

 汗が引き寒くなってきたので、 南側少し下りた岩の上で昼食を取ったが疲れて食欲が無い。
お鉢巡りの剣が峰背後の登り斜面 地獄谷の激しい谷

 一の池ニの池のお鉢巡りはしたいと思っていたが、 二の池背後の登りを見て今の状態では駄目だ。
左王滝頂上、右王滝奥の院の険しい山

王滝奥の院の険しい山の手前には火口跡

 随分ゆっくりし12時50分下山開始し、 来た道を戻り途中二の池へ道が降っている所に戻る。

 休んだせいかちょっと寄り道する気になり、 地形図を見ると軽い登り返しでこの尾根に戻れそう。
剣ヶ峰から直下の山小屋の屋根 二の池に下りた所から剣ヶ峰と二の池

 池に向け急降下し砂礫の道を降る、 右手に同じ尾根から降ってきた道を合わせ先に進むと平坦になった。
二の池に下りた所から二の池と麻利支天

 左上に剣ヶ峰が聳え先には二の池が見えていて、 その先麻利支天の山が横長に囲んでいる。

 小屋の近く迄行かないと水辺とならず、平坦な僅かの距離だが途中から鋭角に戻る道に入る、 地形図通り緩やかな登りだがそれでも苦しく、休みながら覚明堂直ぐ上の分岐に戻った。
二の池湖畔から覚明堂に戻る道 雷鳥

 登りに苦しんだ急降下が始った、 段差が大きい階段状の降りが続いているが膝は痛くならず通過。

 石に座って休んでいると雷鳥が来て、 ピョンピョンと跳ねながら歩き回って時々草を啄ばんでいた。
雷鳥 ナナカマド

 天気は変わらず遠くの山は見え無いので黙々と降って行くが、 見渡す範囲には誰も居無い。

 8合目手前の紅葉は登りと同じ曇り空でも、 少し光の関係が変わるのか鮮やかな感じがする。

帰りの八合目付近
 14時40分8合目女人堂に戻りベンチでパンを食べ休む、 暫くするとぽつぽつと下山者が来た。

 後に人は見えて無かったのだが? 4人連れが登ってきて今日はここで泊まる様子。

 小屋は今日迄開いて、 客は「今日が最後なら残っている食料食べ放題」と笑わせる。

 15時下り始め15時40分ロープウエー分岐に戻ると、 背後からご夫婦と思われる二人が急ぎ足で来た。

 急いでロープウエー方面に向ったが最終16時30分で、 余裕で間に合うと思うが?

 再度もくもくと降って行く、 背後から何人かの人に抜かれながら16時20分車に戻る。

 下山した人が5〜6人寛いでいたが皆さん帰って行かれ、 登山者は私が最後の様子だった。

 登山口〜山頂間の標高差約1,250mにしては、 階段状の道が多く筋力を使い厳しい感じがした、 私の様な軟弱者は7合目迄ロープウエーを使い、 中の湯から登り約320mを省略し足を温存すべき。

 道としては殆ど階段で今一だが、 8合目から御嶽山の景観は一見の価値が有ると思う、 叉少し歩ける人なら山頂から紅葉が良いとされる、 三の池周回コースが組め楽しみが倍加しそうだ。

  ⇒「御嶽山紅葉拡大写真」


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本図は国土地理院地図閲覧サービスを利用して作成
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  出会った花:  ・イワツメグサ


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